国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成24年10月18日(木)11:51~12:00

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の公安委員会は、まず、「人事案件について」の説明があり、原案どお
り決定いたしました。次に、関係局から報告事項について報告がございました。

      以上であります。

  長官にお伺いいたします。改正暴力団対策法が今月末に施行されまして、各
都道府県警では、特定抗争団体、特定危険団体についての指定作業を進めてい
ると思いますけれども、これにつきまして、今後、日本警察は、この暴力団対
策を、この暴対法を使ってどのように進めていかれるのか、長官のお考えをお
聞かせください。

答  (長官)改正暴力団対策法につきましては、一部を除いて、今月30日に施
行されることとなっております。現在、全都道府県警察において、施行に向け
た準備が進められているところでございます。

   近年、特に九州北部地域で、御承知のように、暴力団によるとみられる銃器
や手りゅう弾を用いた事業者等襲撃事件であるとか、対立抗争事件が後を絶た
ないという状況があります。また加えて、本年8月以降は、北九州市内におい
て、飲食店の経営者等を刃物で切り付けたり、電話で脅迫するといった事件が
連続して発生しております。暴力団情勢は大変厳しいと認識いたしております。

   警察としましては、暴力団に対して取締りを強化するほか、暴力団排除活動
に取り組む方々の安全を確保しながら、暴力団排除活動を積極的に支援するな
ど、暴力団の弱体化・壊滅に向けた取組を推進しているところでございます。
さらに、福岡県警察に対しましては、全国警察から警察官を派遣して、事件の
捜査及び警戒活動の徹底を図っているところでございます。今後は、これに加
えて、改正暴力団対策法が施行されることとなりますので、これが有力な武器
になると考えております。

   なお、暴力団という組織の壊滅を図るためには、捜査の実効性を高めること
が極めて重要でございます。現在、法制審議会の特別部会において、通信傍受
の拡大等捜査手法の高度化について検討がなされているところでございますけ
れども、今後、こうした検討が実を結ぶよう、我々としても最大限の努力を行
ってまいりたいと考えております。

  長官にお願いします。遠隔操作がされたパソコンから犯罪予告メールが送ら
れている事件が続いているんですが、これまでに逮捕された4人が誤認逮捕で
はないかという指摘があるんですが、その件について、また、犯行予告が送り
つけられていますけれども、その犯行予告に対しての所感をお願いします。

答  (長官)誤認逮捕であるかどうかということでございますけれども、現在、
捜査中でございますので、断定的なことは言い難いのでございますけれども、
真犯人でない方を逮捕したという可能性は高いと考えております。そうだとす
れば、誤って逮捕された方々に対して、関係都府県において、お詫びを含めた
適切な対応をとるというふうに考えております。

   このメールの話、所感でございますけれども、もしこれが本当に真実であれ
ば、大変卑劣な事件であると、厳正に捜査をして被疑者を検挙しなければなら
ないと考えております。

  犯行声明で警察や検察の方、遊んでくれてありがとうというような警察を少
し馬鹿にしているように取れる内容があるんですが、これに対してはいかがで
しょうか。

答  往々にして、そういう愉快犯というのはいると思いますから、あまりむきに
ならないほうがいいのではないでしょうか。

  長官に追加でお伺いします。今回の一連の事件の中で、一部捜査の過程で容
疑を認めた人もいるわけですけれども、現時点で取調べの在り方等に問題点が
あったというふうにお考えでしょうかということ、それと、今回のようにサイ
バー犯罪の捜査手法というものに何か問題点があったというふうにお考えでし
ょうか。そして、それをきっかけに今後の捜査の在り方というものを見直すと
か、そういったことは現状お考えでしょうか。

答  (長官)まず、取調べの在り方に問題がなかったかというお尋ねでございま
すけれども、現在、取調べの経緯・状況も含めて、今回の事件の捜査について、
検証を行っているところでございますので、現段階ではコメントは差し控えた
いと考えております。

   それから、今回のサイバー犯罪における捜査手法に問題がなかったと、また、
今後の捜査の在り方がどうかというお尋ねでございますけれども、これも現在、
今回の捜査状況について検証中でございますので、現段階において、この捜査
手法に問題があったかどうかというコメントは差し控えたいと思います。

   ただ、いずれにしましても、犯人特定を今以上に慎重に行うための方策とい
うものは、検討していかなければならないと考えております。

   とりあえず、当面のサイバー犯罪捜査における留意事項を近々に取りまとめ
て、各都道府県には示達をしたいと考えております。

   それから、やっぱりこういう事案というのは、何よりも発生した後にどうす
るかというよりは、防ぐということがまず大事なことでございますので、何と
いっても防止するために関係の事業者とか、関係省庁もございますけれども、
そういったところと連携をしながら、如何にこういった事案を防いでいくか、
防いでいくための態勢をとっていくかということを検討することが大事だと考
えております。

  大臣にお伺いいたします。兵庫県尼崎市のドラム缶事件で、主犯格となった
人物の周辺者から行方不明者が出ていて、遺体も発見されているようですが、
その件についての御所見と、一昨日、沖縄県内でアメリカ米兵が女性を暴行し
て、逮捕された事件で、沖縄県内では反発も強まっているんですが御所見をお
願いします。

答  (大臣)これは、兵庫県警において、関係者の供述に基づいて尼崎市内の民
家を捜索した結果、10月14日から15日、3名の遺体を発見されました。
このように承知いたしております。

   この事案については、複数の遺棄された遺体が発見され、社会的反響も大き
い事件でありまして、今後、兵庫県警において、全容解明に向けて鋭意捜査を
推進していくものと承知いたしております。

   沖縄の事件についてですが、本当に嫌な事件で、10月16日、女性が2名
の男に強姦され、怪我を負わされた事件でありますが、これは所要の捜査を実
施した結果、同日、米軍人2名を集団強姦致傷で緊急逮捕したわけであります。

   こうした重要・凶悪な事件は、被害女性の方の心身に深刻なダメージを与え
ることはもとより、県民、国民に対しても大きな不安、憤りを与えるものであ
りまして、決して許されるものではありません。

   この事件については、今後、沖縄県警において、厳正に捜査を推進していく
ものと承知いたしております。