定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 平成30年10月4日(木)

午前10時00分 〜 午前11時15分

 

場 所 国家公安委員会室

 

 

第2 出席者 山本委員長、川本、北島、木村、安藤、小田各委員

栗生長官、松本次長、中村官房長、白川生活安全局長、露木刑事局長、北村交通局長、村田情報通信局長

小島審議官(警備局担当)

 

 

第3  議事の概要

 

1 議題事項

(1)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。

 

2 報告事項

(1)平成31年度採用候補者(国家公務員採用総合職・一般職試験合格者)の内定について

官房長から、平成31年度採用候補者(国家公務員採用総合職試験・一般職試験合格者)の内定状況について報告があった。

川本委員より、「省庁側の採用情勢が厳しい中、有能な人材を確保できて良かった。一方、組織が魅力的にならないと女性の割合は上がらないので、その点は考えるべきである。また、専門性を重視した採用活動を行っている省庁もあるようなので、警察庁も負けないように魅力を打ち出していただきたい」旨の発言があった。

安藤委員より、「採用後の育成のイメージを警察庁幹部で共有し、有能な人材をいかしていただきたい。また、国家の安全・安心を担う警察庁の業務の魅力を学生にうまく伝えられるよう工夫していただきたい」旨の発言があった。

小田委員より、「今後、少子化の影響もあり、国家公務員志望者が減少すると思われるので、幅広く人材が得られるように工夫する必要がある」旨の発言があった。

木村委員より、「他省庁との競争の中、警察庁の業務に夢を持たせられるようなビジョンを作るとともに、入庁後の育成は警察庁幹部の重大な責務であることをよく認識していただきたい」旨の発言があった。

北島委員より、「語学が非常にできる人材が含まれていた点は良かったが、女性の割合が少なかった点は残念である」旨の発言があった。

 

(2)全国殉職警察職員・警察協力殉難者慰霊祭の開催について

官房長から、10月18日に全国殉職警察職員・警察協力殉難者慰霊祭が開催される旨の報告があった。

川本委員より、「今年は、殉職された方が多く残念である。一方、今回の式典では、男女の職員の分担業務を見直し、時代に即した執り行いとすることはとてもよい試みである」旨の発言があった。

北島委員より、「今年は、災害対策対応、交番勤務中の襲撃、交通取締中の事故等により多くの殉職事案があったことから、哀悼の意を表明したい」旨の発言があった。

木村委員より、「国民の生命を守ることは重要であるが、職員の安全を守ることも警察幹部の重要な役割であるので、できる限り職員が危険な状況にさらされないように配慮していただきたい」旨の発言があった。

 

(3)平成30年上半期における少年非行、児童虐待及び子供の性被害の状況について

生活安全局長から、平成30年上半期における少年非行、児童虐待及び子供の性被害の状況について報告があった。

安藤委員より、「振り込め詐欺での少年の検挙人員が倍増している点が気掛かりである。少年が巻き込まれ、被害者的な状況となっている側面もあると思うので、非行防止教室等を通じて、振り込め詐欺の実態や被害者がたくさんいること、検挙された少年が後悔していることをしっかりと浸透させる取組を進めていただきたい」旨の発言があり、生活安全局長から、「少年院仲間からの儲け話に安易に乗ったことで利用されてしまう少年の例もあるので、少年院等と連携しながら取組を進めてまいりたい」旨の説明があった。

北島委員より、「児童虐待における危険度判断のアセスメントツールの活用促進、性被害防止におけるSNSでのフィルタリングの利用促進、SNS事業者による「青少年ネット利用環境整備協議会」の活動支援の3点が非常に重要だと思う」旨の発言があった。

川本委員より、「SNS事業者が米国の中間選挙に向けて偽アカウントの削除を進めるとの報道がある。趣旨は異なるが、性被害防止の観点からも同様の措置を進められないか、事業者に働き掛けてはどうか」旨の発言があり、生活安全局長から、「性被害の関係でも、事業者は一定の削除要求には応じているが、いわゆる裏アカウントの問題についても対応が可能かどうか、検討を進めてまいりたい」旨の説明があった。

木村委員より、「子供たちの身を守るためには、警察、児童相談所等関係機関の連携が一番重要なので、この点をしっかりと進めていただきたい。一方、虐待する親を支援する制度の充実についても、早急に政府全体で考える必要がある」旨、委員長より、「児童相談所には、警察との連携に消極的な意識が残っているところもあるので、児童相談所、警察、地域社会が連携して子供を守るという価値観を共有しなければならない。その点を心掛けて取組を進めていただきたい」旨、小田委員より、「児童相談所側に警察等と連携しようという意識が低いので、その意識を変えるためにも、まずは日頃から連携を取っていくことが大事である」旨の発言があり、生活安全局長から、「親への支援も含め、社会全体で考えていく問題だと思うが、警察の立場としては、危険な状況にある子供を守るために、児童相談所との情報共有を適切に進めていく必要がある。自治体が個別の事案について警察、児童相談所と協議する場を設けており、児童相談所とコミュニケーションをとりながら対応していくよう、都道府県警察を指導してまいりたい」旨の説明があった。

 

(4)逃走事案被疑者の検挙について

刑事局長及び官房長から、8月12日に大阪府の警察署留置施設から被疑者が逃走した事案について、9月29日に山口県内で被疑者が逮捕された旨の報告があった。

川本委員より、「どのような再発防止策を講じるかが重要である。留置施設からの脱走、長期間に及ぶ逃走について、今後どのように対応すべきかしっかり検討していただきたい。特に、逃走経路の追跡捜査が再発防止に資するものであるという意識を現場の捜査員にも徹底していただきたい」旨の発言があった。

木村委員より、「弁護士会に求める再発防止策は、単に申し入れるということではなく、必要な措置として徹底してもらうようにしていただきたい」旨の発言があった。

小田委員より、「大阪府警察本部長の記者会見は、説明責任を全うしており良かったが、これが異例なものと捉えられないように意識を転換していただきたい。関係者の処分と市民への謝罪とが切り離されるように意識を変えていかないと、説明責任は果たしても適切な評価に繋がらないこととなる」旨の発言があった。

安藤委員より、「長期被留置者の拘置所への移送の促進、集中留置施設の拡充をしっかりと進めていただきたい」旨の発言があった。

北島委員より、「他の未解決事件への対応もしっかりと進めていただきたい」旨の発言があった。

委員長より、「本件は正に警察の威信が問われるような事案であるということを、長官を始めとして全員がしかと受け止めていただきたい。警察施設のセキュリティの問題では、老朽化した施設が多数あり予算措置も必要になることから、現状を関係当局によく説明して理解を得るなど必要な対応をしていただきたい」旨の発言があった。

 

(5)天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に伴う式典警備対策推進室の設置について

審議官(警備局担当)から、本年秋を目途として、次長を長とする「天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に伴う式典警備対策推進室」を設置する予定である旨の報告があった。

 

(6)台風第24号に伴う警察措置等について

審議官(警備局担当)から、台風第24号に伴う警察措置等について報告があった。

委員長より、「台風第25号による被害も予想されることから、対応に万全を期していただきたい」旨の発言があった。