国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 平成23年10月27日(木)12:09~12:16

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。本日は、山
岡委員長が国会用務のために欠席でした。議題事項については、「人事案件
について」と「国家公安委員会委員長に対する行政文書開示請求に関する決
定について」ということで説明がありまして、原案どおり決定をいたしまし
た。報告事項については、お手元の資料のとおりの報告が警察庁からござい
ました。以上でございます。

  長官にお伺いします。サイバー攻撃に関してですけども、衆議院にもこの
間、一部情報が流出したのではないかと言われておりますが、政治の中枢に
もサイバー攻撃があったことに対しての御所見をお聞かせください。

答  (長官)御指摘の事件については、現在、衆議院事務局が対策本部を作っ
て、事実関係を調査していると承知しております。

   警察としましては、この対策本部にオブザーバーとして参加するなどして、
事実関係の確認に努めているという状況であります。最近、色々な国等の機
関や企業等に対するサイバー攻撃というものが報道され、発覚してきている
わけでありますけれども、こういった状況は、サイバー攻撃といったものが
幅広く、そして深く行われているという状況を伺わせるものだと思っており
まして、憂慮しているという状況であります。

   警察としましては、内閣官房等の関係省庁や民間事業者、更には外国の治
安機関との連携を強めて、まず何よりも未然防止を図るということのために
も努力をしてまいりたいと思ってます。そして、また事案が発生した場合に
は、その実態の解明と厳正な取締りを行っていくという考えで、今対策を進
めているところでございます。

  長官にお尋ねします。岐阜県の御嵩町の1996年10月に当時の町長が
何者かに襲われた殺人未遂事件がありました。この公訴時効が、間もなく3
0日に成立をしそうな情勢であります。まだ、数日間、捜査はおやりになる
と思うんですけれども、この事件は背景に産廃施設の建設があると言われて
きて、これまでに元暴力団員であった右翼の構成員が、町長宅の盗聴事件で
逮捕はされましたけれども、肝心の襲撃については、今までのところ犯人の
特定には至っておりません。この行政対象暴力とも言えるような、この事件
が捜査難航しているということについての長官の御所見と今警察が進めてい
る暴力団排除にも繋がると思うんですが、そのことも含めてお考えをお聞か
せください。

答  (長官)事案の概要については、今、正にお話があったとおりでありまし
て、平成8年10月30日にこの事件が発生をしてます。岐阜県警では、直
ちに捜査本部を立ち上げて、捜査を推進してきたという状況であります。そ
して、今もお話があったように、この事件の前段として、町長に対する盗聴
事件等、不穏な動きがあったということは承知をしておりまして、盗聴事件
については検挙に至ったわけでありますけれども、そういったことがあった
ことから、岐阜県警では様々な点を視野に入れながら捜査を行ってまいりま
した。その中には、当然、今、仰られた産業廃棄物処理施設の問題も含めて、
視野に入れながら捜査を進めてきたわけでありますけれども、岐阜県警とし
ても懸命に捜査を行ったのでありますけれども、未だ犯人の検挙には至って
いないということは残念であるというふうに言わざるを得ないと思っており
ます。

   行政対象暴力の話でありますけれども、これはまだ相当行われており、後
を絶たないというのが実態であろうと思ってます。やはり行政の健全性や公
正性をまず確保するという意味でも、また特に公金でありますから暴力団等
の反社会的勢力に物が渡らないと、資金源とされないという意味でも、こう
いった行政対象暴力は徹底的に排除していかなければいけないと考えていま
す。ただ、行政機関においては、残念ながら対応、取組みに温度差があると
いうことも否めないのかなと思ってます。今後ともまずこういった事案につ
いては、強力に取締りを進めていく、それから行政機関職員に対する研修を
行っていく、また行政機関からの相談も相当たくさん来ておりますから、こ
れについては真摯に対応する、また関係省庁等に対してコンプライアンス要
綱制定を働きかけていくといったような対策を進めてまいりたいと考えてい
ます。