定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 令和7年6月5日(木)

午前1000分 〜 午前11時10分

 

場 所 国家公安委員会室

 

第2 出席者 宮崎、竹部、野村、秋吉、相星各委員

太刀川次長、森元官房長、檜垣生活安全局長、谷刑事局長、筒井警備局長、逢阪サイバー警察局長、飯濱技術総括審議官

阿部審議官(交通局担当)、井澤運転免許課長

若田審議官(犯罪被害者等施策担当)

 

第3  議 事

1 議題事項

(1)「犯罪捜査規範の一部を改正する規則」の制定について

刑事局長から、「犯罪捜査規範の一部を改正する規則」の制定について説明があり、原案どおり決定した。

秋吉委員より、「通訳の際には相手の口の動きを見ることも重要と聞いているので、リモートでの通訳では音声通話だけでなく、テレビ電話を使用することも今後検討いただきたい。通訳の正確性がより担保されるとともに、通訳人と被疑者の双方の安心感を高められると思う。刑事裁判のIT化が進められる中で、客観性を担保するため、電子的な形で通訳人が供述調書に署名することはあり得るのか」旨、相星委員より、「遠隔地に所在する通訳人には海外在住の通訳人も含まれるのか」旨、竹部委員より、「外国人が部外通訳人や警察署協議会委員になるなど、警察業務への外国人の間接的な関わりが増えていく中、より直接的な関わりにおいても多様化を図っていくことが、今後の日本社会における社会統合政策の一翼を担う警察として有用になると思う」旨の発言があり、刑事局長から、「規定上はテレビ電話の利用も可能であり、御指摘も踏まえ運用の在り方を検討してまいりたい。なお、通訳人の個人情報保護のため、電子的に署名する技術が導入されたとしても、他の書類で明らかにすることで現状においては通訳人の署名は不要と考えている。また、通訳人には警察施設内の通信設備を使用してもらうので、海外在住の通訳人は想定していない」旨の説明があった。

宮崎委員より、「AIが進歩し、同時通訳が可能な時代が来るかもしれないが、価値観や文化的背景が異なると単語の意味も変わってくるので、外国人の増加に伴う多文化・多価値観の社会に直面する現場警察官が対応に困ることのないよう態勢を整えていただきたい」旨の発言があった。

 

(2)「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令案」等について

   審議官(交通局担当)から、「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令案」等について説明があり、原案どおり決定した。

   

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

(1)国会の状況について

   官房長から、国会の状況について報告があった。

   

(2)監察の取扱い事案について

   警視庁巡査部長による窃盗事案に関し、同庁は、同巡査部長を免職処分とする予定である旨、兵庫県巡査による不同意わいせつ等事案に関し、同県警察は、同巡査を免職処分とする予定である旨の報告があった。

 

(3)令和6年度中における犯罪被害給付制度の運用状況について

   審議官(犯罪被害者等施策担当)から、令和6年度中における犯罪被害給付制度の運用状況について報告があった。

 

(4)令和6年におけるストーカー事案、配偶者からの暴力事案等、児童虐待事案等への対応状況について

   生活安全局長から、令和6年におけるストーカー事案、配偶者からの暴力事案等、児童虐待事案等への対応状況について報告があった。

   野村委員より、「ストーカー被害者の居場所を特定する手段として使用される紛失防止タグの仕組みについて伺いたい。また、今後どのような対応が考えられるのか」旨、宮崎委員より、「電子機器や技術の進化に対応して、その都度法改正を行うのではなく、将来起こり得るリスクを念頭に置き、技術革新を包括できるようなストーカー行為の規制が必要ではないか。また、警察に寄せられた約2万件の相談以外にも暗数があると思うので、適切な機関との連携等を構造的に考える必要があると思う」旨、竹部委員より、「ストーカー事案の相談件数に対する禁止命令等の件数を見ると、個々の事案について細心の注意を払いつつ対応していると理解できるが、民事と刑事の境目が曖昧な事案に対応する現場の警察官のためにもマニュアルをより精緻化したりするなどの努力を継続していただきたい。また、禁止命令等に至る手前の段階で警察の対応により解決されたケースも多くあるはずなので、そういったことにもっと焦点を当てて情報発信すれば、警察の努力の成果を世に示すことができると思う」旨、秋吉委員より、「膨大な件数の相談について、関係機関と情報を共有しながら、客観的情報に基づき、迅速的確に危険度を評価できる仕組みが必要だと思う」旨の発言があり、生活安全局長から、「紛失防止タグは、タグ付近の通信機器を介してタグの存在する場所を知ることができるものである。タグによる位置情報取得等を規制するには法改正が必要となり、現在、対応について検討している。技術の進化等を見据えたストーカー行為の規制については、構成要件との関係も考慮しつつ、可能な範囲で柔軟性を保つようにしてまいりたい。禁止命令等に至る前の警察の対応状況やその成果については、御指摘を踏まえ、その情報発信の在り方を検討してまいりたい。危険性の判断基準は随時見直しを行うとともに、また、対応については民間の支援団体等との連携も図ってまいりたい」旨の説明があった。

 

(5)令和6年における行方不明者届受理等の状況について

   生活安全局長から、令和6年における行方不明者届受理等の状況について報告があった。

 

(6)インド共和国を拠点とするサポート詐欺被疑者の検挙について

   サイバー警察局長から、インド共和国を拠点とするサポート詐欺被疑者の検挙について報告があった。

   宮崎委員より、「暗号資産の追跡に関する日本の高度な技術と知見を改めて国際社会に示すことができたのではないか」旨の発言があった。

 

3 その他

(1)外免切替制度について

   竹部委員より、「外免切替制度に対する国民の関心は高く、早急に対応が必要だと思うが、現状の取組について伺いたい」旨、宮崎委員より、「取締りだけでなく、日本の交通ルールやマナー等の安全教育も大切である」旨の発言があり、運転免許課長から、「免許取得手続の際の住所確認や、知識・技能確認に係る審査の厳格化を実現するための制度設計をピッチを上げて進めている。また、外国人の居住実態等を踏まえた適切な交通安全教育を行ってまいりたい」旨の説明があった。