国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成24年5月31日(木)11:38~11:45

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。委員は髙木委
員以外出席です。議題事項については、「人事案件について」、「災害に係る
危機管理体制の再構築に向けた規程の整備について」説明があり、原案どおり
決定いたしました。報告事項については、お手元の資料のとおりの報告が警察
庁からありました。

      このうち、「一定の病気等に係る運転免許制度の在り方に関する有識者検討
会」について申し上げますと、自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれの
ある一定の症状が認められる者に係る運転免許制度の在り方について検討する
ため、有識者による検討会を設置することとし、第1回目の検討会を6月5日、
火曜日、午後4時から開催することとなりました。

      以上です。

  大臣にお伺いします。先ほど大臣も仰られた免許制度についての検討会なん
ですけれども、具体的にどういう論点で議論を進めていただきたいとか、そう
いった御期待とか、御所見とかございますか。

答  (大臣)先月9日に昨年、栃木県鹿沼で発生した交通事故の御遺族から約1
7万人に及ぶ御署名をお届けいただき、御遺族の皆様の心情をお聞きした際、
このような悲惨な事故を二度と起こさせてはいけない、早急に何らかの対策を
講じるべきだという強い思いを持ったところであります。

   一方で、これらの病気等を有する方々が抱えている問題や御労苦というもの
も十分理解できるところであり、その社会参加の機会を確保していくことも重
要な課題であると認識いたしております。

   このようなことから、この問題は、関係各分野の有識者の方々に御専門の見
地から十分に検討していただく必要があると考え、警察庁に本検討会の設置を
検討するよう申し向けていたものであります。

   本検討会においては、運転免許制度の在り方に関し、道路交通の安全の確保
と一定の病気等を有する方々の社会参加の確保との両立をどう図るかについて、
議論を尽くしていただければと考えております。

  長官にお伺いします。連日、報道されておりますけれども、中国大使館の書
記官に対して、警視庁公安部が出頭要請をしましたけれども、この件について、
御所見をお聞かせください。

答  (長官)御指摘の報道は承知しておりますけれども、現在、捜査中でござい
ますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。

  大臣にお伺いします。日本にスパイ防止法のようなものがなくて、日本国内
でスパイ活動がしやすいのではないかという指摘があると思うのですが、何か
これに対するお考えとか、コメントがあればお願いします。

答  (大臣)警察では、我が国の国益が損なわれることがないよう、対日諸工作
に関する情報収集・分析に努めるとともに、違法行為に対して厳正な取締りを
行っているところであります。

   アメリカ、フランス、イギリス、ドイツ、韓国、中国などの諸外国では、い
わゆるスパイ行為を取り締まるための関係法令が少なからず整備されているも
のと承知しておりますが、我が国には、係る行為を直接取り締まる一般法規は
ありません。警察では、いわゆるスパイ防止法のない中、他のあらゆる法令を
駆使して、違法なスパイ行為の取締りに当たっているものと承知いたしており
ます。

   なお、スパイ行為に係る法制の整備は、我が国の国益を守る上で重要な課題
と認識しているところでありますが、国民の十分な理解が得られることが望ま
しく、広く国会等の場で議論されることが必要と思料いたしております。

  長官にお尋ねします。5月の末に東京の渋谷駅で殺人未遂事件がありました。
32歳の男がサバイバルナイフで居合わせた人を刺して逃げたという事案であ
りましたが、犯人の特定並びに検挙については、駅に付設されている防犯カメ
ラを分析・解像しての捜査がかみ合って早期検挙に結びついたと思うのですが、
今回の事件の発生から検挙に至るまでの経緯をどう見ておられるのか、それか
ら防犯カメラそのものを活用する捜査は今後重要になってくると思われますが、
そのあたりについてのお考えをお聞かせください。

答  (長官)お尋ねの事件は、人が多数集まるターミナル駅の構内で突発的に発
生した事件でありまして、国民の皆さんに大変大きな不安感を与えた事件であ
ろうかと思います。警視庁では早い段階で、迅速にこの防犯カメラの映像を入
手してその分析を進めるとともに、これを早い段階で公開して国民の協力を求
めたことが、今回早期の検挙に結びついたものと私は考えております。防犯カ
メラは御指摘のように、まず犯罪の抑止のために大変効果があると思っており
ますけども、このほかに犯罪が発生した場合においても犯人の行動を分析し、
把握するという意味で大変大きな効果を発揮するものだと考えております。こ
の防犯カメラが今後更に積極的、効果的に活用されますように、関係の団体と
か事業者等とも連携しながら進めてまいりたいと考えております。