国家公安委員会委員長記者会見要旨(警察関連部分のみ)

1 日時 平成23年7月26日(火)9:04~9:20

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  閣議前に犯罪対策閣僚会議第18回会合が開かれました。私の方から死因究
明制度に関しまして、死因究明制度に関するワーキングチームの設置の提案を
いたしまして、そのことは決定をいたしました。これにつきましては、平成1
0年以降40件を超える犯罪死の見逃し事案が発覚をし、死因究明に対する社
会的な関心が高まるとともに、その抜本的な見直しの必要性が指摘されている
ということでございまして、昨年全国の警察が取り扱った約17万体の死体の
うち解剖に付されたものは約11パーセントでございまして、これらのことを
考えますとこの死因究明制度に関する制度又は体制の整備というのは急務であ
るというふうに考えております。

 特に大学で医学を勉強する学生達の中で解剖医を目指すというような方はな
かなか少ないということもありますし、厚生労働省及び文部科学省の協力が特
に必要であるというふうに考えて、その提案をいたしたところであります。こ
の設置が決まりました。

 今般の大震災、被災地等における犯罪情勢と警察の取組みについて、それか
ら最近増えておりますが、犯罪インフラ対策等について御報告をいたしたとこ
ろであります。

  中井元大臣が中国に行かれたとか、北朝鮮側と接触をされたということにつ
いては、どのような御報告が入っていますか。

答  特に報告は向こうからありませんが、私の方から報道を見ましたので、「ど
うだったの」という問い合わせはいたしました。中井予算委員長からは、生ま
れ故郷の長春をやっと訪問することができたと、タイミングといいますか時間
をみて訪問をしたいと思っていたけれども、4回目のトライでやっと実現でき
たとこう言っておりましたけれども、この30年来の友人でございますので彼
がよく長春の思い出を話していたことを私も記憶をいたしております。また、
もう少しで残留孤児になるところだったんだという話を冗談交じりにしていた
ことも記憶しておりますので、彼が長春を訪れたいという気持ちを元々持って
いたことは承知をいたしておりますが、やっと訪問することができたというこ
とで、あの通りはどうだった、この通りはどうだったとか、建物はどうだった
という思い出話はございましたが、北朝鮮との接触についてはないとこういう
ふうに答えておりました。

  今、最後聞き取りにくかったんですけど、北朝鮮側との接触については。

答  報道されているような北朝鮮との接触ということはない。

  接触はしていないと仰っていたんですか。

答  「してない」とこう言っておられました。

  中井さんがですか。

答  中井君がです。

  その中井さんの発言に対して、大臣はどのようにお考えですか。

答  ないということですから、ああそうかということです。

  拉致対策本部の職員が同行したというふうに記事には書いてあったと私は記
憶しているのですが、私の勘違いかも知れませんが、拉致対策本部には確認は
されましたでしょうか。

答  中井予算委員長本人がそういうことですので、特に事務局の方で云々という
ことはございませんが、せっかくお尋ねですから、私の記憶からすれば、職員
を海外へ出張させたことはありません。

  今、米朝とか米韓とか、北朝鮮に関するアメリカや韓国なりの話し合いが結
構進んでいる中で、話し合いに関して前のめりな気運が出てきているんですけ
ど、こういった雰囲気の中で、拉致問題の解決に向けて、どのようにして北朝
鮮に対して話し合いを入れていくか、お考えをお聞かせください。

答  前のめりということが、どういうことを意味しているのかよくわかりません
が、この前私が韓国に行きました時に、一部、いわゆる日朝関係が拉致問題を
解決した場合、それをきっかけにして、前のめりに日本がなるのではないかと
いうことを韓国側が、一部心配している向きがあるということを聞いておりま
したので、むしろ私は、そういうことは有り得ない。六者協議とか色んな協議
がなされますけれど、日本の場合は他の国々とは違って、その前提条件として
拉致問題の解決というのがあるわけであり、この問題がもし解決されれば、皆
さんと同じステージに立てるということになるんだという説明を韓国側にした
ことはございます。

   また、先般、家族会、救う会の皆さんが訪米をされ、私どもも東副大臣を同
行させましたが、その際、家族会、救う会の皆さんが強調されたことは、いわ
ゆる安易に米国が北朝鮮に対して食糧支援をすることをしないでほしいという
要請、またもう一つは、テロ支援国家の指定を再びやってほしいという要望の
二点を強調されましたけれども、政府間交渉ではありませんが、東副大臣から
そのことについては、是非重く受け止めてほしいというそれをフォローする発
言をしたということは承知をいたしております。ただ、これもあくまでもアメ
リカの政策に内政干渉するつもりはありませんが、その訪米をした人達の気持
ちをそういう形でフォローしたということで、これも別に前のめりの話ではな
いというふうに思っております。

  先ほど死因究明のためのワーキングチーム設置の話がありましたけれど、予
算の問題とかいろいろあると思いますが、特にこのワーキングチームの設置で、
こういう部分の議論が進むことを期待するとか、そういったところをお聞かせ
ください。

答  警察等の立場からすれば、検視、検案の体制を強化したいと思います。これ
は、ある意味警察予算の充実の中で、既に努力をしているところでありますが、
とりわけ解剖医の数を増やすことには、確かに予算がかなりいると思います。
これから、例えば、解剖率を30パーセントにする、50パーセントにすると
いうふうに拡大していく上においては、かなりの予算が必要になると思います
ので、それらのことも含めたワーキングチーム内での検討が必要であろうと思
います。