定例委員会の開催状況

 

 

第1 日 時 令和7年9月4日(木)

午前1000分 〜 午前11時25分

 

場 所 国家公安委員会室

 

第2 出席者 坂井委員長、宮崎、竹部、野村、秋吉、相星各委員

楠長官、太刀川次長、森元官房長、山田生活安全局長、谷刑事局長、早川交通局長、筒井警備局長、逢阪サイバー警察局長、飯濱技術総括審議官

片倉首席監察官

 

第3  議 事

1 議題事項

(1)人事案件について

官房長から、人事案件について説明があり、原案どおり決定した。

 

 (2)「国家公安委員会の所管する法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律施行規則の一部を改正する規則案」について

    「国家公安委員会の所管する法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律施行規則の一部を改正する規則案」について説明があり、原案どおり決定した。

 

(3)国家公安委員会への意見・要望文書等の措置について

国家公安委員会宛ての電子メール、書簡等について閲覧し、回答を要するか否かの判断を行った。回答を要するものについては、その内容を了承した。

 

2 報告事項

 (1)監察の取扱い事案について

    首席監察官から、神奈川県川崎市内におけるストーカー事案等の関係職員の処分予定並びに佐賀県技術職員による虚偽公文書作成・同行使、証拠隠滅等事案に関し、同県警察は、同職員を免職処分とする予定である旨、神奈川県巡査による業務上横領・強要未遂等事案に関し、同県警察は、同職員を免職処分とする予定である旨及び香川県巡査による不同意性交等事案に関し、同県警察は、同職員を免職処分にする旨の報告があった。

    佐賀県警察の事案に関して、宮崎委員より、「科学的な証明という最も重要な部分で不正が行われると、捜査の信頼性が揺らぎ関係者への影響は計り知れない。担当した職員が事情を抱えていたのであれば、担当を変更するなどの対応をとることはできなかったのか」旨の発言があり、首席監察官から、「技術職員は専門分野で採用され、専門性が高い業務を担うため、業務が停滞するなど支障が認められれば、増員措置等の踏み込んだ対応を早期に行う必要がある。また、技術職員の部下への配慮の在り方についてもしっかり指導してまいりたい」旨の説明があった。

    秋吉委員より、「本事案では、鑑定作業が遅延して他の職員が手伝うという事態になっていたようだが、なぜそれが問題意識として幹部に伝わっていなかったのか。仮に技術系職員に関しては目の届かないことが多いというのであれば、それは佐賀県警察固有の問題ではなく全国的に見られる可能性があるので、是非、技術系職員を含めて問題点を早期に把握する体制となっているのか確認してもらいたい」旨、竹部委員より、「科捜研のような県警察採用の技術系職員について、定期的な県間異動を検討してはどうか。こうした職員は、就職から退職まで同じ職場で異動がなく、人間関係にも変化が無いといった環境におり、他者との適切な距離感、率直な意見交換など必ずしも風通しの良い健全な環境が確保されているわけではないのではないか。例えば、DNA型鑑定などは佐賀県警察にいなければできないものではないため、採用してから退職までに数回は他県での勤務を経験させるなどの人事異動を取り入れることによって、個人の秘密を作りづらくするなど健全な職場環境づくりのための再発防止策を考えていく必要があるのではないか」旨の発言があり、首席監察官から、「技術系職員の業務は専門性が高いが、幹部がしっかりチェックするよう、幹部への教育を強化してまいりたい。また、部下が実際に行っている鑑定等を幹部がしっかりと確認し、業務管理を徹底するよう全国に指導してまいりたい」旨、刑事局長から、「本事案は他県でも起こり得るものであり、全国で共有し、幹部が技術系職員の業務をしっかり管理するよう指導してまいりたい。また、技術系職員の県間異動については、既に数県で実施しているところであるが、更に活性化させるべく検討を進めてまいりたい」旨の説明があった。

    宮崎委員より、「警察官は上位の役職に就く際、昇任試験等により審査が行われるが、技術系職員も同様の仕組みがあるのか」旨の発言があり、首席監察官から、「技術系職員についても選考や昇任試験による審査が行われており、また、研修や入校等により、必要な教育を行って、幹部へ登用する際は管理能力もしっかり見極めるようにしている」旨の説明があった。

