定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 平成29年11月16日(木)

午前10時45分 〜 午後0時00分

 

 

第2 出席者 小此木委員長、奥野、川本、北島、木村、安藤各委員

坂口長官、三浦官房長、山下生活安全局長、樹下刑事局長、

桝田交通局長、松本警備局長、村田情報通信局長

白川外事情報部長

 

 

第3  議事の概要

 

1 議題事項

(1)国家公安委員会の権限に属する事項の専決区分の整理(案)について

官房長から、国家公安委員会の権限に属する事項の専決区分の見直しについて説明があり、原案どおり決定した。

川本委員より、「不断の見直しをすることと、落とすべきではない専決事項は落とさないことを心掛けていただきたい」旨の発言があった。

安藤委員より、「警察庁内部の権限の見直しも、引き続き同様に進めていただきたい」旨の発言があった。

北島委員より、「既存の項目の見直しは無いのか」旨の発言があり、官房長から、「2つの既存の項目を見直している」旨の説明があった。

 

(2)「放射性同位元素等の運搬の届出等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令案」に対する意見の募集について

生活安全局長から、原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律の一部施行等に伴う「放射性同位元素等の運搬の届出等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令案」に対する意見の募集について説明があった。

川本委員より、「このような改正をする理由を明示していただきたい。意見募集の資料は、一般の人でも分かるようにするべきである」旨の発言があり、意見募集の資料案を一部修正の上、決定した。

安藤委員より、「府令案第5条で定める公安委員会への報告は「直ちに」行うこととなっているが、口頭でよいのか」旨の発言があり、生活安全局長から、「現場から電話により事故発生の第一報を迅速に行っていただくことを想定している」旨の説明があった。

 

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。

 

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

 

(2)監察の取扱い事案について

官房長から、千葉県警察の警部による道路交通法違反等事案に関し、同県警察は同警部を、並びに福井県警察の巡査部長による道路交通法違反等事案に関し、同県警察は同巡査部長を、いずれも11月17日に免職処分とする予定である旨の報告があった。

 

(3)指定暴力団五代目工藤會幹部らによる拳銃使用殺人未遂事件の検挙について

刑事局長から、平成22年3月に北九州市内で発生した一般人に対する拳銃使用殺人未遂事件について、福岡県警察は、指定暴力団五代目工藤會幹部ら6名を29年11月9日に検挙した旨の報告があった。

北島委員より、「工藤會対策がまた一歩前進したという観点から評価したい」旨の発言があった。

奥野委員より、「事件検挙を重ね、逮捕した組員の供述を得て、過去の工藤會絡みの事件の立件も進んでいる。大変難しい捜査だと理解しているが、まだ未解決事件も多く残っており、工藤會壊滅に向けた福岡県警察の今後の捜査に期待したい」旨の発言があり、刑事局長から、「当初、検挙することが困難と思われた事件についても、一連の事件の捜査を進める中で新たに証拠が発見されることもあり、検挙につなげることができたと考えている。御指摘のとおり、今回の事件にとどまることなく、未解決事件の解決を目指してまいりたい。」旨の説明があった。

 

(4)「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律」に基づく警察庁長官の意見陳述について

警備局長から、無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律第12条第2項の規定に基づく、オウム真理教の観察処分の期間更新を公安審査委員会に請求することについての公安調査庁長官からの意見聴取に対して、警察庁長官から請求が必要である旨の意見を述べた旨の報告があった。

木村委員より、「オウム真理教については、今後も監視を徹底する必要があると思う」旨の発言があった。

奥野委員より、「ひかりの輪グループについて、警察は、引き続き脅威の対象と認識していると理解してよいか」旨の発言があり、警備局長から、「そのとおりである」旨の説明があった。

安藤委員より、「具体的事実を基にした説得力のある意見陳述だと思う。オウム真理教の歴史的な背景も踏まえた評価がどうなるのか注目したい」旨の発言があった。

 

(5)皇太子殿下の香川県行啓(第41回全国育樹祭御臨場等)に伴う警衛警備について

警備局長から、11月18日から19日までの間、第41回全国育樹祭御臨場等のため、皇太子殿下が香川県へ行啓になる予定であり、これに伴い、所要の警衛警備を実施する旨の報告があった。

