国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成23年7月7日(木)11:23~11:32

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。本日は全員
出席でございます。議題事項につきましては、「犯罪被害者等給付金の支給
等による犯罪被害者等の支援に関する法律施行規則等の一部を改正する規則
案について」説明があり、原案どおり決定いたしました。報告事項につきま
しては、お手元の資料のとおりの報告が警察庁からございました。

 今日も結びには、大震災被災地の警察活動について、大変粘り強く使命感
を持って頑張っている様子も報告をされました。余談ですが、政局はいろい
ろございますが、警察はしっかりと粛々と頑張っております。

  大臣にお伺いします。新しい犯罪被害者支援要綱が制定されましたけれど
も、これまでの取組みのどういう部分を充実・強化させるのか、新しい要綱
の狙いと今後の展望について、御所見をお願いします。

答  (大臣)犯罪被害者支援要綱は、警察が特に講ずべき被害者支援の具体的
施策を示したものでありまして、平成8年から警察の被害者支援施策の基本
となってきた被害者対策要綱を3月25日に閣議決定をされました第2次犯
罪被害者等基本計画を踏まえつつ、全面的に見直したものであります。

   ちなみに主な取組みを挙げますと、犯罪被害給付制度に関して、同制度の
周知徹底と犯罪被害者に対する十分な教示、つまり十分にお知らせするとい
うことはもちろんでありますが、速やかな給付金の支給に努めることが第一
点、二点目に性犯罪被害に関して、緊急避妊などの医療費の負担軽減、カウ
ンセリングの充実、医療機関における証拠採取等の促進でございます。もち
ろん医療機関における証拠採取等につきましては、医師から十分御説明をし、
御本人の了解を得るということが前提になろうかと思います。三点目に振り
込め詐欺等の被害に関して、被害回復や被害防止のための情報提供でありま
す。四点目に中学生・高校生を主な対象とした「命の大切さを学ぶ教室」の
開催でありまして、これは中学生・高校生を主な対象としておりますが、小
学生高学年を対象にしたものも始めておりますし、また今後大学生を対象と
したものも始めていきたいということであります。加害者に対しては犯罪の
予防のために命の大切さを学ぶ教室が必要だと思いますし、また被害者の皆
様にとっては大変辛いことでありますが、改めて気持ちを立て直して、勇気
を奮って新たな人生を歩んでいただけるよすがとしていただくと両方の意味
を込めてということでございますが、これら警察の犯罪被害者支援が一層充
実することを期待してまいりたいと思っております。

  長官にお伺いします。去年9月の警察庁ホームページへのサイバー攻撃の
対応について、報告がなされたようですが、この件も含めて警察庁のサイバ
ーテロへの今後の取組みについて所見をお聞かせください。

答  (長官)警察は、これまでも、重要インフラ事業者等と連携するなどして、
サイバーテロの未然防止に取り組んできたところは御案内のとおりでありま
す。

   今回の事案の特徴としては、まず第一に、膨大なデータにつき所要の捜査
を行って、海外の捜査機関に捜査協力及び再発防止措置を要請したという点。
もう一つは、踏み台となっていた国内のコンピュータの管理者に対してセキ
ュリティ対策の強化の指導等を行ったこと。この二点が、今回の事案の特徴
としてこれまでにない新しいことではないかと思います。

   今後は、今回のこうした経験を踏まえて捜査能力及び解析能力を高めるな
ど、一層の態勢強化を図って、未然防止の取組みはもちろんでありますが、
特に攻撃者の追及についても強力に推進することによってサイバーテロ対策
を強化してまいりたいと思います。

   今回の事件での教訓を踏まえて、更に高いところに行こうということであ
ります。サイバーテロ対策というのは、まだ道半ばですが、より強化してい
かなければならないし、相手もどんどん進んでいくわけですから、そういう
意味で一つの踏み台になる事件と言えるかもしれません。

  長官にお尋ねします。日本自動車販売協会連合会が、暴力団員に対しては
新車を販売しない方針を決めたと一部で報道されていますが、こうした取組
みの意義や警察の今後の対応などについてお聞かせください。

答  (長官)この度の取組みは、日本自動車販売協会連合会が、各都道府県で
暴排条例の制定・施行されたことを受けて、自主的に、新車販売時に使用す
る契約約款の暴力団排除条項の参考例を策定して、会員に対し導入を要請し
たものと承知しております。

   これは、暴力団との一切の関係を遮断しようという、社会全体による暴力
団排除の気運が、こういう領域まで来ているということでありますから、こ
の気運というものが更なる広がりを見せてきた証左ではないかということで
あり、意義深いものであると考えております。

   警察としては、こうした今回の新たな取組みに対しては、暴追センター等
の関係機関と密接に連携を取って、しっかりと支援してまいりたいと考えて
おります。そういう点では、非常に勇気づけられることだと思います。