    委員長より、「本件では、上司が当該職員の支援に入っていたというが、なぜ不正が分からなかったのか。また、当該職員は何件で不正を行ったのか、確実に本人の行為を事実確認できているのか」旨の発言があり、首席監察官から、「当該上司も自ら鑑定を行いながら、当該職員の手が回らない分を代わりに鑑定する形で支援していたため、当該職員の担当案件に対するチェックが弱くなっていた。更に上の上司のチェックも十分に機能していなかった。佐賀県警察において当該職員が平成29年6月以降130件で不正を働いたことを確認している」旨の説明があった。

    委員長より、「幹部職員が部下の業務をチェックし、注意するという個人レベルの対応だけでなく、組織レベルの対応として不正を起こさせない仕組みづくりについて検討していただきたい」旨の発言があった。

 

(2)神奈川県川崎市内におけるストーカー事案等に関する警察の対応についての検証結果等報告書及び検証結果を踏まえた警察庁による全国警察への指導等について

  生活安全局長から、神奈川県川崎市内におけるストーカー事案等に関する警察の対応についての検証結果等報告書及び検証結果を踏まえた警察庁による全国警察への指導等について報告があった。

  宮崎委員より、「報告書は率直に包み隠さず記載されているという印象を受けており、組織としてきちんとしていなかったところが浮き彫りになったのではないかと感じる。どれだけマニュアルを作って通達を発出したりしても、やるべきことをやらなければ意味がないので、根本から立て直す対策を行っていただきたい。また、この種の事件においては、もう接近しないと上申書を提出しても、接近して事件を起こす例が他にもみられることを考慮すると、加害者に対する治療やカウンセリングは重要であり、警察からどのように医療機関につなげていくかについて、検討を深めていただきたい」旨の発言があり、生活安全局長から、「御指摘を踏まえ、指導を徹底してまいりたい。また、どのように加害者の治療等に結び付けていくかという点については、調査研究や専門家の意見聴取を行うほか、関係省庁等と連携して検討を進めてまいりたい」旨の説明があった。

 

 (3)第27回参議院議員通常選挙における違反取締状況について

    刑事局長から、第27回参議院議員通常選挙における違反取締状況について報告があった。

 

 (4)「自転車を安全・安心に利用するために」(自転車ルールブック)の作成について

 交通局長から、「自転車を安全・安心に利用するために」(自転車ルールブック)の作成について報告があった。

    秋吉委員より、「統計資料を掲載するなどして、大変分かりやすい資料になっているという印象を受けた。交通ルールについては、パンフレットやホームページといった読むものだけでなく、テレビ番組や学校での交通安全教室等を充実させるなど、広報の方法を工夫していただきたい。また、自転車の検挙に当たっては、現場の道路状況をよく踏まえつつ、自転車専用通行帯の整備、同通行帯への違法駐車の取締り、自動車と自転車の安全距離の確保義務に関する取締り等も行いながら、取締りと環境整備の両面からの対策となるように進めていただきたい」旨の発言があり、交通局長から、「交通ルールの広報啓発に当たっては、マスコミに取り上げてもらうほか、それぞれの年代に応じた安全教育をどのように行っていくかということが重要と考えており、有識者の意見を伺いながら議論を進めているところである。また、自転車の取締りに関しては、悪質・危険な行為に重点を置いた取締りを進めるよう都道府県警察を指導していくほか、通行空間の整備に関しても、関係機関と検討を進めてまいりたい」旨の説明があった。

    宮崎委員より、「非常に分かりやすいルールブックで、全ての年代で活用できるようなものに整理されている。どのような違反をすると、反則金がいくらになるといったようなものをスマートフォンで検索できるような仕組みを設ければ、若者にも交通ルールが浸透するのではないか」旨の発言があり、交通局長から、「違反内容を分かりやすく伝えるための方法を検討してまいりたい」旨の説明があった。

 

 (5)中国を背景とするサイバー攻撃に関するパブリック・アトリビューションについて

    サイバー警察局長から、中国を背景とするサイバー攻撃に関するパブリック・アトリビューションについて報告があった。