国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成23年3月17日(木)11:55~12:11

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要    本日の議題事項については、震災被害に遭われた方々への救済措置に関するものでありますが、「東北地方太平洋沖地震の被害者の権利利益の満了日の延長措置を指定する国家公安委員会告示の制定について」説明があり原案どおり決定いたしました。報告事項につきましては、お手許の資料のとおりの報告が警察庁からございました。

震災の関連につきまして申し上げます。本日の国家公安委員会において、今回の地震による被害の状況や救命・救助、避難誘導、交通規制、被災者支援、身元確認等の警察措置の内容について報告を受けました。この度の地震による被害は、過去に類を見ないほどの広範囲であり、被災者の方々を始めとした国民の皆様の不安は想像を絶するものであると認識をしております。警察としては、今後も被災者の救出・救助に最大限の努力を傾けるとともに、被災者が安心して生活できるための施策を並行して行うなど、国民の安全と安心の確保に万全を期してまいる所存であります。

なお、先日、物流関係について申し上げましたが、緊急交通路の通行許可証である標章の交付を促し、被災地に燃料・食料品・生活用品等がきちんと届くようにするための対策を行っておりまして4日間で合計5万4,000枚の標章を交付しております。また、昨日からタンクローリーへの標章交付を警察署ではなくて、現地のインターチェンジで、タンクローリーであることを確認の上、検問所で行うこととしております。燃料不足が解消し、物流の円滑化が進むよう期待をいたしております。なお、この交通につきましては、警察は本来、渋滞や混乱を起こさないためにコントロールをするのが基本でありますけれども、今回の場合、ややもすると誤解されている向きがあるのは、道路そのものが大変傷んでおります。福島県の白河辺りを中心にして、大変被害を受けておりますので、そこが片道一車線になっております。このことを考え、国交省とも相談しつつ、道路の耐久力の限界を越えない、しかし限界に限りなく近いことを真剣に判断をしながら、この交通量、標章、タンクローリーを優先をして行うことなどを判断し行っているということであります。形式や制度論にとらわれてコントロールが厳しいという誤解がありますことは、是非、御理解をいただきたいと思っております。

問  大臣にお尋ねをいたします。福島原発の相次ぐ事故で、警視庁が冷却作業に加わる作戦を進行中でありますが、現在の進ちょく状況と、もう一つは、本来警察は、このような原発事故については住民を安全な場所に避難誘導するというのが本来の任務かと思いますが、今回はそれをちょっと越えたところで活動しているように思えますが、その点についてもお聞かせ下さい。

答 (大臣)疑問は当然だと思います。ただ、これだけの大規模な地震であり、しかも原発の事故も大変な状況であります。特にその中で今、喫緊の課題としては、使用済み核燃料プールへの注水作業が重要であり、特に4号炉はそれが求められているわけでありますが、この注水について任務に最も適した放水車をたまたま警察が持っているということであります。御参考までに申し上げますと12気圧で、最も強力に最も遠くまで飛びますのが、この警察の放水車であります。ちなみに、他の消防車はだいたい強力なもので8気圧であります。よって今回は、緊急やむを得ない事態下でありますので、任務に適した放水車という視点で警察に要請があったということでございます。我々としては、特別な危険を伴うことでありますので、警視庁機動隊員が十分に注意をしながら、こちらも万全の体制で、防護措置を講じながらではありますけれども、この重大な任務を達成して国民の期待に応えられることを期待しております。

答 (長官)補足いたしますと、今回の任務を達成するためには、今大臣も仰いましたように、隊員の安全が確保されることが何よりも不可欠であります。隊員には自衛隊から借用した防護服を着装させるほか、放射線量を測定可能な装備資機材を携行させるとともに、自衛隊化学防護隊等の支援も受けながら、隊員の安全確保に万全を期したところであります。万全を期して、任務遂行に当たらせたいと思います。

問  現状を把握されているならば、どういう状況なのか大臣にお伺いいたします。 

答 (大臣)現状というのは、第4発電機の周囲の現状ですか。

問  それと、どのあたりを狙うだとかについてです。

答 (大臣)これは、今長官も言いましたが、自衛隊の化学防護隊がついておりますが、自衛隊の化学防護車に防護隊の隊員、つまり検査をする隊員と、それから東電の担当者が乗って先導して現地に向かっております。よって、その放射能の濃度などについては、安全性を測りながら限界に挑戦をするということになっていると思います。今、私のほうから具体的に、その濃度やその他のことにつきましては、曖昧なことはお答えしないほうがいいと思います。

