国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 平成24年2月16日(木)12:01~12:08

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の定例会議の状況について申し上げます。松原委員長は、国会用務の
ため途中で退席されました。委員は全員出席でございます。議題事項につき
ましては、「人事案件」と「情報開示に関する異議の申立てに伴う保護審査
会への諮問」の2点でございまして、原案どおり決定したということになり
ます。報告事項につきましては、お手元の資料に書いてありますとおりの報
告が警察庁からなされました。

  長官にお伺いします。児童虐待の検挙状況について先日、発表がありまし
たけれども、99年、平成11年以降、統計を取り始めて以来、過去最高と
なっております。こうした状況についての見解と取組等についてお願いしま
す。

答  (長官)御指摘のように児童虐待の検挙件数が昨年は384件、被害児童
数は398人ということで、統計を取り始めた平成11年以降で最高となっ
たわけでございます。

   これが実勢として増加していることを示しているのか、また、児童虐待に
関する国民の意識が高まって通報件数が増えた結果であるのか、現段階では
なかなか一概には言うことはできませんが、いずれにしても被害児童の中で
亡くなった児童の数が増加しているなど憂慮すべき状況にあると考えており
ます。児童虐待というのは、何ら抵抗のできない児童に対して、一方的に危
害を加え、児童の心身に重大な悪影響を及ぼすという事案でございまして、
警察としては、その予防、そしてまた児童の安全確認、安全確保、これを最
優先にして積極的に取り組んでいくことにしているところであります。その
ためには、疑いのある事案の早期の発見、早期の把握とこれに対する早期の
対応ということが極めて重要でございまして、警察としましては、各種活動
を通じて疑いのある事案の早期の発見に努めるほか、児童相談所、学校、医
療機関等の関係機関と連携をいたしまして、児童の生命・身体の保護を図る
ための措置を迅速かつ積極的に講じるよう徹底を図ってまいりたいと考えて
ます。また、当然ながら事件として処理すべきものがあれば、厳正に対処す
るということでございます。

  長官にお尋ねします。先日、千葉県の東金市で発砲事件があり、1人死亡
しました。午前10時過ぎのファミリーレストランで、その関係者以外の一
般客も10人ほどいた中での発砲でありました。被疑者、被害者ともに元暴
力団組員ということであり、被疑者は本日の朝に、どこかで自殺をして拳銃
も見つかっていたようでありますけれども、このように違法な拳銃が出回っ
ているという実態があります。なかなか警察による押収というのも飛躍的に
伸びているということはなく、むしろ減少傾向にありますけれど、この事件
についての長官の御所見と銃器情勢について今後どのようにされるのかお聞
かせください。

答  (長官)御指摘の事件は、正に午前中の住民の皆様が活動している最中の
事件で、周辺の住民の皆様を始め大変に不安感を抱かれたと思います。

   被疑者については、全国に指名手配をして行方を追っておりましたが、今
お話があったように、今朝、九十九里町の駐車場の中で、遺体で発見をされ
たという報告を受けております。あわせて拳銃様のものも押収をしたと聞い
ているところであります。千葉県警では、今後、その全容解明に向けて捜査
を進めていくものと承知をいたしております。

   拳銃の摘発でございますけれども、昨年は一昨年より押収丁数がやや増え
たとはいえ、御指摘のように低調であると言わざるを得ないと考えておりま
す。拳銃の発砲事件の件数でございますけれども、平成19年に銃刀法の改
正をして以後、減少傾向にあったわけでございますけれども、昨年はこれが
やや上昇し、また凶悪な発砲事件が最近も相次いでいるということで予断を
許さない状況にあると考えております。

   拳銃捜査については、暴力団の組織防衛が相当強化されていること、また
隠匿方法が相当巧妙化しているなど、非常に困難の度合いを増しているとい
うことが言えるわけですけれど、組織犯罪対策という面からすると、特にい
わゆる武器庫の摘発、すなわち大量押収が減っているということは残念だと
考えております。

   今後、この発砲事案に対する捜査を強力に進めるということはもとより、
銃器の押収ということについて言えば、銃器対策部門のみならず、警察の各
部門が連携をして銃器に関する情報収集を強化していくほか、また拳銃11
0番というのがございますが、こういったものに対する情報提供を受けるな
ど国民からの協力も得ながら、そしてまた捜査の面でいえば、通信傍受等の
捜査手法も駆使しながら、拳銃の摘発をさらに強化しなければいけないと考
えております。