定例委員会の開催状況
第１ 日 時 令和５年８月３日（木）
午前１０時００分 ～ 午前１１時１５分
場 所 国家公安委員会室
第２ 出席者 谷委員長、櫻井、横畠、宮崎、竹部、野村各委員
露木長官、緒方次長、楠官房長、山本生活安全局長、渡邊刑事局長、太刀川交通局長、迫田警備局長、河原サイバー警察局長、島﨑技術総括審議官
筒井審議官（国際担当）、原田首席監察官
第３ 議 事
（１）人事案件について
官房長から、人事案件について説明があり、原案どおり決定した。
（２）「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令案」について
交通局長から、「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令案」について説明があり、原案どおり決定した。
宮崎委員より、「機械製造の都合で遅延せざるを得なかったところ、年末までに施行できる態勢が整ったのは改正を実効性あるものとする上で良かったが、更にアルコール検知器の精度を担保し、実効性が減じないようにする対策はどうなっているか」旨、委員長より、「既に事業用自動車には導入されている規制だが、検知したアルコール濃度の誤差について争いとなったことはあるのか」旨の発言があり、交通局長から、「アルコール検知器の機能については国家公安委員会告示により定められているほか、メーカーで使用期限を設定しているので、この義務を負う安全運転管理者が受けることとされている公安委員会の講習の機会などで呼びかけていきたい。また、酒気帯び運転の取締りであれば、法令で数値が定められているのでそうした誤差も問題となり得るが、運転前後に酒気を帯びているか否かを確認する検査はそのようなものではなく争いになった事例も聞いたことがない」旨の説明があった。
（３）国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について
国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。
２ 報告事項
（１）日中韓警察局長級会議（第６回）、日中警察協議（第１３回）及び日韓警察協議（第８回）の開催結果について
審議官（国際担当）から、日中韓警察局長級会議（第６回）、日中警察協議（第１３回）及び日韓警察協議（第８回）の開催結果について報告があった。
野村委員より、「こうした枠組みが存在することは非常に良いことであり、引き続き、大事にしてもらいたい」旨、竹部委員より、「こうした関係が二か国間あるいは三か国間において構築されることは、非常に良いことだと思う。国情により、これまでとは違った関係性が生まれる可能性があるので、こうした国と日本との関係を注視しつつ、今後も会議を進めてもらいたい」旨、横畠委員より、「現実に起こっている実務的な問題の対処については、各国当局者の立場や考え方も一致することが可能であり、実務的な協議をしっかりと進めてもらいたい」旨、櫻井委員より、「韓国や中国で発生している特殊詐欺の特徴について伺いたい」旨、宮崎委員より、「顔の見える形で会議に参加し、日本のプレゼンスを示すことは外交的にも大きな意味がある」旨の発言があり、審議官（国際担当）から、「御指摘いただいた点を踏まえ、今後の会議に臨んでまいりたい。韓国と中国における特殊詐欺は、オンラインでだます手口や、電話で親族や行政当局の人間を装ったりするなどの手口が日本と似ている」旨の説明があった。
（２）監察の取扱い事案について
首席監察官から、愛知県警察の巡査長による窃盗事案に関し、同県警察は、同巡査長を免職処分とする予定である旨、兵庫県警察の巡査らによる大麻取締法違反等事案に関し、同県警察は、同巡査らを免職処分とする予定である旨の報告があった。
竹部委員より、「愛知県の事案に関し、全国での証拠物件の保管庫の鍵について、どのように管理しているのか伺いたい。兵庫県の事案については、若手職員による同種事案が繰り返されてしまい、無念である」旨の発言があり、首席監察官から、「証拠物件の保管庫の鍵については、署長が指定する者が管理することとしており、刑事課長等の管理者が不在となる休日夜間においては、当直責任者が引き継ぐこととしている」旨の説明があった。
（３）良好な自転車交通秩序を実現させるための方策に関する有識者検討会の開催について
交通局長から、良好な自転車交通秩序を実現させるための方策に関する有識者検討会の開催について報告があった。
（４）岸田内閣総理大臣のアメリカ合衆国訪問に伴う警護について
警備局長から、「岸田内閣総理大臣は、首脳会談等のため、８月１７日（木）からアメリカ合衆国を訪問予定であり、所要の警護を実施する」旨の報告があった。
サイバー警察局長から、サイバー警察局等の活動状況について報告があった。
横畠委員より、「サイバー警察局が設置された意義が、人材育成や解析部門の強化といった形で着実に実現されている。今後は、諸外国のサイバー分野での捜査手法やツール等に関する情報収集に努めるとともに、国際協力の強化等も視野に入れつつ、交流を深めていただきたい」旨の発言があり、サイバー警察局長から、「外国捜査機関等との捜査会議や国際会議において得た経験や知見を日本での検討に反映してまいりたい。また、サイバー空間の脅威に迅速に対応できる国際的なルール作りにも積極的に参画して成果を上げてまいりたい」旨の説明があった。
櫻井委員より、「警察庁の情報通信の組織については、組織の整合性という点に課題があるのではないか」旨の発言があり、サイバー警察局長から、「各都道府県に国の組織である情報通信部があり、実態としては各都道府県警察と一体となって活動している。組織間の情報共有や連携は非常に重要であり、御指摘を踏まえ、更に有効な仕組みを検討してまいりたい」旨の説明があった。
竹部委員より、「人的・物的リソースの増強が、どのような合理性に基づくものなのか、外国の能力との対比も含め、中長期的な目標があれば理解に役立つ」旨、野村委員より、「人材獲得では民間企業との競合が非常に激しい分野でもあり、単純に比較すると劣後する条件で人材獲得を進めることとなるので、警察における待遇面も議論が必要なのではないか」旨の発言があり、サイバー警察局長から、「日本警察として取り組むべき事項を整理し、諸外国の規模感も参考にしつつ、説明責任を全うできるリソースの拡充を推進してまいりたい。人材については、内部育成に注力するとともに、士気の高揚に資するような環境整備に努めてまいりたい。また、官民人事交流等を促進するなど、多面的な取組を推進して活性化に努めてまいりたい」旨の説明があった。
宮崎委員より、「時代の最先端でしのぎを削りながら成長してもらいたい。男女の別なく活躍できる分野なので、その観点からも配慮していただきたい」旨の発言があり、サイバー警察局長から、「サイバーセキュリティコンテストでは、女性の参加を必須とするなどしているところであるが、今後も女性の活躍促進について、常に意識して取り組んでまいりたい」旨の説明があった。