問  大臣にお伺いします。地震から間もなく一週間となりますけれども、この間、警察は刑事、交通、警備などあらゆる部門で懸命に活動していると思うんですけど、この一週間の警察の活動に対する大臣の御所見と、今後の取組みについて、決意などございましたら教えて下さい。

答 (大臣)まず、今私の一番の心境としては、多くの尊い人命が奪われ、多数の方々が被害に遭われたことについて、お悔やみとお見舞いを申し上げたいと思う次第であります。この度の地震というのは、正に過去に類を見ない未曾有の出来事であります。原子力発電所が重大な損傷を受けているということも加わりまして、国民の皆さんの不安というものは、非常に多大なものがあると認識をいたしております。警察としては、そうした中で被災者の救出・救助、避難誘導に組織の総力を挙げて、全力で取り組んできたところでありますが、現地3県警本部合計して、確かなところはちょっと忘れましたが、私の認識では8,500名位になるかと思います。加えて全国から一次隊、二次隊、今は三次隊が活動しておりますが、これも合わせますと約5,000名近いかと思いますが、その警察の総力を挙げて、今取り組んでいるところでありまして、今後とも被災者の救出・救助に最大限の努力を傾けるとともに、被災者が今後なお一層安心して生活ができるように安全パトロールや避難所対策等、治安につきましても万全を期して頑張ってまいりたいと思っているところでございます。

問  先ほど緊急交通路の問題が取り上げられましたが、現地では必要な物資は不足しているようなんですけど、高速道路の緊急交通路については今後開放するだとか、何か手だてを講じる予定はないんでしょうか。 

答 (大臣)いわゆる常磐道であったり、水戸までの間も道路が大丈夫だからということで広報したりとか、綿密に、正に緊急に、しかも弾力的に対応をとりながら拡大をしております。あとは、東北道の問題ということになっておりますが、これにつきましては国交省とも御相談をいたしましたが、まだ一週間ぐらいかかるかもという心配をしておりましたが、急いでくれということで、拙速ではいけませんけれども、3日とか4日とか一時も早くやってもらえれば、それができ次第に早速、特に生活用品その他を運ぶタンクローリーはある意味フリーにして行かせておりますので、あとの大型トラック等については、できるだけ早くフリーにするようにしたいと思います。実は北から全部という気持ちもあったのですが、道路事情、渋滞事情、道路のでこぼことか、そういう事情で先送りにならざるを得ませんでした。でこぼこになっているところもあり、崩れているところもありますので、これが大型車のような重量のある車がどんどん通って一箇所どこか陥没を起こしますと通過車両ゼロになってしまうわけでありますから、これだけは何としても避けなければいけませんので、限界に挑戦しつつ、今やっております。あと4、5日でこれらの少なくともトラック等をフルオープンにできるように努力を昼夜兼行でやっているところであります。

答 (長官)今大臣が仰いましたように、高速道路の全面開放というのは、まずは高速道路の補修を待つ必要があると考えておりまして、いずれにしても、これまでも情勢の変化にできるだけ柔軟に対応して規制というものを考えてきたつもりであります。さらに、国交省等と緊密な連携を図り、国民生活への影響を最小限になるように引き続き柔軟に対応してまいりたいと思っています。

答 (大臣)それから、併せて申し上げれば、運送量では一番多量に運べるのは海です。そして陸、そして空ということになります。今は陸で、ある意味精一杯やってきたわけでありますが、昨日一昨日から港湾のほうが整備されて着岸できるようになってまいりました。これでかなり、一気呵成に物が運び込まれるようになると思います。食料などは農水省が万全の体制で用意してくれているようでございますので、大変御不便をおかけしているところが現段階まで多かったかと思いますが、急ピッチで改善されていくと、そのために我々も全力を尽くしていきたいと思います。

それから、放水がもう間もなく、もう始めているかもしれませんが、4号炉と言われていますけれども、急遽場合によって3号炉に転換ということもあり得べしということだそうです。