国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 平成24年6月14日(木)16:21~16:27

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の定例会議の状況について申し上げます。松原委員長は、国会用務のた
め途中退席でございます。委員としましては、長谷川委員以外は全員出席でご
ざいます。議題事項につきましては、「情報処理の高度化等に対処するための
刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係国家公安委員会規則の整備案等」
についての説明があり、原案どおり決定いたしました。このほか、警察庁から
報告事項についての報告がございました。

      以上でございます。

  長官にお伺いします。オウム真理教特別手配の高橋克也が、潜伏先の寮から
逃亡してちょうど10日経過しましたけれども、なかなか人混みの中から見つ
けるのは簡単ではないと思うんですけれども、現在の追跡捜査の状況と今後の
見通し等について所見をお伺いできますでしょうか。

答  (長官)オウム真理教関係警察庁指定特別手配被疑者の高橋克也につきまし
ては、今お話がありましたように、6月4日午後まで勤務先の社員寮にいたこ
とが確認されておりますけれども、その後逃走いたしまして、残念ながらいま
だ発見にいたっていないという状況でございます。今、警視庁を始め、全国警
察では専従の捜査体制を組むなどして、懸命にこの追跡捜査に当たっていると
ころでございます。合わせて、警視庁においては、この高橋克也の写真や動画、
逃走前に購入したとみられるキャリーバッグの写真といったものを迅速に公開
して国民の皆様の御協力をいただくべく努力をしております。また、全国の警
察においても迅速に手配のビラを作成して、これを配布するなどして、やはり
同様に国民の皆様の御協力を得るべく努力をしているところでございます。長
年にわたって逃走を続け、行方の分からなかった高橋克也の最新の所在が確認
されたということ、そして、また今国民の皆様の関心が大変高まっているとい
う、この今、この時点こそ高橋克也を発見・逮捕する絶好の最高の機会である
と思っておりますので、警察も全国警察を挙げて全力でこの追跡捜査に当たり
ますけれども、是非、国民の皆様におかれても、情報の提供等の御支援・御協
力を賜ればありがたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

  長官にお尋ねします。先日、大阪市のミナミの繁華街で通り魔殺人事件が起
きて、二人の方が犠牲になりました。この被疑者は、5月24日に刑務所を出
たばかりでありまして、動機も訳の分からんことを言っておりまして、それら
については大阪府警で今後、捜査で明らかにするのでしょうが、この手のいつ
どこで被害に遭うか分からないという犯罪は、非常に多くの国民にとって不安
であると思うのですが、常々、片桐長官は「犯罪の未然防止こそが肝要である。」
というふうにおっしゃっておりますけれども、この手の無差別殺傷・殺人事件
について防ぐ策について御考えがあればお願いします。

答  (長官)大変難しい御質問で、こういう事件については、事前に情報とか、
予告とかあれば別なんですけれども、なかなか決定的な未然防止対策が見いだ
せないという問題があります。いずれにしましても、鋭意捜査を続けておりま
して、事件の背景とか動機とかを含めて真相解明を図っているところでありま
して、そうした中で今後の対策にいかせるものがあるとすれば、それはいかし
ていく必要があるであろうと思っております。警察では特に秋葉原事件以後、
特定の刃物についての規制を強化する、銃刀法を改正して規制するということ
はやりました。それから刃物が使われるケースが多いですけれども、刃物の販
売店に対する協力依頼を行うということもやってきました。また、特に繁華街
ですけれども、職務質問の強化をするということもやってまいりましたし、防
犯カメラの設置促進ということについても努力をしてきたところであります。
警察としても今後できる限りの対策は講じていきたいと思っておりますけれど
も、今申し上げましたとおり、この種事案というのは、なかなか未然防止対策
というのは難しい部分があります。もし仮に、その事案の社会的な背景にまで
踏み込んで対策を講じていくべきだというのであれば、これは警察だけの力で
はなかなかできない部分もありますので、社会全体で対策を検討していく必要
があると思います。その中で警察として協力できるものがあれば協力してまい
りたいと考えております。