定例委員会の開催状況

 

 

第1  日 時  平成29年9月14日(木)

午前10時00分 〜 午前11時30分

 

 

第2 出席者 小此木委員長、奥野、川本、北島、木村、安藤各委員

坂口長官、栗生次長、三浦官房長、山下生活安全局長、吉田刑事局長、桝田交通局長、松本警備局長、村田情報通信局長

藤本首席監察官

 

 

第3  議事の概要

 

1 議題事項

(1)監察の取扱い事案について

首席監察官から、福岡県警察の警部補による大麻所持等事案に関し、同県警察は、9月21日に同警部補らを免職処分等とするとともに、国家公安委員会の了承が得られれば、監督責任として、同日に地方警務官1名を本部長訓戒の措置とする予定である旨説明があり、原案どおり了承した。

 

(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。

 

  報告事項

(1)総務省による公文書管理に関する行政評価・監視結果に基づく勧告について

官房長から、平成28年度の公文書管理に関する行政評価・監視結果に基づき、9月19日に行われる総務省行政評価局による勧告について報告があった。

 

(2)第37回ASEAN警察長官会合(ASEANAPOL)の開催結果について

官房長から、9月12日から14日までの間、シンガポールにおいて開催された第37回ASEAN警察長官会合(ASEANAPOL)の結果について報告があった。

北島委員より、「今回、日本はダイアログパートナーとしての参加であったが、来週行われる第8回ASEAN+3国際犯罪閣僚会議で実質的な内容の議論が行われると考えてよいか」旨の発言があり、次長から、「ASEANAPOLでは、ダイアログパートナーは、共に成果文書を作成するまでの位置付けとはなっていない。なお、来週開催されるASEAN+3国際犯罪閣僚会議では、日本等の議論も成果文書に反映され得る」旨の説明があった。

 

3)監察の取扱い事案について

首席監察官から、北海道警察の巡査部長による麻薬特例法違反等事案に関し、同警察は、9月19日に同巡査部長を免職処分とする予定である旨並びに警視庁の巡査部長による業務上横領事案に関し、同警察は、9月15日に同巡査部長を免職処分とする予定である旨の報告があった。

木村委員より、「こうした事案を始めとして、全国で非違事案が起きている。単に処分をするだけでは改善はあり得ない。例えば、職場の中で共通の認識を持って、お互いに話し合い、これまでの非違事案を基に問題の所在を確認したり、意識を高めたりするなどして、非違事案を是非とも減少させてもらいたい」旨の発言があった。

安藤委員より、「処分を受ける人から聴取するときに、何故このようなことをしたのかなどと問いかけ、非違事案の当事者自身で問題点と改善策を考えてもらい、自ら語ってもらうという方法もあるのではないか。また、私も、木村委員が指摘したように、非違事案の問題点を職場で議論し合えるような風土になるとよいと思う」旨の発言があり、首席監察官から、「例えば、処分を受けた者から、処分後、あるいは辞職後に、反省や後悔などの思いを聞き取って、当事者の生の声を現場の職員に認識してもらう、また、それだけではなく、こうした事案に至った問題の所在はどこにあったのか、どのようにすべきであったのか、自身はどう思うのかといった点などについて議論したりすることを通じて、事案の防止に活かしていくという取組なども行われているところであり、引き続き進めていくこととしている」旨の説明があった。

 

(4)最近の五代目工藤會対策について

刑事局長から、平成23年2月に発生した拳銃使用殺人未遂等事件について、本年9月8日に福岡県警察が五代目工藤會幹部等6名を検挙するなど、最近の五代目工藤會対策について報告があった。

安藤委員より、「市民の方々とも連携しながら、警察の全勢力を集中して工藤會対策を進めてきたという御苦労に感謝申し上げたい。他の未検挙事件についても、今後も集中して捜査を進めていくということでよいか。また、工藤會が起こした2つの事件の被害者等による損害賠償請求について、それぞれの請求の方法が異なっているのは、弁護士等が検討し、事件の状況等に応じて適切な対応を選択したとの理解でよいか」旨の発言があり、刑事局長から、「今回、6年前に発生した事件の検挙に至ったのは、工藤會に対する集中取締りを進めてきた結果であると考えている。御指摘のあった未解決事件については、引き続き、その解決に向けてしっかりと捜査を進めてまいりたい。また、2つの損害賠償請求訴訟の提起等については、個々の事案に基づいて、弁護士等が法的な観点から検討を行い、適切な形で提起等されたものと承知している」旨の説明があった。

奥野委員より、「暴力団幹部に対して責任を問う損害賠償請求は、報復を恐れる被害者等の心情を考えると容易ではないが、今回の損害賠償請求は、数々の凶暴な事件を起こしてきた工藤會に対して大きな打撃になると思われる。幹部の検挙と並行した工藤會対策を支持したい」旨の発言があり、刑事局長から、「暴力団の代表者等に対する損害賠償請求は、被害回復に資するとともに、暴力団の資金を剥奪して打撃を与える有効な手法であるので、今後も、弁護士会等と連携しながら、必要な保護対策を講じつつ、強力な取締りと連動させた対応を進めてまいりたい」旨の説明があった。

