国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成24年11月1日(木)11:30~11:35

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について御報告申し上げます。委員は、
全員出席であります。議題事項については、「道路交通法施行規則の一部を改
正する内閣府令案等に対する意見の募集」について説明があり、原案どおり決
定いたしました。その他警察庁から報告事項について報告がございました。

      以上であります。

  大臣にお伺いします。サイバー犯罪が後を絶たないということで、不正プロ
グラムの解析体制を強化するということですが、その件について御所見をお願
いします。

答  (大臣)不正プログラムの解析強化の話ですが、近年、ウイルス罪の新設に
加えて、標的型メール攻撃等により、不正プログラムの解析に係る需要が増大
をしております。不正プログラム自体も巧妙化してきておりまして、その解析
には迅速性とともに、極めて高い技術力が不可欠な状況であると存じておりま
す。

   このために、今般、情報技術解析部門において、不正プログラムの解析体制
を強化することとしたものであります。

   本制度によって、今後、不正プログラム事案の解明が進むことを期待いたし
ております。

  大臣にお伺いします。今の質問と一部重なるかもしれませんが、先日、イン
ターネットバンキングの不正な画面、偽の画面が表れ、一部被害も出ていると
いうことですけれども、このことについて受け止めをお願いします。

答  (大臣)一部の金融機関のインターネットバンキングにおいて、利用者が正
規サイトにログインした後に、インターネット用暗証番号等の入力を求める不
正なページが表示される事案が発生していると承知いたしております。

   それぞれの金融機関には、多数の利用者から相談が寄せられており、偽画面
に暗証番号などを入力した預金者の口座から預金が不正送金される被害も確認
されていると承知いたしております。

   関係金融機関等と連携した被害防止対策を実施するとともに、関係都道府県
警察が連携して捜査を進め、事案の解明を図るよう警察庁を督励してまいりた
いと考えております。

  長官にお尋ねします。1997年に東京渋谷であった東京電力女性社員殺害
事件についてでありますが、無期懲役の確定した元被告について、再審が始ま
り、そこで無罪が確定する見通しとなっておりますが、この件について、長官
の御所見と、それから新たな証拠が出てきたということで再捜査の可能性も出
てきていると思いますが、今後の捜査について、御所見をお願いします。

答  (長官)本件、いまだ再審中でありますので、コメントは差し控えさせてい
ただきたいと思います。一般論として申し上げれば、警察は、いかなる事件に
ついても、捜査を尽くして、その事案の真相解明に当たらなければならないと
考えています。そのためには、緻密かつ適正な捜査を行うということが必要で
ございまして、警察としては、従来からそうした考え方、やり方で捜査を進め
てきたと考えています。

   ただ、他方で科学技術の進歩ということがございますので、そして、それに
よって今まで不可能なことが可能になるということもありますので、そういっ
た捜査に役立つような新しい技術というものを積極的に取り入れて活用して、
捜査の高度化を図っていかなければならないと考えております。