国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成23年9月8日(木)11:39~11:53

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日、国家公安委員長に就任をいたしまして最初の国家公安委員会の定例
会議を開催いたしました。本日の定例会議の状況は、委員は全員御出席で、
議題事項は「人事案件」と「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令
案」等についてでございます。原案どおり決定いたしました。報告事項につ
いては、お手元の資料のとおりでございます。以上、御報告を申し上げます。

  大臣にお伺いします。大臣は、本日、御就任後初めて国家公安委員会に出
席されました。その御感想とともに、公安委員会制度に対する大臣の考えに
ついてお聞かせください。

答  (大臣)今日、初めて出席させていただきましたが、公安委員会制度は言
うまでもなく警察運営の独善化を防ぐため、政治的中立性を確保するために
導入されているものでありますので、国民の良識を代表する民主的な管理機
関として警察庁を管理しているものと承知をしております。現在の国家公安
委員会の方々をみても、大学教授、裁判官、労働組合、弁護士、企業経営者
と、正に国民の良識を代表するバランスのとれた皆様であり、そういう構成
になっております。警察庁の施策内容等を十分把握した上で、今後とも国家
公安委員会として、警察庁に対する管理機能を十分に発揮してまいりたいと、
私もそのことをよく念頭に置いて重責を果たしていきたいと思っております。

  長官にお尋ねします。11日で震災半年を迎えますが、これを節目にこれ
までの警察活動を振り返っての所見と今後の方針についてお伺いします。

答  (長官)これまで警察におきましては、この3県の警察に対して、全国か
ら延べ約64万人の警察職員を派遣するなど、文字通り全国一枚岩となって、
様々な警察活動をやってまいりました。

   しかし、本震災の発生から間もなく半年を迎えるわけですが、未だ多くの
方々が行方不明になっていることを踏まえますと、引き続き行方不明者の捜
索活動等に当たることが必要であります。加えて、今次震災というのは従来
の地域コミュニティが崩壊して、地域社会の犯罪抑止力が弱体化しているこ
となどを踏まえますと、引き続き、検問、パトロール、侵入窃盗等の犯罪取
締り等を行っていく必要があると思います。

   また、福島原発周辺については、警戒区域等が設定されておりまして、引
き続き、住民の方々の安全と安心を確保するために、検問、パトロール、よ
う撃捜査、一時立入りの支援等を行っていく必要があるところです。半年を
迎えますが、今申し上げたような色々な課題が引き続き継続していることか
ら、全国からの部隊派遣が今後も長期にわたることが予想されます。いずれ
にしても、今回の震災というのは未曾有の災害でありますので、やはり今後
も全国警察一体で対処していかなければならないということを、今の時点で
も思っております。

  長官にお伺いします。先日、ライブハウスでガソリン使用の無差別殺人未
遂事件が起きましたが、今後、警察として国内イベント会場の安全管理など、
どのような取組みが大事だとお考えになるか所見をお聞かせください。

答  (長官)この事件は、一歩間違えれば多数の死傷者が出る大惨事となると
ころであった重大な事件でありまして、至急、全国で対策をとる必要がある
と認識をしております。

   具体的には、今後、各都道府県警察において、ライブハウス等の施設管理
者に対しまして、自主警備の徹底を要請するということがありますし、警察
庁においても警備業者や経産省を通じてイベント事業者に対しても安全対策
の徹底を要請したところであります。

   加えて、ガソリン等を販売する業者に対して、販売の適正管理の徹底や不
審者が購入を申し出た場合の警察への連絡について要請したところでありま
す。こういったことについて、全国各都道府県警察が一斉に動き出すことに
なると思います。

   その上で、この事件は秋葉原型の事件であり、国民に大きな不安を与える
ものだと思いますので、関係機関・業界とも協力して、再発防止に全力を尽
くしてまいりたいと考えております。非常に重大な事件と認識しており、絶
対に同じことを起こさないという決意で、警察、関係機関、業界そして社会
全体で防止をしていくということが大事だと思います。

