国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成24年10月25日(木)12:01~12:11

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について報告いたします。まず、議題
事項については、「犯罪被害者等給付金の裁定、東京都、に対する審査請求事
案の審理状況及び裁決について」説明があり、原案どおり決定いたしました。
その他警察庁から報告事項について報告がございました。

      以上であります。

  大臣にお伺いします。一定の症状を呈する病気等に係る運転免許制度の提言
について、今日、大臣受け取られていましたけれども、それについて今後の方
針も含めて大臣の所見をお願いします。

答  (大臣)先程、提言を受け取りました。道路交通の安全の確保と、それから
一定の症状の病気等に対する、いわゆる両立性というか、そういう難しい問題
を藤原座長を含め、委員の皆様が議論を展開して、提言をいただきましたので、
これについて、早速、提言を踏まえて、制度設計を含めて道路交通法の改正作
業等を進めるように警察庁を督励しているところであります。

  長官にお聞きします。遠隔操作されたPCから犯罪予告が書き込まれた事件
で、4名、4件の事件について誤認逮捕だと認めて謝罪したようなんですけれ
ども、これに対するコメントと、検証結果は先週からされていると思うんです
けれども、それについてのお話いただけることがありましたら、お願いします。

答  (長官)御指摘のあったように、先般、三重県警、神奈川県警、警視庁、大
阪府警において、今般の事案で誤って逮捕した方々4名に対して、謝罪を行っ
たと聞いております。

   こういった誤認逮捕事案というのは、絶対に繰り返すことがあってはならな
いわけでありまして、そのために、現在、各都府県警察では、真犯人を逮捕す
べく懸命に今捜査を進めているところであります。

   合わせまして、今回の捜査について、逮捕に至るまでの経緯、取調べの状況、
捜査指揮の問題、また、情報技術解析等の状況について、現在検証を進めてい
るところでありまして、各公安委員会の管理の下でその指導を受けながら検証
を進めていると承知いたしております。

   警察庁としましては、こういった検証を早急に取りまとめるように指示して
いるところでありまして、今後、逐次報告を受けながら、必要があれば、必要
に応じて指導を行ってまいりたいと考えております。

  大臣にお伺いします。先程の有識者会議に関連してなんですが、有識者会議
のきっかけになったのが、昨年4月に栃木県鹿沼市で発生しましたクレーン車
事故かと思います。てんかん発作が原因とされていまして、今年の4月には御
遺族が全国の19万人ほどの署名を警察庁に提出しまして、運転免許制度の改
正を要望していた経緯があります。この事故に関しまして、大臣どのように捉
えられているか御所見をお伺いしたいと思います。

答  (大臣)大変これは痛ましい事件で、特に小学生が事件に巻き込まれるとい
うこともあり、死亡されました。ですから小学生のお子さんの御冥福をお祈り
し、また、御遺族の方には衷心によりお悔やみ申し上げたいと思っております。

   また、今もお話のように、20万人近くの署名がございまして、そういう中
で非常に反響も大きい中で、この事故の背景にある制度に対し、本当に社会の
関心が強いことは再認識いたしました。それで、今日いただいた提言を踏まえ
て、悲惨な交通事故の防止に向けた制度検討を速やかに行うように警察庁を督
励していく考えであります。

  長官にお尋ねします。徳島県警に殺人容疑で指名手配されていた小池俊一容
疑者が、先日、岡山市内で死亡いたしました。最初、岡山県警の検視の際に小
池俊一と確認ができなかったことについての考え、もうひとつは11年間逃亡
を許したことについて、警察のこの手、この種の指名手配被疑者の行方、追跡
がどうあるべきかをお尋ねします。警察庁指定の重要指名手配被疑者は、今、
まさに月間でありますが、まだ12人が確か逃亡していると思いますが、それ
も踏まえてお考えをお聞かせ下さい。

答  (長官)被疑者小池俊一でありますけれども、平成13年9月に殺人等の容
疑で全国に指名手配をして、以後、全国警察を挙げてその行方を追っていたわ
けでありますけれども、お話があったように、10月19日、岡山市内で死亡
した状況で発見されたわけであります。小池容疑者に対して、法の裁きを受け
させることができなかったことは、私としても大変残念だと思っているところ
であります。今後、この逃走の経路、実態等については徳島県警と岡山県警等
でその解明に努めると承知をいたしておりますけれども、そういった検証の結
果、得られた教訓を今後の捜査活動にも活かしてまいりたいと考えております。

   なお、小池容疑者の発見の経緯でありますけれども、小池容疑者は救急車で
病院に搬送されまして、そこで死亡が確認されたわけでありまして、病院から
警察にその際に連絡があって、警察官が現場に臨場いたしました。これは細か
い話ですけれども、検視ではございませんで、犯罪性の薄いというか、無い、
いわゆる死体見分として行ったものでございます。その際、身元については同
居の女性の申告で、その女性の夫ということでしたので、私どもそのように判
断したということでございます。写真等から見て、なかなか現場でこの捜査員
がこれが小池容疑者であるということを発見することは、実際のところ、非常
に難しかったのかなと思っておりまして、やはり写真でその逃走被疑者を追っ
ていくということは、犯行から短い期間であれば有効だと思うのですけれども、
時間が経つと先般の菊地容疑者や高橋容疑者の件もありましたけれども、大分
変わってますので、非常に難しい部分があると考えてまして、その在り方につ
いて我々はこれから更に検討しなくてはならないと考えております。ちなみに、
この事案を受けて死体取扱時における身元の確認を、単に申告のみで判断する
のではなくて、より慎重に行うように、昨日、全国に対して指示を行ったとこ
ろでございます。

  大臣にお伺いします。本年度の総合セキュリティ対策会議の検討テーマに一
連の遠隔操作犯罪に対する課題と対策が追加されましたが、この点について御
所見をお願いします。

答  (大臣)今、長官からも一部お答えしましたが、確かに今回の事件では誤認
逮捕もあり、謝罪もするという、こういう不祥事が起きました。今後、このサ
イバー犯罪捜査の課題と対策について検討するため、今お話のようにセキュリ
ティ対策会議の検討テーマを追加しました。したがって、このテーマを議論す
るために、ウイルス対策ソフト開発事業者及び学識経験者から数名程度、新た
に委員を追加して、同会議において活発な議論が行われるようにもっていきた
いと、こう考えております。