国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成23年9月22日(木)11:26~11:34

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。議題事項に
ついては「犯罪被害者等給付金の裁定に対する審査請求事案の審理状況及び
裁決について」と、もう一つは「オウム真理教犯罪被害者等給付金の裁定に
対する審査請求事案の審理状況及び裁決について」であります。説明がなさ
れ、原案どおり決定いたしました。報告事項については、お手元の資料をご
覧をいただきたいと思います。

  大臣にお伺いします。台風の関係なんですけれども、今回も被害が大きか
ったようですけど、警察の方での措置、対応等について御所見をお伺いでき
ればと思います。

答  (大臣)警察庁が本日の午前9時までに都道府県警察から受けた報告によ
りますと、この度の台風15号で死者7人、行方不明者7人等の被害が発生
しているところでございます。

   これまで警察庁及び関係都道府県警察において、所要の体制を確立をして、
被災者の救出救助、行方不明者の捜索、警戒区域周辺での警戒等の災害警備
活動に全力を挙げて当たってきたところでございます。

   今回は、東日本大震災のような広域緊急援助隊の派遣は実施をしておりま
せん。ただ、台風15号発生と同時に20日午後3時30分に災害情報連絡
室を設置をして、室長をトップにして、この対応をしてまいりましたし、2
1日午後2時には災害警備連絡室に格上げし強化して、警備課長を中心に陣
頭指揮をしてまいって、警察の最善を尽くしていると認識をしております。

   岩手や宮城や福島の3警察に対しては、全国から約2,000人の派遣部
隊が出ておりまして、その間、台風等様々な災害が起こっておりますけれど
も、それも併せて迅速的確に対処し得るよう、組織を挙げて必要な態勢を確
保しておりますので、十分その措置をなしていると認識をしております。

  長官にお伺いいたします。三菱重工という防衛産業の拠点にサイバー攻撃
がなされて一部の情報が盗まれたと言われておりますが、今回の事案に対す
る御所見と国家機密を扱う民間企業のサイバーテロの防衛について、警察と
してどのような取組みを今後お考えなのか、お聞かせください。

答  (長官)御指摘の件につきましては、三菱重工業から相談を受けて現在、
警視庁が今後の捜査も視野に入れて情報収集を行っているものと聞いており
ます。サイバー攻撃というのは、国家の安全保障や社会経済活動に大きな支
障を生じるおそれがあるものであり、治安上の大きな脅威であると認識して
おります。

   警察では、これまでも、重要インフラ事業者等と構成するサイバーテロ対
策協議会の設置や先端技術関連事業者等との情報共有ネットワークの構築を
通じた被害の未然防止に取り組んできたところであります。

   今後の警察の取組みとして、一つは、未然防止の取組みを一層推進すると
いうこと、もう一つは、関係省庁や海外治安当局等とも連携して実態解明と
厳正な取締りを推進していくことであります。

   やはり今回のケースを見ると、安全保障に関わる重大な問題であり、こ
のような防衛産業に対するサイバー攻撃事案を契機として官民一体でサイバ
ーテロ対策を強力に推進していく必要があると考えております。言葉を換え
ますと、官民一丸となった取組みでサイバーテロから守られなければならな
い段階に来ているのではないかと思います。官民一体で全力を尽くしたいと
思います。

   大臣)長官の発言ですべて尽きているわけでございますが、警察としては
万全を期して取り組んでいるところですけど、政治的に今後のことを考えて
まいりますと、これは非常に大きな問題として取り組んでいかなければなら
ないと認識をしております。ただ現状は、各企業も最高機密でございますし、
各省庁もそれぞれの分野でベストを尽くしている状況の中にあって、長官の
お話のように、これは一民間の問題に留まらず、国家機密の漏洩に繋がって
きます。内閣の危機管理室がコントロールしたり、その他の機関もございま
すが、これは閣僚懇等々で政府全体の問題として真剣に検討していかなけれ
ばいけないということを私は提案をしていこうと思っております。特に上の
ほうの幅も広いですが、一般の家庭のコンピュータにまで入って、そこをベ
ースにして犯罪が行われていくわけですから、これは国民もみんな巻き込ま
れていくことになって、警察の役割も大きくなると思いますので、そういう
全体の対応をよく相談をして進めていきたいと思います。