定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 平成29年10月26日(木)

午前10時00分 〜 午前11時35分

 

 

第2 出席者 小此木委員長、奥野、川本、北島、木村、安藤各委員

坂口長官、栗生次長、三浦官房長、山下生活安全局長、樹下刑事局長、桝田交通局長、松本警備局長、村田情報通信局長

藤本首席監察官

 

 

第3  議事の概要

 

1 議題事項

(1)国家公安委員会委員長を代理する者の互選について

委員間の互選により、11月1日以降の「委員長を代理する者」の順位について、第1順位川本委員、第2順位北島委員、第3順位木村委員、第4順位安藤委員、第5順位奥野委員とすることとした。

 

(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。

 

2 報告事項

(1)平成29年度第2四半期監察の実施状況について

首席監察官から、「児童虐待への取組強化の推進状況」を全国統一実施項目として警察庁が都道府県警察に対して行った平成29年度第2四半期における監察の実施状況について報告があった。

木村委員より、「体制や研修の拡充、対応のマニュアル化等が進められていると思う。ただ、具体的な取組については、それぞれの現場で知恵を出して常に改善していかなければならないものであることに注意を払う必要がある。また、関係機関との連携については、十分ではない部分もあると思うので、実効性のある連携となるようにしていただきたい。各都道府県警察の取組についてもフィードバックさせながら、一緒に考えていきたい」旨の発言があり、首席監察官から、「参考とすべき個別の対応例や、研修面等も含め、優れた仕組みや取組など、ベストプラクティスについて、共有できるところは全国で共有していくこととしている」旨の説明があった。

奥野委員より、「監察結果を見ると、児童虐待事案に対処する体制が大幅に改善されつつあると受け止めている。資料では、「一部の都道府県では」との記載が随所に見られるが、これらの施策は、まだ数都道府県にとどまっているのか、又はかなりの都道府県で実施されているのか」旨の発言があり、首席監察官から、「例えば、児童虐待事案に特化した警察本部の夜間の当直体制が運用されている都道府県は、大規模県を中心に18、独自のシステムの構築が行われている都道府県は22、児童相談所に警察OBが配置されている都道府県は36など、事項によって異なるが、中小規模県を含め、全体的には広がりを持って前進してきているという認識である」旨の説明があり、奥野委員より、「予想以上に多くの県で対策が展開されていることが分かった。各都道府県によって、予算や事案の発生状況等の事情は異なるだろうが、児童虐待は全国共通の問題でもあり、更に広く対策が拡充されるよう期待する」旨の発言があった。

安藤委員より、「非常に良いタイミングで、児童虐待対策を実施項目とした。今回の監察結果で把握された良い取組は、工夫も凝らしながら、各都道府県警察にも周知させて、反映されるようにしていただきたい。例えば、関係システムの構築など、予算等の制約はあるかもしれないが、円滑な情報の収集・集約に資すると思うので、少しでも採り入れられる施策は採り入れられるようにしてもらいたい」旨の発言があった。

 

(2)監察の取扱い事案について

首席監察官から、群馬県警察の巡査長による道路交通法違反事案に関し、同県警察は、同巡査長を10月27日に免職処分とする予定である旨の報告があった。

 

(3)第48回衆議院議員総選挙の違反取締りについて

刑事局長から、第48回衆議院議員総選挙の違反取締りについて報告があった。

北島委員より、「取締り状況は、前回と比べてほとんど変わらないが、これをどう評価するか」旨の発言があり、刑事局長から、「大きな推移としては、過去数回の検挙状況を見ても右肩下がりにある。通常、選挙期日の翌日から着手をして、事実を固めて検挙するという形になるので、期日後3日の検挙状況は前回とあまり差が無いということである」旨の説明があった。