北島委員より、「工藤會に対して損害賠償請求を提起するなど、工藤會対策が進んでいることを歓迎したい」旨の発言があった。

 

(5)平成29年上半期における交通死亡事故の特徴等について

交通局長から、平成29年上半期における交通死亡事故の特徴等について報告があった。

川本委員より、「この分析結果と対策とのリンクを強めていただきたい。歩行中の死者のうち法令違反がある割合が非常に高い理由については、罰則が軽いからか、ルールが周知されていないからなのか分析を進めると良いと思う。また、この点についても、広報をしっかりとしていただきたい。後部座席にもシートベルトの着用義務があることや、チャイルドシートを使わずに幼児を抱きかかえて乗車することの危険性についても、もっと広報する必要がある」旨、木村委員より、「後部座席のシートベルトの着用義務については、ほとんど周知されていないので、しっかりと広報していただきたい」旨の発言があった。

安藤委員より、「今回の詳細な分析結果を示すことが秋の交通安全運動でも非常に説得力のある材料を提供することになると思うので、是非、チャイルドシートの活用や後部座席のシートベルトの着用を定着させるための具体的な対策に繋げていただきたい。対策を講じても着用が定着しない場合には、一般道における後部座席のシートベルト着用義務違反を点数制度の対象とすることなども考えていかなければならなくなると思う」旨の発言があった。

北島委員より、「第10次交通安全基本計画で掲げた平成32年までに交通死亡事故死者数を2,500人までに減少させるという大きな目標がある中、シートベルトの着用率を向上させることを一つの課題としてとらえ、今回の分析結果を対策に役立てようとすることは、非常に良いと思う。特に、家族間等親しい間柄でもシートベルトを着用させずに死亡事故が発生していることを明らかにしたことは非常に有効だと思う」旨の発言があった。

奥野委員より、「一般道の後部座席のシートベルトの着用の推進に関しては、違反について行政処分の対象とする考え方もあるが、その前に、自動車メーカーにも協力してもらい、シートベルトを着用せざるを得なくなるシステムを開発すればよいのではないかとも考える。シートベルト未着用の自動車は発進できなくするなどのシステム開発は現代の技術でも可能ではないか。少なくとも、運転席、助手席で未着用の警告音が鳴るシステムを、全ての自動車で後部座席でも義務化すべきだと考える」旨の発言があった。

交通局長から、「分析を分析で終わらせず、それを対策に結び付けるということは、我々も非常に大事なことであると考えている。また、広報啓発の際は、それなりのインパクトがある話をしないと、聞いた者の印象に残らないので、分析結果の広報啓発における活用については、今後ともしっかりとやってまいりたいと考えている。また、シートベルトに関する罰則について、現在、後部座席の一般道路通行時においては、着用義務はあるが違反点数は付与されないという制度になっているところ、今後いかに装着率を高めていくかということについては、ハード面からの対応も含め、関係部署とも連携しながら知恵を絞ってまいりたい」旨の説明があった。

木村委員より、「ハイビームの利用を広報する際には、特に市街地では対向車に眩惑等を生じさせることになり得ることも一緒に説明するなど、広報の仕方には注意してもらいたい」旨の発言があり、交通局長から、「ハイビームの活用については、御意見を頂いたとおり、対向車に幻惑等を生じさせることも考えられることから、引き続き、広報啓発の際は、対向車や先行車が走行している場合にはロービームに切り替えること等も合わせてしっかりと周知を図ってまいりたい。また、最近では、ハイグレードの自動車を中心に自動的に前照灯を点灯したり、対向車等を感知して自動的にハイビーム・ロービームを切り替える技術が導入されているが、このような交通安全に資する技術が広く普及するよう働きかけを行ってまいりたいと考えている」旨の説明があった。

 

(6)平成29年秋の全国交通安全運動の実施について

交通局長から、平成29年秋の全国交通安全運動等の実施について報告があった。

奥野委員より、「秋の交通安全運動では、前照灯のハイビーム使用の励行と早めの点灯等を広報啓発するとのことだが、早めの点灯は道路を照らすだけではなく、歩行者や対向車にこちら側の存在を知らせるために効果があると言われている。特に、薄暮時間帯や雨の日等は効果的だと思うが、日本ではなかなか浸透しない。公用車であっても暗い中でライトを点けずに走っているのを見かけるので、キャンペーンでは、もっと前照灯の早めの点灯をアピールしてほしい」旨の発言があった。

交通局長から、「前照灯の早めの点灯については、これまでも繰り返し、警察庁や各都道府県警察において周知徹底を図っているところであるが、より一層の浸透を図るべく、引き続き、警察部内を含め、取組を推進するよう徹底してまいりたい。」旨の説明があった。

 

(7)安倍内閣総理大臣のアメリカ合衆国訪問に伴う警護警備について

警備局長から、9月18日から22日までの間、国連総会出席等のため、安倍内閣総理大臣のアメリカ合衆国を訪問する予定であり、これに伴い、所要の警護警備を実施する旨の報告があった。

 

  その他

(1)刑事局長から、9月13日に神戸市長田区において発生した暴力団員に対する拳銃使用殺人事件について報告があった。