 

3 その他

(1)刑事局長から、神奈川県座間市内において複数の死体が発見された事件を踏まえて11月10日に開催された、「座間市における事件の再発防止に関する関係閣僚会議」について報告があった。

木村委員より、「再発防止について、国全体で検討しようという動きは大変良い。捜査が終了した段階で、本件についての総括的な報告をしていただきたい」旨の発言があり、刑事局長から、「現在も、警視庁において事件の全容解明に向けて捜査を進めているが、いずれ適切な時期に報告させていただきたい。」旨の説明があった。

北島委員より、「内閣官房長官の指示事項について良い結果が得られるよう期待したい」旨の発言があった。

奥野委員より、「様々な情報が飛び交っているが、肝心の被疑者の心の闇が未だに見えてこないので、再発防止策を講じるためにも全容解明の徹底をお願いする。閣僚会議では、自殺を手助けするサイトの監視を更に強化することや、SNSを通じた有害情報の対策も検討しているのか」旨の発言があり、生活安全局長から、「今回の事件では、問題点が2点あり、1点目は、悪意のある被疑者の、自殺に勧誘する書き込みが削除されていないこと、2点目は、悩みを吐露する人たちが、適切な相談窓口に相談していないということである。いずれにしても、関係省庁と既に協議を始めており、実効性のある対策について考えていきたい。インターネット・ホットラインセンターは、違法情報について通報を受けて、警察に通報するとともに、サイト管理者等に対して削除依頼を実施している。以前は「人を自殺に誘引・勧誘する情報」という有害情報についても、同センターが対応していたが、事業仕分けの結果等を踏まえ、平成28年度からは対応していない。今は、同センター受託事業者である、セーファーインターネット協会が自主的に有害情報の通報を受けて、サイト管理者等に対して削除依頼を行っており、また、一部サイバーパトロールを行っているが、十分ではない。SNSも含め、どう対応していくかが今後の課題である」旨、刑事局長から、「官房長官の指示は、様々な不適切なサイトの問題もあれば、サイト以外のSNSへの書き込みの問題もあるので、自殺関連サイトの問題とSNSへの書き込みの問題双方について対策を強化するというものであった」旨の説明があった。

安藤委員より、「閣僚会議の検討では、心の叫びをキャッチするなどの心のケア対策にも十分に配慮していただきたい」旨の発言があった。

川本委員より、「若年層は、インターネットの検索サイトではなくSNS上での検索を利用しているということに留意すべきである。また、大量の情報を提供する検索サービス等のビジネスの在り方についても議論する必要があるのではないか。さらに、最近広がっているダークウェブへの対応も検討する必要があると思う」旨の発言があった。

木村委員より、「心の闇や寂しさを満たすための手段としてSNS等が使われている。心の闇の問題については、警察だけでどうにかできるものでもなく、社会全体の問題として考えていく必要があると思う」旨、委員長より、「確かに、警察だけではなく、関係省庁や地域、家庭も含めて議論することが必要だと思う」旨の発言があった。

 

(2)外事情報部長から、大量破壊兵器関連物資等の拡散防止に向けた取組の現状と課題について報告があった。

北島委員より、「今後とも、現在の取組の徹底、強化を進めていただきたい」旨の発言があった。

川本委員より、「官民が連携して情報交換を行っていくことは重要である。民間からの情報提供のインセンティブを働かせるためには、提供を受けた情報の効果を官民が共有していく必要がある。また、企業が誤って規制品を輸出してしまうことがないように、民側と情報交換を工夫して行うなど相互の連携を図っていただきたい」旨の発言があり、外情情報部長から、「提供を受けた情報の効果を還元するなど、民側と共有できるものについては共有してまいりたい」旨の説明があった。

木村委員より、「警察に被害が申告されるよう、企業側へ促進していただきたい。また、拡散防止に関する海外の事例収集は、早めに計画して速やかに実行していただきたい」旨の発言があり、外情情報部長から、「企業が相談しやすい環境づくりを推進するなど、企業側から警察に対する被害申告が促進されるよう努めてまいりたい。また、拡散防止に係る海外の事例収集については、できるだけ速やかに収集し、手口などをよく分析するなど拡散防止を図ってまいりたい」旨の説明があった。