定例委員会の開催状況
第1 日 時 令和7年4月24日(木)
午前10時00分 〜 午前11時00分
場 所 国家公安委員会室
第2 出席者 宮崎、竹部、野村、横畠、秋吉各委員
楠長官、太刀川次長、森元官房長、谷刑事局長、早川交通局長、筒井警備局長、飯濱技術総括審議官
阿部審議官(サイバー警察局担当)、阿波生活安全企画課長
第3 議 事
1 議題事項
(1)北海道における方面区域変更に係る国家公安委員会への意見聴取について
北海道における方面区域変更に係る国家公安委員会への意見聴取について説明があり、原案どおり決定した。
宮崎委員より、「管轄区域内の情勢を踏まえ、警察力の適正な配分と運用に留意してほしい」旨の発言があり、官房長から、「住民サービスが低下しないよう十分注意してまいりたい」旨の説明があった。
(2)「道路交通法施行令の一部を改正する政令案」等に対する意見の募集について
交通局長から、「道路交通法施行令の一部を改正する政令案」等に対する意見の募集について説明があり、原案どおり決定した。
秋吉委員より、「通園や通学等で毎日同じルートを使う自転車利用者が多いので、施行までの期間に、変形交差点のような通行方法が分かりにくい場所を中心に現場で具体的な指導を行い、正しい通行方法の周知を徹底しておく必要があると思う」旨の発言があり、交通局長から、「現在でも重点地区を設けて自転車の指導・取締り・安全啓発を行っているところ、施行までの間にこうした街頭指導等でも自転車の通行方法に関する具体的な指導・声掛けを行ってまいりたい」旨の説明があった。
(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について
国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。
2 報告事項
(1)国会の状況について
官房長から、国会の状況について報告があった。
福岡県巡査長による道路交通法違反、福岡県迷惑防止条例違反事案に関し、同県警察は、同巡査長を免職処分とする予定である旨、大分県巡査による詐欺、賭博等違反事案に関し、同県警察は、同巡査を免職処分とする予定である旨の報告があった。
(3)令和6年度会計監査実施結果について
官房長から、令和6年度会計監査実施結果について報告があった。
秋吉委員より、「契約関係で同種の2件の指導事項があったが、この機会に同様の事例の有無を調査し、全国的に注意喚起していただきたい」旨、宮崎委員より、「これまでは小規模県警察における気の緩みに起因するケースが多かったように思うが、今回は、いずれも大規模都道府県警察で目が行き届かなかったことに起因するものであり、規模に応じた監査の視点が必要だと思う」旨の発言があり、官房長から、「契約に関し、同様の指導事項が2件あったということは、ほかの都道府県警察でも起こり得るものと考えている。令和7年度の会計監査でも契約関係は重点項目としているので、今回のケースも踏まえた監査を実施するとともに、引き続き指導を徹底してまいりたい」旨の説明があった。
(4)クローズド環境下での生成AI利用環境の構築・検証の実施結果について
技術総括審議官から、クローズド環境下での生成AI利用環境の構築・検証の実施結果について報告があった。
野村委員より、「新しいテクノロジーに対しては、できないことに焦点を当てるのではなく、活用の可能性にこそ目を向けるべきで、警察においては、業務改革や働き方改革につながる可能性が大きい。こうした取組は、小さな成功事例を積み重ねることにより、スノーボール効果で大きな影響を生み出すことがある。業務環境の変化に抵抗感を持つ職員がいるかもしれないが、長官官房が背中を押して多くの職員を巻き込んで前に進めていただきたい」旨、竹部委員より、「生成AIの導入により組織として業務の効率化を目指す一方で、生成AIを使う警察官の育成も重要である。警察官としての訓練・経験があってこそ、AIが提案する草案等の是非を担当職員自らが判断できるので、訓練等の過程が省略され、警察官として求められる資質が欠落することのないよう必要な指導をお願いしたい。また、若手警察官には、業務の効率化で生み出される新たな時間に、どのようにして業務上の付加価値をつけていくのか考えさせてほしい。進展する技術と、それを扱う若手警察官の将来の在り方を考えながら取り組んでいただきたい」旨の発言があり、技術総括審議官から、「検証結果を踏まえ、スピード感を持って生成AIの効果が組織に反映されるよう努めてまいりたい。また、生成AIを利用する際には、内容をしっかり確認する必要があり、その便利さに過度に依存することがあってはならないと考えている。業務の合理化・高度化を図り、合理化できた部分については、より重要な業務に時間を充て、御指摘のような付加価値につなげてまいりたい」旨の説明があった。
横畠委員より、「導入したAIシステムを実用に耐え、業務の効率化、人手間の削減に資するものとするためには、実際の警察の業務に適応した固有の大規模言語モデルをしっかりと構築していく必要があるのではないか。AIのアウトプットを人が修正したならば、それをフィードバックしてLLMを育てることはもちろん、処理システムや運用支援事業者が変更になってもそれまでの蓄積が生かされるようにしていただきたい。連携運用も考えたLLMの分割、役割分担の在り方についても研究していただきたい」旨、野村委員より、「生成AIの活用を国会答弁等の重要な業務でイメージすると、活用するに当たっていろいろ解決しなければならないこともあると思うが、警察業務は広範囲にわたるところ、現時点のレベルの生成AIでも活用できる業務はかなりあると思うので、適用分野をよく探してほしい」旨、宮崎委員より、「既存の組織犯罪情報管理システムなどと連携させるなどして、生成AIの活用を実践的に進めることが重要だと思う」旨、秋吉委員より、「生成AIの活用に反映できる現場のアイデアを集めていただきたい」旨の発言があり、技術総括審議官から、「利用者のニーズや改善要望をしっかり把握するとともに、警察業務に適応した大規模言語モデルをしっかりと構築していくとともに、処理システム等が変更になっても、それまでの蓄積が生かされるよう取り組んでまいりたい。また、今回の検証でも、現時点で高い効果が認められたユースケースもあったので、そうしたケースを中心に活用範囲を広げてまいりたい」旨、刑事局長から、「生成AIと組織犯罪情報管理システムとの連携等による業務の高度化に向けた検証を行ってきたところ、実務的にも有用な活用方法があると思うので、様々なアイデアを出しながら実用につなげてまいりたい」旨の説明があった。
横畠委員より、「AIの利用という面では、個人情報の扱い方については細心の注意を払っていただきたい」旨、宮崎委員より、「新しい取組に対しては、様々な視点や立場、考え方があるため、必ずしも意見が一致するものではないが、これに臆することなく、しかし細心の注意を払いながら取り組んでほしい」旨の発言があり、技術総括審議官から、「御指摘を踏まえながら、生成AIの活用を進めてまいりたい」旨の説明があった。
(5)石破内閣総理大臣のベトナム社会主義共和国及びフィリピン共和国訪問に伴う警護について
警備局長から、「石破内閣総理大臣は、4月27日から4月30日までの間、首脳会談等のため、ベトナム社会主義共和国及びフィリピン共和国を訪問することから、所要の警護を実施する」旨の報告があった。