国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 平成23年9月15日(木)11:26~11:31

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。本日は委員
長が国会用務のため御欠席でありました。議題は、「人事案件について」と
「国家公安委員会委員長に対する行政文書開示請求に関する決定」でしたが、
説明があり、原案どおりの決定となりました。報告事項につきましては、お
手元の資料にございますとおりで警察庁から報告を受けた次第です。

  長官にお伺いします。昨日、犯罪インフラ対策の推進状況について説明が
ありました。今年の3月から半年間進めて来られて、犯罪インフラという視
点で切り取っての実態解明と捜査をこれまで半年してきたことの意味合いと、
この半年間の成果及び見えてきた課題について所見をお聞かせください。

答  (長官)これまで短期間ではありますけれども、全国警察を挙げて体制を
構築して、総合的・部門横断的に犯罪インフラ対策を推進してまいりました。
この間、様々な形態の犯罪インフラを利用した事件を検挙しておりまして、
実態解明と事件検挙及び犯罪インフラを生まない環境づくりの推進に全国警
察を挙げて取り組んできたところであります。

   その結果、偽装インフラの摘発が一層進んだ一方で、他人名義の携帯電話
が依然として広く犯罪に利用されていることなどが判明しております。改め
て犯罪インフラというものが社会の様々な制度・サービスにおいて構築され
ており、治安に対する重大な脅威になっているとの認識を強くいたしたわけ
でありまして、この取組みというのを更に加速していくことの必要性を感じ
た次第であります。

   また、最近大きな問題となっております偽装養子縁組に関しましては、法
務省との連携を強化いたしまして、今年に入り相当程度抑え込んだほか、振
り込め詐欺で問題となっておりましたコンビニエンスストア販売のプリペイ
ド式携帯電話についても販売中止となるなど、対策面の成果も上がりつつあ
るのではないかと考えております。

   したがって、今後も犯罪インフラ解体に向けて、全国警察を挙げた取組み
を一層強化していく必要があると考えております。特に、偽装インフラ、携
帯電話の不正利用、フリーペーパー上の不正な広告、更にはインターネット
上の違法・有害情報などの対策に関しては、警察による取組みだけでは対策
として不十分でありますから、今後、関係機関、事業者との連携や情報交換
を一層強化するなどして、更なる対策の推進が必要と考えております。この
関係機関や事業者との連携が、インフラ対策では非常に大事だと思っており
まして、既に申し上げました偽装養子縁組等でも着実な効果が上がってきて
おりますので、更に一層進めてまいりたいと思います。

   犯罪インフラ対策の特徴について申し上げると、個別の一つ一つの罪種の
犯罪対策と違っているのは、この対策をやればやるほど、攻めれば攻めるほ
ど、様々な犯罪を起こりにくくすることになるわけです。多くの犯罪をやり
にくくするわけでありますから、そういう意味で犯罪者に対し確実にボディ
ブローとして利いてくると期待しております。非常に重要な犯罪対策との位
置付けは、根源的な犯罪対策という意味で申し上げているわけでありますが、
警察だけでできるものではないですので、関係機関や事業者と更に連携して
前進したいと思っております。