国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成23年5月6日(金)12:02~12:16

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  閣僚懇で財務大臣と外務大臣から国際会議へ行ってきたことの報告がござい
ました。その後対策本部が開かれましたが、官房長官の方から、かなり日数も
経ちそして災害対策の内容につきましても時間とともに必要なこと、成すべき
ことが段々と変遷をしてくるので、それに併せて対策本部の構図を変更、整理
したいということでございまして、これ別途資料が皆さんの手元に入ると思い
ますが、三つの柱に整理をすると、一つは法律に基づく閣議決定で作られる緊
急災害対策本部、当然総理がトップでありますが、それから原子力災害対策本
部、この二つを柱にし、一方では復興基本法案がございますが復興を推進する
ための組織を東日本大震災復興構想会議等々を中心にしながら整理をしていく
と、この大きな三つの柱でやっていくことの説明がございしまして満場一致で
了承いたしました。総理からの御発言もあり、私も重ねて発言をしたところで
ありますが、例えば原子力発電所対策でステージ1、ステージ2といわゆる今
後に向かっての工程表が発表されておりますが、また一方で同時に国交省を中
心にして仮設住宅の建設に関する今後の見通し工程表的なものが出されており
ますけれども、やはり被災者の皆さんの強い御希望はいかに自分達の暮らしや
仕事が今後どのくらいかかればどういう目途がたつのかという将来への展望、
見通しを渇望しておられる、これにやはり答える必要があるということであり
ます。できる限り、例えば瓦礫の処理が後どのぐらいかかるのか、港湾の整備
が後どのくらいで目途がつくのか、また私ども警察からいきますと、いわゆる
被災者、行方不明者の捜索も今必死でやっておりますけれども、これまた重機
をもって瓦礫の整理とも併せてやるようなことなども考えるときに、おおよそ
の目標を持たなければいけないだろうと思っておりますが、まだ警察として目
標を設定したわけではありませんけれども、原発からの20キロ圏内、10キ
ロ圏内をやってまいりましたが、5月に入ってから自衛隊の方もかなり多くの
人数、重機等を持ち込んでの作業に加わっていただきましたので、おおよそ3
0キロ圏内も含めて今月中には目途がたつのではないかという報告を今朝聞い
たところであります。それらを併せて毎日30御遺体くらいが収容されており
ますけれども、できるだけ早く御遺体の収容をしなければなりませんし、その
ために全力を挙げて頑張ってまいりたいと思います。このようなこともその場
で披瀝しながら福島、宮城、岩手三県及びそれぞれの関係する市町村の自治体
とも協議をしながらトータルとしての工程表目標、それから県及び市町村ごと、
また地域ごとの工程表的なものをできるだけ早くお作りすることによって住民
の皆さんの前向きな気持ちをより促進、活性化できるのではないかと、そのこ
とを渇望しておられるだろうということを私としても強調しておきました。そ
ういう話し合いの過程の中で、現地に入った大臣、副大臣、政務官も多くおり
ますので、それぞれの見聞も含めての意見が披瀝されたところであります。た
だ、この構図でいきますと、被災者生活支援チームというのが原子力災害対策
本部にも、緊急災害対策本部にも両方にあります。これは原子力による被害と
いうのと、地震津波による被害ということで若干異質な部分がありますので、
それぞれに連携は取りつつも、それぞれの柱でやっているということですが、
これをできるだけ早く今後整理していく。特に福島では福島の中にも原子力被
災者の場合とそうでない方々とあるわけですし、また原子力被災者の方の中に
は仮設住宅に一旦入ることがいいのか、こちらの方から元の住居地に戻れる可
能性、また可能性があったとしてもどの程度かかるのか、これは先日総理の現
地による御発言でも第2ステージが終わった来年の1月くらいに目途をたてる
ということになってるわけでありますが、これらのことも含めて区分けをする
と、原子力関係ということだけではなくて一般的被災者生活支援チームに包含
する方がいい場合と、色々あるだろうからこれらのことは今後連携をとりなが
ら整理していこうという話などもいたしておりました。いずれにせよ、対策本
部が整理されたことによって、より一層分かりやすく作業がスピーディに今後
進んでいくものというふうに思っております。一つの懸案として原子力被災者
の方々の住居の将来の展望については早急に検討が必要であろうと、これは他
の被災地とは若干色彩が違うので区分けして検討する必要があるということも
話題になっておりました。私の方からは以上でございます。

  焼き肉屋での食中毒の問題が起きているんですけれども、それに対する捜査
の見通しですとか、コメントなどをお願いします。

答  これにつきましては、大変深刻な痛ましい事件と申していいんだと思います
が、発生をしたことに心痛めております。警察としては、5月4日付けで富山
県警察と福井県警察が合同捜査本部を設置いたしました。また5月5日付けで
神奈川県警察が捜査本部を設置いたしました。捜査の過程の中でこの三県警が
合同して捜査に当たる段階もあるかと思いますが、これらにつきましては本日
以降関係箇所に対する捜索・差し押さえを実施するなど、食肉の流通経路も含
めた感染経路の解明を鋭意推進してまいる予定をいたしております。いずれに
しましても、被害者の皆さんがこれ以上拡大いたしませんように、そのことを
心から祈るところでございます。また今後の食の安全にかかわる事案につきま
しては、国民の不安感等も大きいことでありますから、厚生労働省はじめ関係
省庁とも緊密に連携しつつ、迅速・的確に対処してまいりたいというふうに思
っております。なお、先ほど申し遅れましたが、業務過失致死傷罪の適用も視
野に入れて捜査に入っております。

  先ほど30キロ圏内の捜索の目途は、今月中につくのではないかとおっしゃ
られたと思うんですけれども。

答  原発の南北を海岸線をかなり綿密に警察としてやってまいりましたし、5月
2日から自衛隊が1,000名単位で捜索に入りましたので、だいたいこの福
島原発の海岸線、そしてこれから円形を開いていきますが、おおよそ5月中に
は御遺体の収容についての方策は目途がつくのではないかというふうにみてお
ります。これも完全に「はいできました」とある日突然にというわけにはいか
ない話で、これは今後の捜索の進展状況をみながら最終的には判断いたします
が、それぐらいの目途をもって頑張っております。あまり延々とやっているわ
けにもいきません。何とか御一体でも残さないようにという気持ちでやってお
ります。