奥野委員より、「今回の選挙戦は、野党が分裂、競合した上、各候補者とも準備期間が短いなど異例の展開となったが、結果として選挙違反の件数に影響はあったのか」旨の発言があり、刑事局長から、「急な選挙でもあり、選挙運動自体の立ち上がりが遅れるといった状況があったのではないかと思う。そうしたことが、違反の件数に影響したものと思う」旨の説明があった。

安藤委員より、「選挙の自由妨害の態様、解釈について、今後、様々な議論が出てくることも考えられるので、よく整理しておいてもらいたい」旨の発言があり、刑事局長から、「これまで、選挙の自由妨害で検挙をしている事案は、大半はポスター破りや掲示板の損壊というものである。やはり、選挙運動を妨害するというのは重大な問題だと考えており、しっかりと見てまいりたいと思う」旨の説明があった。

 

(4)G7内務大臣会合の開催結果について

    警備局長から、10月19日から20日までの間、イタリア共和国のイスキア島において開催されたG7内務大臣会合の開催結果について報告があった。

委員長より、「今回の会合は、本年5月のG7タオルミーナ・サミットにおいて採択された声明を受けて開催され、テロリストによるインターネットの悪用対策等をテーマに意見交換した。我が国は2020年にオリンピック・パラリンピック東京大会、その前年にラグビーワールドカップやG20の会議を控えていることから、各国には、外国人戦闘員に関する情報の提供等をお願いした。警察は、引き続きしっかりと国際テロ関連の情報を収集し、それらの警備の万全を期していただきたい」旨の発言があった。

川本委員より、「今回の会合は、代理出席も無く、非常に重要なものと受け止められていたと思う。インターネットの悪用対策については、今後、SNS上での情報の削除に関するルールがどうなるか、それによりどのような影響があるのかを教えていただきたい」旨の発言があった。

北島委員より、「ISILの拠点が陥落したタイミングでこのような会合が開催されたことはタイムリーで良かった。特にインターネットの悪用対策については、今後ともしっかりと進めていただきたい」旨の発言があり、委員長より、「今後、インターネットの悪用対策は一層重要になってくるので、しっかりと進めてまいりたい」旨の発言があった。

 

(5)天皇皇后両陛下の福岡県及び大分県行幸啓(平成29年7月九州北部豪雨被災地御見舞引き続き第37回全国豊かな海づくり大会御臨席等)に伴う警衛警備について

警備局長から、10月27日、平成29年7月九州北部豪雨被災地御見舞のために福岡県及び大分県へ、引き続き、10月28日から30日までの間、第37回全国豊かな海づくり大会御臨席等のために福岡県へ、天皇皇后両陛下が行幸啓になる予定であり、これに伴い、所要の警衛警備を実施する旨の報告があった。

 

(6)皇太子殿下の愛媛県行啓(第17回全国障害者スポーツ大会御臨場等)に伴う警衛警備について

警備局長から、10月27日から29日までの間、第17回全国障害者スポーツ大会御臨場等のため、皇太子殿下が愛媛県へ行啓になる予定であり、これに伴い、所要の警衛警備を実施する旨の報告があった。

 

3 その他

(1)川本委員から、イスラエル・英国への視察結果について報告があった。

木村委員より、「サイバーセキュリティにおける官民連携に関し、イスラエルでは、政府の方から民間に対して、協力から得られる現在又は将来的な価値や利益を示しているのか。今の日本の場合は、官民連携に関して、ウィン・ウィンの連携がなかなか難しいと感じる」旨の発言があり、川本委員から、「イスラエルでは、官側が民側にそのような利益を明確にして、官民が協力しやすい仕組みが作られていると聞いた。日本でも、官側が民側のベネフィットを知り、民側に見えるようにする工夫があるのではないか。イスラエルは国家規模や国情が日本とは大きく異なっているが、その中からでも学ぶことはあると思う」旨の説明があった。

 

(2)交通局長から、東北自動車道(花巻南IC〜盛岡南IC)における100km/hを超える規制速度の試行を、12月1日から開始する旨の報告があった。