定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 令和4年12月15日(木)

午前10時00分 〜 午前11時15分

 

場 所 国家公安委員会室

 

第2 出席者 谷委員長、櫻井、横畠、宮崎、竹部各委員

露木長官、緒方次長、楠官房長山本生活安全局長、大賀刑事局長、太刀川交通局長、原警備局長、河原サイバー警察局長、増山技術総括審議官

堀政策立案総括審議官

 

第3  議 事

 

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、人事案件について説明があり、原案どおり決定した。

 

(2)令和5年警察白書の構成について

政策立案総括審議官から、令和5年警察白書の構成について説明があり、原案どおり了承した。

竹部委員より、「今回の特集で、匿名性や遠隔操作など、複雑化する新たな犯罪の領域に対応するため、警察にどのような多彩な人材や組織の在り方が必要となるのか、というところにいかなるメッセージ性を持たせるかを考えると、警察の対応も、外部の協力が欠かせないことや、捜査能力と被害者支援の双方の充実など、様々な意味で複合性が求められている。よって、外向きには、警察能力の多様化が今後必要となることをアピールするとともに、内向きには、現有人員の中でリソースを再配分していく必要があることを打ち出していく、というように、内外にメッセージを発信していくのではないかと思っている」旨、横畠委員より、「警察は組織であり、その組織を動かしているのは人であるが、内部人材だけでは足りないことは明らかになってきている。警察の役割に対する国民の期待が高いのは良いことであるが、警察にも限界があり過剰な期待には応えられないことをある程度は示した方がよいのではないか。まだ白書作成の出発点であり、作りながら考え、考えながら作り、良い白書に仕上げていただきたい」旨、宮崎委員より、「毎年の警察白書を並べると、その切り口から時代が見える、テーマが浮かび上がるような的確な編集がされていると評価している。一方で、昨今の不祥事案等を見ると、11人の最前線の警察官たちがこの白書の内容を自分の業務の中で消化しているのか心配であり、全員に浸透させる努力をしてもらいたい」旨の発言があり、政策立案総括審議官から、「プロアクティブな犯罪対策を講じる上で、外部の協力を得る取組はこれまでも進めてきたところだが、それをさらにブラッシュアップしていかねばならないと考えている。また今回のテーマは、警察庁や都道府県警察においてリソースの再配分の動きの芽が出てきていることも踏まえて取り上げることとしたところ。加えて、最前線の警察官たちにもこの白書を読んでもらえるよう、現場の警察職員の活動にスポットを当てた記載を充実してまいりたい」旨の説明があった。

 

(3)「警備業の要件に関する規則等の一部を改正する規則案」について

刑事局長から、「警備業の要件に関する規則等の一部を改正する規則案」について説明があり、原案どおり決定した。

 

(4)「道路交通法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令案」等について

交通局長から、「道路交通法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令案」等について説明があり、原案どおり決定した。

 

(5)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 その他

(1)愛知県岡崎警察署における被留置者の死亡事案について

官房長から、愛知県岡崎警察署における被留置者の死亡事案について報告があった。

竹部委員より、「病人を勾留する時の人権、人命の保護について、適正であったか懸念している。厳正かつ公平な調査をし、対応に間違いがあったのであれば、その事実を認めた上で、どのように是正していくのかを発信していただきたい」旨、宮崎委員より、「事案内容が異なるとはいえ、留置場における不祥事が続いており、根本的なところで対応しきれていないのではないかと心配である。留置業務については、警察官にしかできない業務と、そうでない業務、更に医療等の専門家を必要とする業務とを整理して対応していく必要があるのではないか。また、留置担当官の経験がキャリア形成につながるような制度にしていただきたい」旨、横畠委員より、「戒具を使用する際は明確な基準が定められているはずである。本件は愛知県の公安委員会にも報告をし、そこで受けたアドバイスも踏まえ、基準が遵守されていたかも含め、厳正、公正、正直をベースに事実を解明し、それを公表することに努めていただきたい」旨、櫻井委員より、「こうした事案は国民の耳目を集めるものであることを意識し、警察庁が関与し、丁寧に対応していかなければならない。また、被留置者が撮影されたカメラ画像の扱いについては、真剣に検討する必要がある」旨の発言があり、官房長から、「警察庁として事実関係をしっかりと把握した上で、愛知県警察と連携し、ご指摘の点を踏まえて必要な対応を行ってまいりたい」旨の説明があった。

 

(2)行幸啓(栃木県、沖縄県及び兵庫県)に伴う警衛実施結果について

警備局長から、行幸啓(栃木県、沖縄県及び兵庫県)に伴う警衛実施結果について報告があった。

横畠委員より、「歓送迎者の参集見込みを過小評価していたこと自体に問題があるのではないか」旨、櫻井委員より、「歓送迎者が多く出る沿道では、警察だけで責任を負うのではなく、自治体等も含めて対処する必要があるのではないか」旨、宮崎委員より、「警衛においても、不断の見直し、PDCAサイクルを回すことでより良くなっていくと感じている。歓送迎者の見込み数の算出には工夫が必要であるが、今回の見込み数の過小評価は、コロナ禍での行動制限が緩和されたことの反動が原因とも考えられる」旨の発言があり、警備局長から、「歓送迎者対策は、今後も自治体や主催者に警備員などの配置を要請した上で、連携した対応に努めてまいりたい。また、歓送迎者の見込み数については、更にアジャストする必要があると考えている。宮内庁とも相談し、皇室と国民との親和に配意しつつ、より良い警衛になるよう、努めてまいりたい」旨の説明があった。

委員長より、「歓送迎者対策については、警察が担当する範囲なども踏まえて検討していただきたい」旨の発言があった。