定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 令和2年10月22日(木)

午前10時00分 〜 午前1125分

 

場 所 国家公安委員会室

 

第2 出席者 小此木委員長、木村、安藤、小田、櫻井、横畠各委員

松本長官、中村次長、露木官房長、小田部生活安全局長、田中刑事局長、木交通局長、大石警備局長、彦坂情報通信局長

堀審議官(犯罪被害者等施策担当)、太刀川首席監察官

 

第3  議 事

 

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、人事案件について説明があり、原案どおり決定した。

 

(2)第4次犯罪被害者等基本計画案・骨子案等について

犯罪被害者等施策担当審議官から、第4次犯罪被害者等基本計画案・骨子案等について説明があり、原案どおり決定した。

    小田委員より、「犯罪被害者等基本計画も、もう第4次を迎えているので、例えば、今回でいえば報道等でもクローズアップされている性犯罪被害者の問題など、具体的な取組に関してメリハリをつけてアピールすることが非常に大事である」旨、木村委員より、「犯罪被害者等基本計画も第3次までとても良いものができていると評価しており、第4次も頑張っていただきたい。ただ、色々な支援について記載されているが、支援に携わる人材の不足が喫緊の課題となっている。誰が何をし、何が必要なのか、関係省庁とも十分に検討していただきたい」旨、安藤委員より、「これまでの活動で、だんだん被害者支援の気運が盛り上がってきたと感じている。今回、更に内容を潤すための柱を立てて連携していく、という姿勢が色濃く出ており期待している。また、何か必要となったときに、人や組織がどう動けばよいのか、実務につながるような指導に取り組んでいただきたい」旨、横畠委員より、「犯罪被害者に対してきめ細やかな支援が進められていると思う。現段階、専門家による支援が重要であることから、専門家の養成、処遇改善を更に進めていただきたい。一方で、犯罪被害者に対しては、その家族や友人等を含む一般の方々が、犯罪被害者の気持ちや悩み等を理解した上で、どのように接していくかが重要であり、一般の方々の被害者理解を広めていくことも意識していっていただきたい」旨、櫻井委員より、「犯罪被害者支援を目的とした条例等の制定に向けた支援を行っていくとのことだが、都道府県警察が主体的に関わり、実効的な条例を制定するのが望ましいと思う」旨の発言があった。

    犯罪被害者等施策担当審議官から、「警察としては、条例制定のキックオフの段階において、被害者の置かれている状況や何が求められているか等について情報提供することが重要なポイントと考えており、地方自治体と役割分担をし、協力しながら条例を作っていくことを想定している」旨の説明があった。

 

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

 

2 報告事項

 (1)行政手続等における押印規制の見直しについて

    官房長から、行政手続等における押印規制の見直しについて報告があった。

    木村委員より、「押印規制の見直しをする目的を明確化して行うべきである。電子決裁やデジタル申請も早くできるようになると良いと思う」旨、横畠委員より、「判子は伝統的、社会的に文書の信用度が高まるものであり、判子そのものが悪いということではないので、よく見極めて、無駄な判子は外すということをやっていただきたい。警察関係で言えば、許可の申請は、受益者が申請するものであり判子はなくても構わないが、廃業届等、第三者に勝手に提出されると困るものもある。それぞれの手続ごとにしっかり確認し、判子をやめるにしても、何か代わりのものが必要ではないのかなど、慎重に検討していただきたい」旨、安藤委員より、「押印や決裁自体の要否を十分検討し、後で取り返しがつかないということがないようにするとともに、文書管理がおろそかにならないよう留意していただきたい」旨、櫻井委員より、「改革には一定の割り切りも必要で、廃止の方向で考えるのが基本である。また、許可証等の公印についてもセットで考えるべきであり、公印も電子化する方向で検討していただきたい」旨の発言があった。

 

 (2)令和3年度採用候補者(国家公務員採用総合職・一般職試験合格者)の内定について

    官房長から、令和3年度採用候補者(国家公務員採用総合職・一般職試験合格者)の内定について報告があった。

    小田委員より、「警察庁は女性が働きやすいという評判があると聞いている。理科系の技術を持った人や経歴的には外務省に行きそうな人もおり、採用担当者がうまくやっていると思う」旨、安藤委員より、「困難な情勢の中、これだけ優秀な方たちを確保できたということは、関係者の方々が苦労された成果だと思う。今年度採用に当たってこれまでの視点と異なる点や、採用後の育成方針について伺いたい」旨の発言があり、官房長から、「警察庁総合職警察官の採用については、令和2年度採用者以降、採用対象を法文系だけでなく理工系及び農学系の試験区分の受験者にも拡大したところであり、令和3年度採用候補者については、実際に、同区分の合格者が初めて1名内定した。採用後の育成方針については、幅広い能力を有する人材を育成するとの観点から、警視の階級での都道府県警察勤務に際し、可能な限り異なる部門を経験させたいと考えているほか、若いうちから、様々な立場や多角的な視点からの知見を身に付けさせるべく、他省庁への出向等も含め、多様な経験を積ませていきたいと考えている」旨の説明があった。

