国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成23年6月2日(木)11:21~11:29

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。本日は全員出
席であります。議題事項につきましては、警備業の要件に関する規則等の一部
を改正する規則案について説明があり、原案どおり決定をいたしました。報告
事項につきましては、お手元の資料のとおりの報告が警察庁からございました。

 なお、地震・被災対策、御遺体の身元確認等々、連日なお大変厳しい作業が
続いておりますが、またこれが警察の場合には途中で一区切りというのがござ
いませんので、いかにして非常時から通常の行動へと移行させていくか、その
ようなことも含めて長官を中心に、また現地県警本部長を中心にいろいろお考
えいただいていることと思います。いずれにいたしましても、その労苦に我々
としては敬意を表しているところであります。私からは以上です。

  長官にお尋ねをいたします。取調べに関することでありますけれども、福岡
の統一地方選絡みで、任意の取調べを受けていた町議会議長が自殺することが
ありました。御本人が残したメモなんかによると、取調べの過程でかなりひど
い言動があったというようなことを指摘しております。それから大阪府警にお
いては、覚せい剤事件で被疑者の外国人に対して、取調べ官が暴行をしたとい
うようなことも表面化しております。

 取調べ適正化については、色んな失敗を受けて、この数年で進んでいると信
じておりますけれども、このような事案が続出することについての長官の御所
見と対応についてお尋ねしたいと思います。

答  (長官)警察捜査への国民の信頼を確かなものとするために、現在、全国警
察を挙げて取調べの適正化施策を推進している最中、大阪府警察の捜査員が取
調べ中の被疑者に対して暴行を加えたという事案が発生したことは、極めて遺
憾だと思います。現在、大阪府警において必要な調査・捜査を行っておりまし
て、その結果を踏まえて厳正に対処するものと承知しております。

 次に埼玉県警察及び福岡県警察の捜査に関して、御指摘の不適正な取調べが
行われていたのではないかとの指摘については、現在、両県警察におきまして
事実はどうであったのか鋭意調査を行っております。それを待っていただきた
いと思います。

  大臣にお伺いします。自衛隊の給与削減を一定期間猶予するという報道があ
りましたけれども、警察職員の方も被災地の最前線で頑張っていらっしゃると
思うのですが、その件に関して、警察職員の処遇に関する大臣のご意見をお伺
いしたいと思います。

答  (大臣)その報道等については、お聞きいたしております。自衛隊について
は、総理が総務大臣に直に指示をしたということもありますので、いろいろな
ことが工夫されていると思います。警察職員の苦労、また海上保安庁の苦労、
消防の苦労というようなことについてもしっかりと認識をして対応するように
というようなことは、閣僚懇などいろいろな機会に発言をしているところでご
ざいます。

 また、現在警察庁では、警察職員の被災地での活動に係る特殊勤務手当の増
額等について関係機関と協議中であるという報告を受けております。今後とも、
手当の増額等、処遇の改善に向けて尽力をしてまいりたいと思います。

 ちなみに、警察関係の給与減額の対象者となされておりますのは、警察庁、
管区局等の職員、地方の情報通信部職員に加え、併せて地方警務官である警視
正以上の県警幹部ということになっておりまして、被災地で活動しているほと
んどの警察職員は地方公務員でありますので、現在検討中の給与減額の対象と
はなっておりません。

 また、特殊勤務手当につきましては、福島第一原子力発電所の周辺での作業
に係る手当の新設、御遺体の取り扱いに係る手当の増額等々について人事院等
と目下協議中というふうに聞いております。