定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 平成30年1月18日(木)

午前10時00分 〜 午前11時35分  

 

 

第2 出席者 小此木委員長、奥野、川本、北島、木村、安藤各委員

栗生長官、三浦次長、松本官房長、山下生活安全局長、樹下刑事局長、桝田交通局長、村田情報通信局長

坂井審議官(警備局担当)

 

 

第3  議事の概要

 

1 議題事項

(1)「犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律施行規則の一部を改正する規則案」等に対する意見の募集について

官房長から、警察庁で開催した「犯罪被害給付制度に関する有識者検討会」が取りまとめた提言を踏まえて作成した「犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律施行規則の一部を改正する規則案」等に対する意見の募集について説明があり、原案どおり決定した

安藤委員より、「提言に沿って、迅速に規則案を取りまとめた点を評価したい」旨の発言があった。

 

(2)三代目福博会及び松葉会の指定の確認について

刑事局長から、福岡県及び東京都の各公安委員会から受理した、三代目福博会及び松葉会に対する指定暴力団としての指定の確認請求について、審査専門委員の意見聴取を終えたことから、本日、国家公安委員会による確認を求め、各公安委員会に通知する旨の説明があり、原案どおり決定した。

 

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。

 

2 報告事項

(1)平成29年における刑法犯認知・検挙状況について【暫定値】

生活安全局長及び刑事局長から、平成29年における刑法犯認知・検挙状況について報告があった。

川本委員より、「認知件数の減少と検挙率の増加は喜ばしい。「主たる被疑者特定の端緒」の統計については、項目を増やしたり統計の取り方を工夫すべきである。市民の協力も検挙の端緒になっていることを周知できれば、より信頼感も上がるのではないか」旨の発言があり、刑事局長から、「例えば、防犯カメラの映像が警察捜査に役立っている実態や、市民の協力が検挙に結び付いている状況をより正確に国民に示すことができるよう工夫してまいりたい」旨の説明があった。

北島委員より、「昨年に続き認知件数が減少した点、検挙率が向上し、特に重要犯罪の検挙率が80%に達した点は非常に良い」旨の発言があった。

木村委員より、「認知件数が大きく減少してきた点について、警察の努力に敬意を表したい。一方、特殊詐欺や経済事犯が増加しているので、経済的情勢や社会的情勢も含めて、その背景や原因を分析していただきたい。将来の犯罪傾向を予測するためにもお願いしたい」旨の発言があった。

安藤委員より、「車載カメラ等も含めた防犯カメラが非常に効果的だという点は、国民の協力を呼び掛ける際に活用できると思う。一方、防犯カメラの拡充を好ましく思わないとする意見もあるので、警察だけの問題ではないが、その点にも配慮して活用方法を整理するのも必要だと思う」旨の発言があった。

奥野委員より、「認知件数が戦後最少になった背景には、時代状況の変化を前提に、近年、警察が人身安全事案を中心に防犯活動に力を入れてきた結果とも考えられる。一方で、特別法犯やサイバー犯罪等、統計には表れない犯罪への対応についても引き続き強化願いたい。また、検挙率の更なる向上も目指してほしいが、そのためには、捜査能力の向上とともに、防犯カメラやAIを駆使した捜査ツールの開発等も課題になると思う」旨の発言があった。

委員長より、「SNS、AI等により我々の生活が便利になると同時に、こうした新しいものを犯罪に悪用する者が増えてくる。昨年の座間事案の再発防止対策では自殺対策を中心に検討されたが、やはりSNS等が様々な犯罪等に悪用されていることを踏まえ、警察としての各種対策について検討を進めていただきたい」旨の発言があった。

 

(2)鳥インフルエンザへの対応状況について

生活安全局長から、1月10日に香川県において発生が確認された鳥インフルエンザへの対応状況について報告があった。

木村委員より、「鳥インフルエンザは非常に深刻な事故につながる可能性もあることから、今後とも気を引き締めて対応していただきたい。感染の予防策は無いのか」旨の発言があり、生活安全局長から、「渡り鳥からの感染もあり、予防が難しい面もあるところ、発生時の初動対応をしっかり行ってまいりたい」旨の説明があった。

北島委員より、「これまで同様、警察は今後もしっかりと対応していただきたい」旨の発言があった。

 

3 その他

(1)生活安全局長から、悪質商法事犯対策の現状と課題について報告があった。

木村委員より、「当面の課題と中長期的な課題がほとんど同じ内容となっている。経済事案については、将来の犯罪形態等の予測が難しいからだと思うが、分析により傾向が見える可能性もあるので、その努力は惜しまない方が良い。傾向を明らかにできないのであれば、制度や仕組みを常に柔軟に変えられるようにしておくことが必要だ。また、様々な対応策を示しているが、いつ誰が何をするのかなどを具体的に考えていただきたい」旨の発言があり、生活安全局長から、「御指摘のように、将来を予測して対策を検討することは難しい面があるが、消費者庁や各種相談窓口とも連携して、情報が集約できるようにしてまいりたい。また、制度を柔軟に変えていく、変えてもらうという発想を常に持って対応してまいりたい」旨の説明があった。

北島委員より、「消費者安全確保地域協議会に警察も参加して、成果を上げていただきたい。また、詐欺罪が通信傍受の適用罪種に追加されたことから、実績を積み重ねてもらいたい」旨の発言があった。

奥野委員より、「悪質商法の被害相談は、消費者生活センターと警察とどちらが多いのか」旨の発言があり、生活安全局長から、「警察への相談が少ないわけではない」旨の説明があった。

川本委員より、「資源が有限である中で、消費者庁等の関係機関との連携を強調した方向性に同意する。中長期的には、消費者保護に関して警察がどのような役割を果たすべきなのか考えることが重要である」旨の発言があった。

 

(2)交通局長から、内閣府が実施した「運転免許証の自主返納制度等に関する世論調査」の結果について報告があった。

川本委員より、「各調査項目で、全体と70歳以上との回答状況を比較して検討すれば、効果的な対策が考えられるのではないか。一方、運転免許証の有無を第一の設問として統計処理すべきだと思うので、今後の調査の設計に注意してもらいたい」旨の発言があった。

安藤委員より、「高齢運転者本人の自覚が返納につながることが分かる結果であるが、高齢になると、他人から言われても素直に聞けなくなる傾向が見受けられるので、心理学的な知見も活用して、自覚を促していくことを検討してもらいたい。また、運転適性相談の認知度の向上は必要だが、併せて、増加する相談を受理し対応できる体制づくりも進めていただきたい」旨の発言があった。

奥野委員より、「実態把握としては、やや物足りなさがある。都道府県警察の現場では、高齢者を訪問し、返納について個別に話し合うなど積極的に対策を講じているので、こうした現場の情報を汲み上げて全体で共有し、対策の参考にしてはどうか」旨の発言があった。

木村委員より、「運転適性相談の認知度が低いのは、PR不足だと思う。知見の高い医者等の専門家の言うことであれば高齢者も受け入れやすいと思うので、運転適性相談に取り入れたらどうか。高齢運転者対策は、今後とも専門家や公安委員会での意見も取り入れながら議論を展開してもらいたい」旨の発言があり、交通局長から、「引き続き、いろいろな方々から御意見を伺い、検討してまいりたい」旨の説明があった。