定例委員会の開催状況
第１ 日 時 令和５年５月２５日（木）
午前１０時００分 ～ 午前１１時４５分
場 所 国家公安委員会室
第２ 出席者 櫻井、横畠、宮崎、野村各委員
露木長官、緒方次長、楠官房長、山本生活安全局長、渡邊刑事局長、太刀川交通局長、原警備局長、河原サイバー警察局長、島﨑技術総括審議官
筒井審議官（国際担当）
第３ 議 事
（１）開発協力大綱改定について
審議官（国際担当）から、開発協力大綱改定について説明があり、原案どおり決定した。
横畠委員より、「ＯＤＡの枠組みで、日本の警察が他国に協力しているものにはどのようなものがあるのか」旨、宮崎委員より、「このような分野で力を発揮するのは、まさに外交であり、警察として、国際社会でのプレゼンスを高めているという認識を持って進めていただきたい」旨の発言があり、審議官（国際担当）から、「当庁の予算で薬物に関する国際会議によるキャパシティビルディングを行っているほか、ＪＩＣＡ予算でインドネシア警察の民主的運営の支援を行っている」旨の説明があった。
櫻井委員より、「昨年末に発表された防衛三文書やＧ７サミットの成果文書など、似たような文書が多数あるが、この文書特有のステートメントはどのあたりか」旨の発言があり、審議官（国際担当）から、「経済安保の観点と債務の持続可能性の原則に加え、共に支援を創り上げていく、共創、という考え方が打ち出されているところが特徴的なところである」旨の説明があった。
（２）国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について
国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。
（１）国会の状況について
官房長から、国会の状況について報告があった。
（２）監察の取扱い事案について
愛知県警察の巡査長による強制性交等事案に関し、同県警察は、同巡査長を免職処分とする予定である旨の報告があった。
（３）自由民主党和歌山県支部連合会演説会場における警護について
警備局長から、自由民主党和歌山県支部連合会演説会場における警護について報告があった。
横畠委員より、「本件について言えば、一般人が近づいてきて爆発物を投げるということを阻止できなかったこと自体が反省点であり、距離の確保と主催者等の協力を得た対策が必要であった。一般論として、爆発物が爆発すれば、聴衆にも被害が及ぶため、今後は、主催者等に限らず、一般の聴衆も含めて幅広く協力を求めることも必要になるのではないか。また、警護員への聴衆の安全確保に関する任務の付与については、警護員は警護対象者の安全確保が本来業務であり、何かが起こってからの聴衆の安全確保の措置については、現場指揮官が現場の状況に応じて判断する必要があるのではないか。聴衆の安全確保は警護とは別任務であることを確認しておきたい」旨、野村委員より、「報告書の精度を上げることは大事であるが、早期に発表することも重要である」旨、宮崎委員より、「ミクロの分析はよくできているが、マクロの分析として、警察や主催者等の責任の範囲をもう少し明確にしていただきたい」旨、櫻井委員より、「今回の報告書は、前回の奈良事案の報告書に今回の事案の教訓、すなわち、主催者等との連携の内容を詳細にし、警察庁も関与して警護計画につなげる、そして、聴衆の安全確保にも配慮していくという点を付け加えることで、より良い対策を講じることができるようにするものと受け止めている」旨の発言があり、警備局長から、「各委員のご指摘を踏まえ、しっかりと報告書を仕上げてまいりたい」旨の説明があった。
警察庁からの報告書を受けた、国家公安委員会としてのステートメントの内容について、野村委員より、「警護環境がかつてない厳しい状況の中、従来の連携では限界があるので、一段高い、強い連携が必要であるというニュアンスはあってよいと思う」旨、宮崎委員より、「安全確保と行動制限が抵触する場合、どこまで踏み込めるか、といった根本的な議論が必要になっていることに触れておくべきではないか」旨、櫻井委員より、「警護については昨夏に抜本的に改革したところではあるが、主催者等との連携の強化、聴衆の安全確保等を踏まえ、改めて警護に万全を期していく必要がある」旨の発言があった。
３ その他
（１）サイバー捜査について
宮崎委員より、「国際的な共同捜査で米国がハッカーを訴追し、日本も相応の役割を果たしたという成果は高く評価できると思う」旨、櫻井委員より、「サイバー捜査については、実質的に意味のある仕事をすることが極めて重要である」旨、横畠委員より、「我が国に被害が発生している事案については、国際的な案件で、直ちに被疑者を逮捕することが難しいものであっても、他国の捜査機関の協力も得て、しっかりと事件処理をしていただきたい」旨の発言があった。