  大臣にお伺いします。大臣がマルチ商法の業界から献金を受けていたとの
新聞報道がありましたけれども、実際に献金はあったのかということと、業
界との関係はどのような関係であったのか。また、これも一部の報道なんで
すが、JR総連との親密さが報じられていますが、実際にどのような関係が
あるのかお聞かせください。

答  (大臣)最初の御質問については、私の母校のトップを迎えての関係議員
の集まりというのがあって、私の向かい側に座った議員が、「山岡先生、後
輩の面倒も見てくださいよ。」と、こう言われたもんで、見てないつもりは
ないんですが、そう言われると「いいですよ。何だって言ってください。」
と申し上げたところ、自分たちが立ち上げようとしている議員連盟、それは
その時は内容も名前も定かではありませんでしたけれど、後々、健全なネッ
トワークビジネスを推進する議員連盟ということでありましたけど、「一時
的に会長をやっててください。」と、「すぐ別な人を見つけますから、仕事
はしないでも結構です。みんな自分らがやりますから。」ということで、後
輩のために頼まれ会長を一時的に引き受けたのは、事実でございます。そう
いうことがあってだと思いますが、そういう関連の企業から献金をいただい
ていたということは事実でございます。私は、言い訳をするわけではありま
せんが、そういう中身については、一つ一つ見ているわけではなく、常に言
っているのは、法と社会規範を考えてきちっと精査して受け取るようにと一
般的な指示はしておりますが、受けていたことは事実でございます。したが
って、その後、色々と取り沙汰された事実があるわけで、私は、その合法的
に運営されているビジネスだと認識しておりますが、誤解を受けないように、
その年から、もうお受けをしないようにと、こういう状況であります。

   それからJRのことについては、今、我が党の参議院議員の田城さんとい
う方がいらっしゃるわけですが、その方が参議院の候補としてあがってまい
りまして、私が北関東のブロック議長、ブロック責任者をやっていた時に当
時は北関東は北関東で、その候補者一人を当選させるようにと、当時は、名
前で言えば家西さんという候補者をあてがわれたといえば怒られてしまいま
すが、そこで、北関東としてやっていたんですが、機関としてJR総連の皆
様が、お願いをしたわけではないのですが、応援をしてくれていたというと
ころから御縁があったとは言えます。それで党で推薦をするということがあ
りましたもので、こういう候補者でありますから、それはどの団体から御推
薦いただいている皆様であろうと同志でございますから、それは応援はさせ
ていただくと、選挙の時などに、言われれば行くと。大体党から、党を代表
して行くようにという御指示でございますので、こういうふうにしてお伺い
をして応援をしているということでございます。他の団体から支援されてい
る議員に対してもしておりますし、全国も回っている、そのうちの一つであ
ります。

  大臣にお伺いします。これまで全国警察一体となって、暴力団対策、特に
山口組弘道会対策を進めてこられたんですけど、この取組みに対して今後、
国家公安委員長としての意気込みといいますか、御所見をお聞かせください。

答  (大臣)暴力団対策というのは、非常に古いテーマであるし、なおかつ最
近は非常に新しいテーマにもなってきているわけです。それは、中身がかな
り変貌しておりますから、近代的という言い方はおかしいんですけど、巧妙
化しつつあるわけです。ハード面だけではなくて、ソフト面の方にどんどん
広がりを見せているというところが新しい面であるわけでございます。そう
いうことになると、単にハード的にそれぞれの組織を摘発し、潰していくと
いうことだけでは足りない面が出てきておりますので、関係する組織、ある
いは事業者・企業、そして一般国民の皆様の御理解も得て、社会全体で幅広
くこれを封じていくと、そういう体制を組んでいかないと、なかなか暴力団
を押さえ込んでいくということは、難しいような状態になってきております
ので、そういう方向に今、力を入れて取り組んでいるところでございます。