国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成25年1月24日(木)11:55~12:03

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  国家公安委員会定例会議の状況について御説明を申し上げます。今日は、
全員出席でございまして、片桐長官がフィナーレを飾る国家公安委員会でご
ざいました。まずは、議題事項につきましては、「風営法第20条第5項の
規定による指定試験機関の指定及び風営法第20条第5項に規定する指定試
験機関を指定する規則の一部を改正する規則案」について説明があり、原案
どおり決定いたしました。その他警察庁から報告事項について、報告がござ
いました。

      私、昨日、福岡に出張してまいりました。その目的は、暴力団対策を徹底
するということでございます。まず、最初に元警部が襲撃をされた現場の前
に行きましたけれども、閑静な住宅街なんですよね。あそこで昼中に発砲事
件がある、一歩間違ったら間違いなく市民が巻き込まれますね。そういう現
場でした。ちょっと信じられない事件が発生しているなと。その後、繁華街、
健全な繁華街ですよ、その中で放火だとか手りゅう弾、あるいはけん銃によ
る襲撃等々が本当に狭い地域で数多く起きました。その現場も行ってまいり
ました。その後は、各県から応援団が来ていますね。ちょうど福岡北九州で
は、その時は四国4県とか、近畿管区、あるいは中部管区から応援が来てい
まして、激励させていただきました。皆さんの非常に目つきが印象的でした。
使命感を持って一生懸命にやっているという、そういう使命感をひしひしと
感じました。これこそ警察のあるべき姿だなという印象を持ちました。昼に
は、小川知事、あるいは福岡、北九州の両市長からも御要望を受けさせてい
ただきまして、既に皆さんにも一部は報告していますけれども、人員の増員、
25年度の予算では、予算が通りましたら100人、福岡県警に増員をした
い。あるいは、県外からの応援については、150人プラスをするであると
か、それからしっかり厳しく徴税をしていかなくてはいけませんので、国税
に対して、現場の刑事等々が国税にも入っていますから、やはり幹部が入ら
ないとそこの意思疎通が上手くいきませんので、そういった対応もさせてい
ただくというようなことで報告をさせていただきました。知事からは、やは
り防犯カメラ等々が大変効果がある、是非これの充実というのをしていただ
きたいという趣旨の話もございました。また、昨年の12月27日に危険指
定と抗争指定しましたので、これは非常に効果が上がっています。こういう
ような報告も知事だけではなくて、警察関係者からもいただきました。その
後、久留米にも行きまして、久留米の警察署で、これは初めての試みなんで
すね、近隣の熊本、佐賀、長崎県警と連携して、県を跨いで捜査協力ができ
る、15キロということですけれども、これによって、私、現場の捜査課長
に寄っていただきまして、話を聞きました。そうしたら、今まではどうして
も県外に逃げてしまうとフォローがやりきれないところがあったけれども、
これで非常に連携ができる、これは非常にいいシステムだというような評価
をいただきましたので、今後とも、この連携の更なるブラッシュアップとい
うのをしていかなくてはいけないのかなと、こんな印象を持った次第であり
ます。いずれにしても、この暴力団対策は、特に一般市民を巻き込んでいる、
もう常軌を逸した行動でありますので、総理からも「壊滅作戦を実施しろ」
とこういう強い要請も受けております。私も国家公安委員長として、この暴
力団対策は、重要な柱に掲げておりますので、この徹底をしてまいりたいと
改めてそういう認識を持ちました。

      以上であります。

  大臣にお伺いします。昨日、北九州を視察して一番印象に残ったこと、そ
れと、工藤會が特定団体指定について、取消を求める訴訟を起こしているこ
と、これについて所見をお願いします。

答  (大臣)印象については、やはり閑静な住宅街で発砲事件を起こすなんて、
これは言語道断です。それから、例えば暴力団排除のステッカーを貼ってい
るお店、これはそういう意味では勇気もあるし、はっきりしているお店で、
立派です。そういうところにターゲットを定めて、いろんな襲撃をするとい
うこと、これも私は許し難い行為だと思います。警察だけではなくて、市民
を挙げて、県を挙げて、関係者を挙げて、この暴力団の壊滅作戦を進行して
いかなくてはいけないなと改めて思いました。

   それから、福岡県と山口県を被告とした訴訟が出ている。これは話を聞い
ておりますけれども、両県において適切に対応されるんだろうと思っており
ます。まだ、両県も、訴状をほとんど見ていない。まだ来ていないんですか
ね。まだ見ていないということなので、これ以上はなんともコメントのしよ
うがありませんけれども、適切に対応してくれるんではないかと考えており
ます。

  長官に御質問します。警察官の早期退職が地方自治体で相次いでいる問題
ですけれども、治安の面で一部不安視する声もありますが、長官の御所見を
聞かせて下さい。

答  (長官)報道で承知しているんですけれども、相次いでいるかどうかとい
うのは具体的にはまだ承知していませんけれども、退職手当条例が施行され
る前に早期退職者が出ていることは伺って、承知はしています。各都道府県
警察においては、そういったことがあっても、治安の確保ということについ
て間隙が生じることがないように、例えば再任用であるとか、そういうこと
も含めて人員措置を講じるとか、といった所要の措置が講じられると考えて
おります。

  長官にお尋ねします。法制審の特別部会が新しい刑事司法制度改革につい
て、先日、基本構想案を発表いたしました。最大の眼目である取調べの可視
化については、裁判員制度対象の事件の全課程の録音・録画を義務化する。
それから可視化の範囲は調べ官の裁量の範囲に任せるというのが柱でした。
それから新しい捜査手法では通信傍受の対象の拡大もきちんと議論するとい
うふうになったわけでありますが、これについての長官のお考えをお聞かせ
下さい。

答  (長官)先般の法制審の特別部会、第18回の部会でございますけれども、
ここで新たな刑事司法制度を構築するに当たっての検討指針や、そのための
具体的方策の在り方について取りまとめた基本方針案が示されたことは承知
をいたしております。今後これから、これに沿って作業グループが設けられ
て、具体的な議論、検討が行われると聞いておりますので、警察としまして
は、第一次捜査機関として今後とも警察捜査の実情を踏まえた審議が行われ
るように、積極的に議論に参加してまいりたいと考えております。