はじめに(警察刷新に関する緊急提言)

はじめに

この刷新会議は、相次ぐ警察不祥事に対する国民の怒りと警察のあるべき姿へ立ち返ってほしいという願いを受けて、二度の公聴会をはじめ、国家公安委員の方々からの意見聴取、ホームページに寄せられた意見など多くの方々の意見を聞きながら、警察当局からの現状報告を受けて、平成12年3月23日より11回にわたる討議を重ねてきた。

私たちは、警察がこれほどの国民の批判、不信感を受けるに至ったことを深く憂慮して、その原因はどこにあるのかを討議し、それを防ぐ方策はないかを考えてきた。

警察官による多くの職務関連犯罪の発生とその隠ぺいが行われた神奈川県警事件、特別監察に際しての遊興や関係者に対する処分の在り方などが批判された新潟県警事件、国民の切実な要望に誠実に対応しなかったため重大な結果を惹起した埼玉県桶川事件や栃木県石橋事件等々。これら一連の警察不祥事の原因や背景として、警察組織の秘密性・閉鎖性、無謬性へのこだわり、キャリアのおごり、第一線現場の規律の緩みや怠慢などいろいろなことが指摘されている。

私たちも、警察活動の詳細については、詳しい知識を持つ立場ではないが、市民の目線で、現場の第一線で警察活動に従事する警察官の苦労や心情にも配意しながら、警察の抱える問題点を討議してきた。短期間の限られた討議だったために、すべての問題が解明されたとはいえないが、私たちは、次のような観点で、緊急提言をまとめ、国家公安委員会に提言する。

第一に、この提言は、対症療法にとどまらず、構造的な問題点を究明し、苦情処理制度など新たな制度を新設するとともに、法改正を必要とする警察の刷新を内容とするものでなければならない。

第二に、目下の事態は深刻であり、一刻も早く処方箋を提言し、緊急に実行に移されなければならない。

第三に、前述のような事件がなぜ起きたのか、どうすれば防ぐことができたのかと関連させながら、具体的な提案をしていかなければならない。