国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成24年3月6日(火)8:31~8:38

2 場所 衆議院議員食堂

3 概要  本日の閣議では、御報告することはございません。

      昨日、戦略分科会が開催されましたが、これは拉致問題対策本部の体制強
化を図るために設置した7つの分科会の1つであります。戦略分科会は、齋
藤官房副長官を座長としておりますが、今回は初めてということもあり、私
も大臣として出席をさせていただきました。あらゆる可能性を排除せず、た
だし、決して安直に妥協することなく、いかに拉致問題解決のための戦略を
進めていくかについて、十分に御協議をいただきたい旨、発言をしたところ
であります。御出席の皆様には、拉致問題の解決なくして、日朝国交正常化
はあり得ないとの基本方針を確認の上、活発に意見交換をしていただき、大
変有意義な会合となったと考えております。

      具体的な議事内容については、分科会での自由な議論を確保するため、追
って発言者名を伏せ、要項をまとめた議事概要を公表することといたしてお
りますので、この場での私からの言及は差し控えさせていただきます。

      昨日、長崎県西海市における殺人事件に関して、千葉・長崎・三重県警察
の検証結果が公表されました。この事件について、改めて亡くなられたお二
人の御冥福をお祈り申し上げるとともに、御遺族にはお悔やみを申し上げま
す。

      警察庁では、この事案を重く受け止めるとともに、この度の関係県警察に
よる事案の検証結果を踏まえ、昨日、同種事案の再発防止に向けて通達を発
出したと承知をしております。これに基づき、都道府県警察において、適切
に再発防止策が進められるものと考えております。

      今後も、国民の安全と安心を確保するため、ストーカー規制法をはじめと
する各種法令の積極的な適用など、この種事案の未然防止に全力を尽くすよ
う指導してまいりたいと思っております。

      以上であります。

  前回の会見で、大臣から、北朝鮮が、拉致被害者の方で死亡と発表された
方が生存というふうに変えたとしても、その変化に期待するという発言があ
ったんですけれども、それは今後、北朝鮮に対して再調査を呼びかけていく
ということでしょうか。

答  いや、そうではありません。

   私は、金正日国防委員長の死去により、新しい北朝鮮の体制が生まれた中
において、新しい北朝鮮が国際社会に受け入れられるためには、従来と様々
な意味で異なった対応をする必要があるということは申し上げてまいりまし
た。

   そして、拉致被害者に関しては、全員生存しているという中で日本側は闘
ってきているわけであります。北朝鮮側が死亡と発表したケースも、北朝鮮
側の認識であるわけであります。そのことに関して、我々が北朝鮮側と交渉
する上で、そういった死亡というふうに北朝鮮側が言ってきた人間が、仮に
生きているということがあれば、それはそのことを持って私はむしろ新しい
政権が前向きな対応をしたというふうに考えていきたいということを申し上
げたのであって、再調査を要求したわけではありません。

  これに関してなんですが、常に拉致の再調査というのは2008年以降、
あちら側が実行していないということが問題になってくるわけですけれども、
この現状に関しては、例えば機運といいますか、何かしら再調査を始める、
あるいは交渉の手掛かりなど、その当たりの感触といいますか、大臣はどん
なふうに今のところ御覧になっていますか。

答  私が申し上げているのは、どちらにしても、我々はきちっと拉致被害者を
全員解放しろということを言っているわけですから、その中で、北朝鮮側が
彼らの発表の中で一度死亡と言った拉致被害者に関して、生きているという
ことを認めたとしても、それは前向きなこととして評価をすると言っている
わけであります。

  AIJの年金消失問題に絡んで、社会保険庁から厚生年金基金に天下りが
大変多数いるということが問題視されていますけれども、この件について、
大臣の御所見をお願いします。

答  私も基本的に所管ではありませんけれども、一人の政治家として考えれば、
この状態が一般の国民の目から見て、なかなか納得できないものではないか
と考えております。

  北朝鮮の関連ですけれども、先ほど新しい政権が前向きにとおっしゃいま
したが、そこら辺のことをもう1回教えてください。

答  要するに、我々は拉致被害者は全員生きていると、全員返しなさいと、全
員取り返したいということで、拉致問題に関して我々はそういう姿勢で臨ん
できたわけでありますが、金正日政権ではない、新しい政権の中において、
従来、北側が死亡していたという拉致被害者が生きていたとしても、それに
関しては前向きに捉えていきたいと申し上げているところであります。