定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 令和7年1月30日(木)

午前1000分 〜 午前10時40分

 

場 所 国家公安委員会室

 

第2 出席者 坂井委員長、宮崎、竹部、野村、横畠、秋吉各委員

楠長官、太刀川次長、森元官房長、檜垣生活安全局長、谷刑事局長、早川交通局長、筒井警備局長、逢阪サイバー警察局長、堀内技術総括審議官

 

第3  議 事

1 議題事項

(1)「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令案」等について

「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令案」等について説明があり、原案どおり決定した。

 

(2)「重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案」について

官房長及びサイバー警察局長から、「重要電子計算機に対する不正な行為による被害の防止に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案」について説明があり、原案どおり決定した。

横畠委員より、「自衛隊が対処に加わるに当たり、国家公安委員会は何を判断するのか」旨、宮崎委員より、「自衛隊の治安出動では、事態が緊迫して意見を待ついとまがない場合を除き、国家公安委員会が速やかに意見を述べることとなっている。サイバー攻撃は一瞬で事態が広がるので、国家公安委員会の要請や同意が間に合わないことも想定されるが、間接侵略等の緊急事態の場合と、このスキームでの対応が必要となるサイバー攻撃の場合の要請や同意をどのように整理するのか」旨の発言があり、サイバー警察局長から、「治安への責任を第一義的に有する国家公安委員会が自衛隊の出動には関与する必要があるとの考えの下、警察による対処では十分対応できないか否かを判断することとなる。実務上、速やかに対応できるよう工夫が必要となる」旨、長官から、「国家公安委員会に迅速に判断いただく方法を法施行までの間に検討してまいりたい」旨の説明があった。

横畠委員より、「緊急時における国家公安委員会の意思決定手続は既に定められているので、これに従って進めればよいのではないか」旨、野村委員より、「通常の治安維持活動よりもステージが上がる防衛出動のような自衛隊が出動する状況において、国家公安委員会という外部機能を介在させるという理解でよいか」旨、秋吉委員より、「緊急時に国家公安委員会においても迅速な判断が可能な情報が得られる体制が整えられるのか。また、国家公安委員会が要請又は同意する際に判断すべき要件は、特定重大支障の発生防止のため自衛隊が有する特別の技術又は情報が必要不可欠であることについてでよいのか。本邦外にある者による特に高度に組織的かつ計画的な行為や、重要電子計算機に特定重大支障が生じるおそれが大きいことは対象外でよいのか」旨、委員長より、「国家公安委員会としては、当該事態を解決するために自衛隊が対処に加わる必要があるか判断することになると思われる。国家公安委員会の同意や要請については、これまでの緊急時の意思決定手続で対応できるのか、この法案に沿ってしっかり検討していただきたい」旨の発言があり、サイバー警察局長から、「このスキームでの自衛隊の出動は防衛出動ではない。警察が治安全般を維持している前提の下で、サイバー事象について自衛隊が対応する特別の必要があるときに国家公安委員会の要請や同意が必要となる」旨、長官から、「サイバー攻撃に備え、平素から警察と自衛隊が連携して共通認識を持つことが重要である。その上で、国家公安委員会が御指摘の要請又は同意を適切に行うことができるよう、国家公安委員会を補佐するのが警察庁の役割であることから、運用に向けて準備を進めてまいりたい」旨の説明があった。 

竹部委員より、「法案は、現時点において一定の完全性、合理性を有するとの前提で、喫緊の脅威に対し行動することをより重視したものと理解している。行動を起こせば取り巻く環境の変化を読めるようになり、未知の脅威にも有効に対応し得るという狙いは有意義である」旨、宮崎委員より、「自衛隊の対処の要否を判断し、必要な措置を講じるに当たっては、現場のサイバー危害防止措置執行官が重要な役割を果たすことになるが、執行官以外の者は、どのレベルが何をどこまで判断するのか」旨の発言があり、サイバー警察局長から、「措置の主体はサイバー危害防止措置執行官であるが、警察庁長官等の指揮を受けることとなっており、とるべき措置を組織的に判断することとなる」旨の説明があった。

委員長より、「対応が遅れることがあってはならず、現場においてベストの対応ができ、かつ適正な手続が担保される進め方を検討していただきたい」旨の発言があった。

 

(3)自動車安全運転センター交通事故証明書及び経歴証明書交付手数料変更の承認について

   交通局長から、自動車安全運転センター交通事故証明書及び経歴証明書交付手数料変更の承認について説明があり、原案どおり決定した。

   委員長より、「事故が減って交通事故証明書の発行件数が減少していても、同センターでは一定の固定費が必要となることなどは理解できる。その上で、次回の手数料見直しに備え、業務や経費の合理化、効率化を引き続き進めていただきたい」旨の発言があり、交通局長から、「御指摘を踏まえ、自動車安全運転センターに働きかけるなどして適切に対応してまいりたい」旨の説明があった。

 

(4)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)国会の状況について

   官房長から、国会の状況について報告があった。

   

(2)監察の取扱い事案について

   岩手県巡査長による酒気帯び運転等事案に関し、同県警察は、同巡査長を免職処分とする予定である旨、大阪府巡査部長による横領等事案に関し、同府警察は、同巡査部長を免職処分とする予定である旨の報告があった。

   

(3)インターネット・ホットラインセンターにおける犯罪実行者募集情報対策の強化について

   サイバー警察局長から、インターネット・ホットラインセンターにおける犯罪実行者募集情報対策の強化について報告があった。

   野村委員より、「有害業務募集等を犯罪実行者募集関連情報と位置付け、違法情報の取扱範囲を広げたことで、プロバイダ等もためらうことなく削除要請に応じられるのではないか」旨、秋吉委員より、「求人者の氏名又は名称、住所、連絡先、業務内容、就業場所及び賃金の6つの情報が明示されていない求人を違法情報とするという形式的な基準が示されたので、プロバイダ等も削除要請に応じやすくなると思う」旨の発言があった。

   

3 その他

(1)兵庫県警察本部長による情報発信について

   野村委員より、「死亡した前兵庫県議会議員に関する虚偽情報がネットに掲載された件で、速やかに虚偽である旨を明らかにした兵庫県警察本部長の行動を評価したい。警察として政治的中立を維持しつつも、必要な情報を発信することは重要である」旨の発言があり、長官から、「本部長の発言がなければ、虚偽であるにもかかわらず、それが事実として広く認知されてしまうおそれがあった。引き続き、個別の事案に応じて、情報発信の要否をしっかりと検討して対応してまいりたい」旨の説明があった。