国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 平成25年2月7日(木)12:16~12:19

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。古屋委員長
は、国会用務のため欠席されました。委員は、前田委員以外出席です。警察
庁から報告事項について、報告がございました。

      以上です。

  長官にお尋ねいたします。東日本大震災の復興・復旧、それから福島第一
原発の復興・復旧を巡る事業で、先日、山形県警が除染事業に絡んで住吉の
組員を逮捕しました。昨日は、警視庁が宮城県の瓦礫除去を巡って、詐欺事
件で山口の元幹部らを逮捕しました。この一連の復旧事業にどうもヤクザは
資金源確保の道を探ろうとしておりますが、現状についての長官の受け止め
とこの対策についてお尋ねいたします。

答  (長官)御指摘の事案は、昨年11月に住吉会傘下組織の暴力団幹部が、
厚生労働大臣の許可を受けないで、福島県伊達市内で実施された除染事業に
労働者3名を派遣して、除草等の放射線除染業務に従事させて、労働者派遣
事業を行ったというものでありまして、1月31日に山形県警が労働者派遣
事業法違反で被疑者を逮捕、立件いたしました。もう一つの事案につきまし
ては、警視庁が立件したというところであります。

   東日本大震災の発生後から現在まで、暴力団が復旧・復興事業に労働者を
違法に派遣したということで検挙された事件は、今の御質問の事件も含めて
5件あります。それ以外に暴力団が復旧・復興事業に介入した事件が3件あ
りまして、更に復旧・復興事業への介入ではありませんけれども、例えば、
被害者支援制度の悪用だとか、金融機関の特例払いの悪用だとかといったそ
の他の事案も含めますと、暴力団がこの復旧・復興関連で検挙された事件と
いうのは全部で39件あります。

   暴力団が違法な労働者派遣を通じるなどして復旧・復興事業に介入して、
これを資金源としていたということは、暴力団対策の観点からも由々しき問
題であると認識しております。警察庁としても、更に取締りを強化するとと
もに、こういう実態を踏まえて、関係省庁と連携しつつ、復旧・復興事業の
実施の適正確保について協力してまいりたいと考えております。