国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 平成23年7月21日(木)11:47~11:55

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。本日は、中
野委員長が国会用務のために欠席でした。議題事項については、「平成22
年度実績評価書(案)等について」等、お手元の資料のとおり説明がありま
して、原案どおり決定いたしました。報告事項については、お手元に資料が
あると思いますが、そのとおりの報告が警察庁からございました。

  長官にお伺いいたします。品川美容外科の医療過誤事件に関連しまして、
捜査資料などを病院側に渡していた疑いが強まったとして、警視庁が現在、
地方公務員法で禁じられている情報漏洩の疑いで警部などに対し取調べを行
っているという話がありますが、現職警察官やOBが取調べを受けている事
態について、長官はどのようにお考えでしょうか。

答  (長官)個別の具体的な捜査状況や捜査方針についての質問だと思います
が、これはお答えを差し控えさせていただきたいということであります。こ
の件については、前にも質問があったと思いますけれども、仮にこういうこ
とがあるとすれば、あってはならないことであり、厳正に捜査をすることに
尽きるわけでありますから、法と証拠に基づいて刑事事件として取り上げる
べきものがあれば厳正に対処する、それは変わってないわけであります。

  長官にお伺いいたします。この度、「自転車一方通行」標識が新たに設置
されることになりましたが、自転車走行のマナーが問題となっている現状、
これまでの安全対策の経緯や今後の施策について、長官の所見をお伺いしま
す。

答  (長官)我が国の自転車保有台数は約7000万台ということでありまし
て、これは自動車に匹敵する台数がありまして、また交通事故の約2割が自
転車関連の事故となっているということで、これは大きな問題になってきつ
つあるのではないかと思います。他方で、自転車の通行環境は十分に整備さ
れているとは言い難いことは御案内のとおりであります。こうした中、警察
ではこれまでも、平成20年の道路交通法改正や昨年末の標識標示令の改正、
また国土交通省とのモデル事業によりまして、自転車の通行環境の整備に努
めてきたということであります。交通事故防止の原点は自動車と歩行者の分
離、進行方向別の交通の分離等の分離によりまして、接触確率を低下させる
ことにあり、今回の施策というのは自転車道の一方通行の導入ということで
ありますから、これはもう一段の安全向上に寄与するものというふうに期待
しております。なお、本日の公安委員会でも意見がございましたけれども、
最近、ルール無視の自転車が多いことや街路灯の節電の影響によって夜間の
見通しが悪くなっているとの指摘もありますので、悪質な違反の取締りや危
険箇所の点検などもしっかりとさせていきたいということであります。自転
車施策というのは、まだ道半ばと言え、これからもしっかりやっていかなけ
ればいけないと思います。

  長官にお伺いします。平成9年に東京渋谷区で発生しました東京電力のO
Lの殺害事件で、東京高検が被害者の体から採取した遺留物のDNAを鑑定
したところ、今現在無期懲役が確定して服役中の受刑者とは別人のものが出
たということが分かりました。状況証拠を積み上げる難しい捜査を当時して
いて、受刑者以外の第三者が被害者の現場の部屋に入ったことは考え難いと
いうことが有罪の判決文の大きな根拠になっているのですけれども、今回の
DNA鑑定の結果をどのように受け止められておられるかということと、改
めて当時の捜査を検証等されるおつもりがあるかということをお聞かせくだ
さい。

答  (長官)お尋ねの件は、正直言って今朝の報道で初めて知りましたが、本
事件については、再審請求中でありまして、お答えする立場にないことから、
コメントは差し控えたいと思います。

  長官にお尋ねします。暴力団の排除についてでありますが、福島第一原発
の関連事業について、東電を始めその関連事業が暴力団排除の協議会を設立
したようでありますが、改めまして、既にそういうような暴力団が契約に介
入するような実態があるのかどうか、それからこの枠組みを使って、どう排
除を進めていくのか、お考えをお聞かせください。

答  (長官)今回の取組みは、これからそういうことが起き得るということで、
先手を打って対策を講じるということが主眼であります。

   警察としては、これまでも、東日本大震災における復旧・復興事業への暴
力団等の反社会的勢力の参入、介入を排除するための様々な取組みを進めて
きたところであるわけですが、今回の協議会の設立は、関係者が一体となっ
て、その排除を徹底するために必要な措置の導入や情報交換等を行っていこ
うとするものであります。関係者が一同に集まって未然防止を図って、先手
を打っていこうということでありますので、暴排の観点から有効な取組みで
あり、強力に推進していきたいと思いますし、また、有意義なものであると
考えております。

   原発関連契約に暴力団の介入が予想されるのではないかという視点で防止
を図ることが大事だと思います。社会全体で暴排をやっておりますが、その
一環として、こういうところに抜け穴がないように支援するということです。