定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 平成30年1月25日(木)

午前10時00分 〜 午前11時25分  

 

 

第2 出席者 奥野、川本、北島、木村、安藤各委員

栗生長官、三浦次長、松本官房長、山下生活安全局長、樹下刑事局長、桝田交通局長、村田警備局長

藤本首席監察官、植田サイバーセキュリティ・情報化審議官

 

 

第3  議事の概要

 

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、2月6日付けを始めとする地方警務官72名の人事案件について説明があり、原案どおり決定した。

 

(2)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。

 

2 報告事項

(1)国会の状況について

官房長から、最近の国会の状況について報告があった。

川本委員より、「警察庁が提出する予定の法律案は何件か」旨の発言があり、官房長から、「古物営業法の改正案1件である」旨の説明があった。

 

(2)平成29年中の懲戒処分者数について

首席監察官から、平成29年中の懲戒処分者数について報告があった。

木村委員より、「業務上の処分者数が減少しているのは、制度・仕組みの見直しの成果だと思う。一方、私行上の処分者数がなかなか減少に転じないので、懲戒処分者数を2桁に抑えるためにも、この点を重点に、倫理研修、防止のための機運の醸成等を行ってもらいたい」旨の発言があった。

北島委員より、「定年を前にして飲酒事故で免職処分になる事案が少なくないことと、福岡県警察の処分者数が多いことが気になる。これまでの各種対策をしっかりと進めてもらいたい」旨の発言があった。

安藤委員より、「私行上の事案の背景や個人の事情をきちんと把握、分析した上で、対策を具体的に考えるべきである。処分事案を周知して教養する際には、それぞれの職員が自分のこととしてしっかりと受け止められるかどうかがポイントだと思うので、そのような教養の在り方を考える必要がある」旨の発言があった。

奥野委員より、「交通事故・違反の免職・停職の多さが目立ち、特に、飲酒運転事故が一向に減少しない。様々な対策を講じていると思うが、逆に増加している。飲酒運転に至る動機・背景などを個々に確認し、分析してみてはどうか」旨の発言があり、首席監察官から、「被処分者の反省や後悔などをもとに、個々の職員の心に響くような教養をいろいろな機会で実施している。また、組織的・継続的な身上指導を行っていくための取組を進めているところである。飲酒に係る事案の防止の観点からは、発生の多い世代を重点に、その特徴に応じた教養を進めているほか、職員家族と連携した取組も行っている。私行上の非違事案は、その中身によって対策は異なってくると思うが、引き続きしっかりと取り組んでまいりたい」旨の説明があった。

木村委員より、「飲酒運転を含め、私行上の非違事案については、業務上のストレスが影響していることもあると思われるので、この点を調べてみてはどうか」旨、川本委員より、「ここ数年、業務上の懲戒処分者が減少していることは、業務のシステム的な見直し等の成果であり、今後も続けてもらいたい。職員の交通違反を見逃した事案については、行為者だけではなく、見逃しの対象となった職員についてもしっかりと処分することが大切ではないか。私行上の非違事案への対策には、ストレス対策と環境要因を整理することが必要だと思う。その際に、交替制も含めた警察の勤務形態が適切なのか、効率性も含めて分析し、その在り方について検討してもらいたい。飲酒事案対策については、まず、過度の飲酒を許容しがちな文化を払しょくすべきであると思う。なお、監察に際しては、行き過ぎた管理主義に陥らないように留意していただきたい」旨の発言があり、長官から、「引き続き知恵を絞って対策に取り組んでまいりたい」旨の説明があった。

 

(3)平成29年度第3四半期監察の実施状況について

首席監察官から、「取調べの適正確保・高度化の推進状況」を全国統一実施項目として警察庁が都道府県警察に対して行った平成29年度第3四半期における監察の実施状況について報告があった。

奥野委員より、「取調べには高度な技術・経験を必要とするので、経験豊富なベテラン捜査員が若手を指導し、技術を伝承することが必須だと思う。録音・録画制度の導入や被疑者が否認に転じる事案が多いことなどから取調べが困難になっているとも言われる中で、伝統的な手法を残しつつも心理学的知見等も活用した新たな時代に即した取調べも求められる。こうした問題については、どこかで研究しているのか」旨の発言があり、刑事局長から、「録音・録画により取調べの本質そのものが大きく変わるわけではないが、録音・録画記録が証拠となることを前提とした取調べができるよう、しっかり教養していく必要がある。これまでも科警研において心理学の知見を踏まえた様々な研究を行っており、これを踏まえた教養も実施している。」旨、次長から、「警大の「取調べ技術総合研究・研修センター」でも、心理学的な知見なども踏まえた研究を行っており、県警の指導担当者に対する具体的、実戦的な研修を実施している」旨の説明があった。

