国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成24年9月13日(木)11:10~11:15

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。委員は、全員
出席です。議題事項については、「犯罪被害者等給付金の裁定に対する審査請
求事案の審理状況及び裁決について」、「『風俗営業等の規制及び業務の適正
化等に関する法律施行令の一部を改正する政令案』等に対する意見の募集につ
いて」の説明があり、原案どおり決定いたしました。その他、警察庁から報告
事項について報告がございました。

      以上であります。

  大臣にお伺いします。北九州で飲食店で働く女性らが切りつけられる事件が
相次ぎ、また、飲食店に「次はお前だ」と脅迫電話が相次ぐ中で、そういう暴
力団排除活動に対する事件が続いていますけれども、大臣の所見をお願いしま
す。

答  (大臣)福岡県北九州市内において、飲食店経営者の女性を刃物で切りつけ
て傷害を負わせる事件が8月30日、9月1日、9月7日のいずれも未明に連
続して発生しております。

   また、9月10日から11日未明にかけて、同じ北九州市内において、福岡
県暴力団排除条例に基づいて暴力団員の立入りを禁止する標章を掲示している
飲食店等の経営者に対して、電話を架けて脅迫する事件も発生いたしておりま
す。

   これらの事件により、福岡県民の不安が著しく高まっており、事案そのもの
の凶悪性はもとより、地域住民に与えた影響の大きさをかんがみるとき、極め
て深刻な事態であると考えます。

   これらの事件について、現在、福岡県警察において、暴力団による犯行の可
能性を視野に入れ、事件の早期解決を図るべく、鋭意捜査を推進するとともに、
事件が発生した地域の警戒に当たる警察官を補強するなどして、警戒活動を強
化しているものと承知しておりますが、私としても、地域住民の方々が早く安
心して生活することができるように警察庁を督励してまいりたいと考えており
ます。

  長官にお伺いいたします。9月17日で北朝鮮が拉致を認めて謝罪してから
10年が経過いたします。長官は、先日新潟県に行かれて、横田めぐみさんの
拉致現場を視察されて、昨日、警察庁は拉致の担当課長会議を開かれました。
今後、拉致問題に対して日本の警察はどのように取り組んでいかれるのか、長
官の所感を改めてお聞かせください。

答  (長官)言うまでもなく、拉致問題というのは警察の力だけで解決できるも
のではありません。関係する機関や団体、様々な機関・団体がございますので、
みんなが力を合わせなければいけないと思っています。そうした中で、警察が
何をなすべきかというと、やはり中心は真相の解明だと思っています。その真
相の解明ということの中でも、特に重点を置くべきなのは、未だ被疑者の特定
されていない事件が5つございますから、この事件を重点的にその解明を図っ
ていかなければいけないだろうと思っています。このほかに、拉致容疑事案と
して認定されていませんけれども、御家族等の方々から「拉致されたのではな
いか」という御相談や届出を受けている事案が多数ございますので、こうした
事案についても真相の解明を早急に行っていかなければならないと思っていま
す。

   いずれにしましても、拉致容疑事案が発生してから30年前後ということに
なって、大変長い期間が経っているわけでございまして、被害者の御家族は、
年々お歳を召されているということもございます。「一刻も早く会いたい」と
いうお気持ちを強く持っておられるということは、我々も十分に理解しており
ます。そうしたお気持ちを十分に我々も汲み取りながら、一刻も早く被害者を
救出し、こうした事件の解決が図られるように全国警察を挙げて努力をしてま
いりたいと考えております。