警察の保有する情報の公開に関するいくつかのガイドライン

第1 情報公開法に基づく開示請求を待たずに行う公表の基準

1 警察庁の施策を示す訓令及び通達の公表の基準

  1. 不開示情報を含まないものについては、情報公開法の施行前においても、発出後速やかにホームページに掲載する。
  2. 不開示情報を含むものについても、その訓令及び通達の名称及び概要をホームページに掲載するよう努める。
  3. 過去に発出したものについても、前記(1)及び(2)の基準に従い、順次ホームページに掲載する。

これにより、従来原則として公表しなかった訓令及び通達に、国民が自由にアクセスできることとなる。

2 所管法令に基づく処分の基準の具体的モデルの公表

警察庁が所管する法令に基づく処分に関し作成した審査基準、標準処理期間及び処分基準の具体的モデルについて、情報公開法の施行前においても、ホームページに掲載する。

これにより、従来公表しなかった処分の基準の具体的モデルに、国民が自由にアクセスできることとなる。

第2 情報公開法に基づく開示請求に対して行う開示の基準

1 情報公開法第5条第4号に関する開示の基準

情報公開法第5条第4号の対象として不開示とする情報は、この規定の趣旨にのっとり、手の内を知らせることなどにより、現在又は将来の犯罪の予防、鎮圧又は捜査に支障を及ぼすおそれがあるものなどに限定する。したがって、この規定に該当しない

  • 風俗営業の許認可
  • 交通の規制、運転免許証の発給
  • 災害警備

等のいわゆる行政警察活動に関する情報は、開示する。ただし、他の情報公開法に基づく不開示情報に該当する部分を除く。
これにより、いわゆる行政警察活動に関する情報については、原則として開示することとなる。

2 会計支出文書に関する開示の基準

(1) 旅費

犯罪捜査等の個別の警察活動に支障を及ぼすおそれがないと認められるものについては、開示する。ただし、情報公開法第5条第1号に規定する個人に関する情報等不開示情報に該当する部分を除く。

(2) 会議費(いわゆる食糧費)

犯罪捜査等の個別の警察活動に支障を及ぼすおそれがないと認められるものについては、開示する。ただし、情報公開法第5条第1号に規定する個人に関する情報等不開示情報に該当する部分を除く。

これにより、個別の警察活動に支障を及ぼすおそれがないと認められる旅費及び会議費に関する会計支出文書については、原則として開示することとなる。

都道府県警察に対する指導

警察庁は、

  1. 都道府県の情報公開条例上の実施機関となっていない都道府県警察に対し、実施機関となる方向で検討を進めるよう直ちに指導する。
  2. 実施機関となった都道府県警察に対し、できる限り速やかに前記1及び2と同様の基準を策定するよう指導する。

第3 懲戒事案の発表の基準

  1. 懲戒免職事案については、事案の概要を発表する。
  2. 懲戒免職以外の懲戒事案等については、
    1. 職務執行に関連する行為(被疑者護送中における逃走事案等)は原則として事案の概要及び処分の内容を発表する。
    2. 私的な行為であっても重大なもの(飲酒運転に起因する交通事故等)は事案の概要及び処分の内容を発表する。
  3. 前記1及び2の基準に該当する場合であっても、性犯罪の被害者が事件を発表しないよう求めるときなど関係者の人権保護が必要なときは除く。

これにより、懲戒事案の発表について、その範囲及び内容が明確化することとなる。