 

(3)監察の取扱い事案について

    首席監察官から、北海道警察の警部補等による虚偽有印公文書作成・同行使等事案に関し、同警察は、同警部補を免職処分等とする予定である旨の報告があった。

    木村委員より、「確かに結果的にはルール違反をしてはいるが、仕事熱心で一生懸命やってしまった結果であり、免職は少し厳しい気がする」旨、横畠委員より、「警察は権力機関であり、ある意味職務熱心が一番危ない。ルールに違反したということは、まさにこの処分に値すると評価せざるを得ないと思う」旨、安藤委員より、「関係者も処分されているが、上司と部下でこのやり方などを議論できなかった職場の風通しの悪さが気になった。より良い規制や取締りの在り方や問題点の共有ができるよう指導をしていただきたい」旨、櫻井委員より、「私も木村委員と同様に、この処分は少し厳しいと感じている。処分が厳しいと感じることがある反面、消極的と感じる時もあるので、その運用基準について今後も見ていきたい」旨の発言があった。

    首席監察官から、「本件は、ルールに違反した同様のやり方で取締りを行った件数が多い上に、その中には既に罰金刑が確定したものもあったことなども考慮し、相応に厳格な態度で臨んだ」旨の説明があった。

 

 (4)「犯罪被害者週間」中央イベント等の開催について

    犯罪被害者等施策担当審議官から、「犯罪被害者週間」中央イベント等の開催について報告があった。

    櫻井委員より、「先日の犯罪被害者支援フォーラムをYouTubeで見せていただいた。中央イベントもYouTubeで配信されるとのことであるが、今後、YouTube配信がニューノーマルになっていくのであれば、それに合わせたセレモニーの見せ方についても意識していただきたい」旨、安藤委員より、「今回の中央イベントには、色々な関心のある一般の方々に広く参加していただきたいと思う。そのために、このイベントを国民により広く周知するための工夫に知恵を絞っていただきたい」旨の発言があった。

 

 (5)法制審議会少年法・刑事法(少年年齢・犯罪者処遇関係)部会における調査審議の結果について

    生活安全局長から、法制審議会少年法・刑事法(少年年齢・犯罪者処遇関係)部会における調査審議の結果について報告があった。

    安藤委員より、「具体的な骨子を警察としても検討、整理したことは良かったと思う。これまで少年の健全育成は最前線で少年育成指導官等が熱意を持って取り組まれており、活躍していただいている。特に「処分の犯罪原因及び動機並びに当該少年の性格等の調査の要否」という点と、「不良行為少年に対する補導の要否」という2つの点は、仕組みが変わったとしても、今向いている方向を維持していただきたい」旨、横畠委員より、「民法の成年年齢は18歳に引き下げられたが、現実に18歳、19歳に可塑性があると結論付けるのであれば、単なる刑事罰とは異なる保護処分を残すことには合理性がある。」旨、小田委員より、「18歳、19歳の人たちがこの先どうなるか10年程度推移を見守り、その後問題点があれば、警察活動を通じて得た同年代の犯罪手口や更生の状況等を基に法制審に対し意見を申し述べるなど、他省庁とも協力して問題解決していくべきである」旨の発言があった。

 

(6)特殊詐欺に利用された固定電話番号に係る利用停止等の対策の運用状況について

    刑事局長から、特殊詐欺に利用された固定電話番号に係る利用停止等の対策の運用状況について報告があった。

    安藤委員より、「新たな番号の提供が停止された後も、既に保有している犯行利用番号の提供を継続している事業者がいるとのことだが、これを止めることはできないのか伺いたい」旨の発言があり、刑事局長から、「新たな番号の提供を停止されていることから、警察が利用停止を続けていけばいずれその事業者の番号は枯渇することになるが、更に早い段階で枯渇させる方法がないか検討している」旨の説明があった。