国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成23年5月20日(金)9:11~9:22

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  閣議に先立ちまして緊急災害対策本部が開かれ、被災地における生活の平常
化に向けた当面の取組方針ということが決まりました。その中で警察に関する
ものとして、被災者対策全般に係る事項の中で「地域の安全と交通の円滑の確
保」という項目が第2項目にございまして、といっても第1項目は「中央防災
会議での検討事項」ですから、ある意味具体的な提案としては一番最初にその
ことが掲げられております。いろいろな復興作業はこれから進められていきま
すが、やはり地域の安全、交通の円滑化ということはあらゆる復興作業の土台
をなすものだと思います。そういう自負心を持って警察としても努力をしてい
きたいと改めて思ったところであります。5行ほどですから読み上げてみます
と、「被災地ならではの手口の犯罪や震災に便乗した犯罪の発生が治安に対す
る不安を高めている。また、今後の復旧・復興に伴い増大する交通量に対応し
ていく必要がある。そのための被災地への応援部隊派遣による警察力の強化や
被災した警察施設、交通安全施設等の復旧によりパトロールや犯罪取締りの強
化、交通の安全と円滑の確保に取り組む」ということが掲げられております。
当然の内容でありますが、改めて警察としてはそのことを銘記し、しっかりと
その任務を果たしていきたいと思う次第であります。それから閣議であります
が、閣議そのものは事務手続的なものが多かったわけでありますが、閣僚懇に
おきまして国土交通大臣の方から瓦礫の処理について発言がありました。国交
省の方へ随分といろいろなお叱りやクレームがくるんだけれども、国交省がそ
れを所管しているわけではない、もちろん無縁ではありませんが基本的に地方
自治体でやっていただき、それを国がサポートするという形になるわけであり
ます。特に国は財政的なサポートをしていくわけでありますが、災害の規模が
大きすぎるものですから、自治体は必ずしも手が回らない、また対応が十分に
対応しきれないという部分があるんだろうと、よって地方自治体、これは市町
村から県、県から国というふうになりますが、積極的に国の方から地方自治体
に働きかけ、彼らの需要を引き出すということで、一時も早く瓦礫の始末がで
きますようにという提案があり、これがある意味復興への足掛かりとなってい
くわけでありますから、閣僚懇の中でお互いにそれらのことについて、より一
層努力をしていこうという話をしました。また最後に菅総理の方から日中韓首
脳会議が行われるけれども、福島の方で勢揃いをすると、そのことによっても
ちろん韓国、中国からの御協力にも感謝すると同時に、日本が安全であるとい
うことのアピールにも繋げていきたいと、各閣僚ともまたそのことを是非銘記
をし、折に触れてそのことをアピールしてほしいという発言がございました。
閣議及び閣僚懇につきましては以上でありますが、本日17時半から拉致問題
関係府省連絡会議を開くことといたしました。座長は私でありますが、各関係
府省の副大臣をベースとして出席していただきます。昨年11月に第4回対策
本部会議で菅総理から示されました2大柱8項目の具体的対策、このことをこ
の半年間具体的にどういうふうにその作業が進められてきたかということを集
約し、今後に繋いでいきたいと、またその集約の後、第5回目の対策本部会議
を6月中には開けるようにもっていきたいという気持ちで、この連絡会議を開
くことといたしました。会議内容については、それが終わりました段階で官邸
の方で御報告ができると思っております。以上です。

  今日、関係府省連絡会議が開かれますけれども、閣議決定されている人権基
本計画に関してですが、拉致の教育について、今日の会議で教育現場で拉致に
関してもう少し広がりが出てくるようなお話というのは、何かあるのでしょう
か。

答  一部、教育に特化したような記事も見受けられますが、特定のところに特化
してではなくて、各府省庁20省庁位にまたがります。4月1日の閣議決定を、
どういうふうに実行に移していくかということも含めて、トータルとしての検
討をいたします。

  昨日、家族会の方が訪れたということですが。

答  増元事務局長が、先般、アメリカへ行かれまして、いろいろな会合に出席を
し、また政府関係者とも会って来られたということで、御報告をいただきまし
た。

  大臣からは、何か。

答  大変ご苦労さまでしたということで、また増元さんから外務省や政府からい
ろいろアメリカ側に働きかけをしてもらい、またアポイントメントとっていた
だいたりして大変充実した訪米ができたということで謝意をいただきました。

  参議院の西岡議長が菅政権の震災対応を批判した上で退陣すべきだという考
えを重ねて示していらっしゃいます。大臣の所管の警察庁も全力を挙げて震災
対応に当たってきたわけですが、こういった批判が当たるのかという点と、も
う一点は、三権分立の中で立法府の片方の長が総理に退陣を求めるということ
について大臣の思いをお願いします。

答  後半で仰られましたが、三権分立という視点から考えましてもその長である
議長というのは、私も副議長の経験が衆議院でありますけれども、中立でなけ
ればなりませんし、政局に絡むような発言というのは、私自身副議長当時控え
てまいりました。やはり、個人的に非公式な場で言われることは、あることか
もしれませんが、ただ公の場でそのような発言をされることは、いかがかとい
うふうに思います。

  震災対応については、それぞれの分野が持てる力を発揮して頑張っていると
思います。また警察につきましても、綱渡りをすることがいっぱいあります。
例えば、交通規制の問題でもそうであります。道路が壊れている、一部が壊れ
ているので交通制限をしておったら、その前後はがらがらに空いてたじゃない
かと、あるいはやり過ぎじゃないかとお叱りを受けたりしました。しかし、そ
の壊れているところをやっと修復をして、一車線確保して通している、そして
それはまさに綱渡りのような気持ちで速度制限もかけたりしながら何とかそれ
を利用できる最大限ぎりぎりのところまで利用をし、しかしそれが壊れて全面
ストップになるということは、なお最悪の事態を招くわけですから、そういう
ことにも細心の注意を払いながらやっていきたい。それでもやっぱり批判する
人は批判をいたします。それは意図的な批判ではなくて、誤解に基づく批判、
道路が壊れているということを忘れて、前後ががらがらに空いている、しかも
車は何台か走っているとなれば何で規制するんだというふうに誤解をされるこ
ともあるでしょう。言うならば、それぞれ必死で頑張っておりましても、見る
角度によって色んな御批判が生まれてくる、これもまたやむを得ないことだと
思います。我々としては誠心誠意ありったけの力を込めて、全力を尽くしてこ
の対策に取り組んでいくしかないと思っております。