安藤委員より、「録音・録画された取調べ状況を教養に活用することを更に広げてもらいたいが、それらが実際の公判でどのように使われたのかも踏まえているのか」旨の発言があり、刑事局長から、「取調べの録音・録画は、供述の任意性等の担保のために導入されたものであるが、公判で何らかの評価がなされた記録があれば、教養にも生かせると考える」旨の説明があり、安藤委員より、「録音・録画された取調べ状況がどのように活用されていくのか、今後も注視していきたい」旨の発言があった。

 

(4)平成30年度監察実施計画について

首席監察官から、平成30年度監察実施計画について報告があった。

木村委員より、「最近、関係機関との連携が不可欠な施策が多いことから、連携の在り方に焦点を当てて、監察を実施していただきたい」旨の発言があり、首席監察官から、「同計画に掲げたテーマにおいて自治体、関係機関・団体等との連携が欠かせない業務も対象となっており、御指摘の視点を踏まえて対応してまいりたい」旨の説明があった。

北島委員より、「高齢運転者対策が統一実施項目に取り上げられることは歓迎したい」旨の発言があった。

 

(5)監察の取扱い事案について

首席監察官から、島根県警察の巡査による道路交通法違反等事案に関し、同県警察は、同巡査を1月26日に免職処分とする予定である旨、並びに岩手県警察の巡査部長による失踪事案に関し、同県警察は、同巡査部長を2月9日に免職処分とする予定である旨の報告があった。

 

(6)オウム真理教に対する観察処分の期間の更新決定(6回目)について

警備局長から、無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律に基づき、公安審査委員会がオウム真理教に対する観察処分の期間の6回目の更新を1月22日に決定した旨の報告があった。

安藤委員より、「オウム真理教に対しては、的確な動向把握に努め、特異な動向があればすぐに対応できるようにしてもらいたい。「ひかりの輪」による前回の観察処分に対する取消訴訟が継続しているが、最終的な司法判断が出れば新たな動きもあると思われるので、十分に備えておいてもらいたい」旨、奥野委員より、「その取消訴訟がどのような結果になっても、警察は「ひかりの輪」に対しても取組を続けていくのか」旨の発言があり、警備局長から、「仮に、処分取消しが確定すれば、観察処分に基づく公安調査庁の調査はできなくなるが、警察としては、引き続き関心を持っていく」旨の説明があった。

 

(7)草津白根山噴火に伴う被害状況と警察措置について

警備局長から、1月23日に発生した群馬県草津白根山噴火に伴う被害状況と警察措置について報告があった。

北島委員より、「昨日は噴火活動の影響で捜索活動等ができなかったが、本日はどうか」旨の発言があり、警備局長から、「二次被害に注意しつつ実施する予定である」旨の説明があった。

奥野委員より、「当初は「噴火が起きたらしい」程度の情報しか入らなかったが、情報収集、捜索・救助活動等初動活動に支障は無かったか」旨の発言があり、警備局長から、「当初は情報を十分確認できなかったが、消防、自衛隊とも連携して、情報収集、救助活動等に取り組んだ」旨の説明があった。

安藤委員より、「入山規制のレベルを上げたことが地元の自治体には連絡されなかったようだが、警察には連絡されていたのか」旨の発言があり、警備局長から、「気象庁の発表を認知していた」旨の説明があった。

 

(8)平成29年度サイバーフォースコンテストの実施結果について

サイバーセキュリティ・情報化審議官から、1月22日に警察庁において開催された平成29年度サイバーフォースコンテストの結果について報告があった。

北島委員より、「奥野委員と視察したが、サイバー犯罪対策の能力向上に資する良いコンテストだと思う。この分野における今後の女性の活躍に期待したい」旨の発言があった。

奥野委員より、「能力向上には良い試みなので、今後も継続していただきたい。この種の高度な能力・技術を客観的に評価するランク付けは可能なのか。さらに、ランク付けすることがモチベーションの向上に繋がると考えられるか」旨の発言があり、サイバーセキュリティ・情報化審議官から、「能力について、上級、中級等の区分は設けている。ただ、この種の技術にも、暗号解析とかログ解析等のいろいろな分野があり、今後、どう区分けしていくか、情通局でも検討している。また、こうした大会での評価により士気を高めていくということを考えている」旨、次長から、「全国で級別の検定試験をやっており、それに合格した者がそれぞれの級の資格取得者となる」旨の説明があり、川本委員より、「検定試験は、民間のものか。関係職員は、幹部も合格しているのか」旨の発言があり、サイバーセキュリティ・情報化審議官から、「内部の検定である。幹部の中にも資格を取得している者もいる。この検定も、技術の進歩を踏まえ、そのレベルも進歩している」旨の説明があった。

安藤委員より、「参加人数と表彰対象の拡大を図ってはどうか」旨の発言があった。