国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成23年1月13日(木)11:01~11:08

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要   本日の国家公安委員会定例会議の状況について御報告申し上げます。本日は全員出席でございます。議題事項につきましては、「人事案件について」、「DNA型記録取扱規則の一部を改正する規則案等について」、「構造改革特別区域基本方針の一部変更及び構造改革特別区域法に基づく内閣府告示案に対する意見の募集について」、お手許の資料のとおり説明がございまして、原案どおり決定いたしました。報告事項につきましては、お手許の資料のとおり報告が警察庁からございました。以上でございます。

問  長官にお伺いします。再犯防止措置制度の見直しがこの度決まりましたが、この新しい制度に対する期待や考え方など御所見を教えて下さい。

答 (長官)今回の見直しの中身は御案内のとおりでありますが、繰り返しますけれども、対象者の所在確認というのは、従来外形的な状況から行ってまいりましたけれども、対象者の置かれている状況の把握が難しく、再犯防止を十分に図ることができなかったということで、今回、対象者を直接訪問して行うこととしております。また、再犯リスクが特に高い対象者に対しては、必要に応じて、同意を前提とした面談を実施することにいたした次第であります。

この新しい制度に対する期待ということでありますけれども、今回の見直しによって、対象者が警察の存在を身近に感じて自制心を保つことや、助言を受けて更生意欲を奮い立たせることを期待しております。また、対象者の所在確認がより確実になることで、仮に対象者がつきまとい等、犯罪の前兆となる行為を行った場合には、その段階で、迅速に指導・警告を行い、犯罪を未然に防止することにも資するものと考えております。

いずれにいたしましても、性犯罪は長期間にわたり女性にトラウマを与える重大犯罪でありますので、引き続き再犯防止の取組みを継続し、女性の方の不安を取り除くように努めてまいりたいと思います。

問  長官にお聞きします。昨年の刑法犯認知件数についてでありますが、8年連続で減少している一方で、女性が被害者となるわいせつ事犯などが増え、また検挙件数が減少している状況にあります。こうした情勢を踏まえまして、今後の犯罪抑止対策について長官の御所見をお聞かせ下さい。

答 (長官)トータルの刑法犯認知件数のトレンドというのは、8年連続で減少しているということでありますから、治安回復の傾向は続いていると思います。もちろん道半ばだと思いますが、これ自体は良いことだと思います。中身を見ると、今御指摘のような公然わいせつが前年に比べて12.5パーセント、強制わいせつは5.1パーセント増加しているということで、ここが少し目立っているということであります。これに対しては、今やっている子ども女性安全対策班による先制・予防的活動を更に強化するとともに、関係機関・団体等と連携した防犯対策を積極的に推進して、わいせつ事犯等の未然防止に努めていきたいと思います。先ほど言いましたように、女性が被害者となる犯罪は、非常に長期間にわたって精神的な影響を与えるということもありますから、きちっと対処するということが大事だと思っています。

もう一つは今後の対策でありますが、これまでいろんなことをやっていることを更に推進するということでありますが、特に警察だけではできませんので、関係機関、団体等との更なる連携ということがありますし、また、重層的防犯ネットワークを強化するとか、あるいは若い世代の自主防犯活動への参加促進であります。これは始まったばかりですが、将来の日本社会を背負う若い世代の人に、こうした自主防犯活動に参加していただくことによって、より社会参加と言いますか、社会にコミットすると言いますか、そういう意識を高める上でも、単に治安対策というだけではなく一つのアプローチとして大事なことではないかと思います。また、防犯カメラの設置拡充等の更なる防犯環境の整備というようなことを推進して、大きく言えば犯罪の起きにくい社会づくりを今強力に推進しつつありますけども、これを進めることによって犯罪抑止というものをより強化できるのではないかと思っています。