国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成25年2月14日(木)12:06~12:15

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  今日の国家公安委員会定例会議の状況について御報告を申し上げます。委
員は、全員出席でございます。議題につきましては、まず「人事案件」が1
つ目、2つ目は「犯罪被害者等給付金の裁定に対する審査請求事案の審理状
況及び裁決について」、3つ目「『道路交通法改正試案』についての意見の
募集、パブリックコメント」についての説明がございました。以上でござい
まして、すべて原案どおり決定いたしました。その他警察庁から報告事項に
ついて、報告がありました。

      また、委員の方から一点指摘がございました。それは、スピード違反の取
締りを含む交通違反の取締りの在り方につきまして言及がございました。本
当に交通事故防止のための取締りが本当に行われているのかどうか、こうい
うことについて検証する必要があるのではないか、こういう趣旨の発言でご
ざいまして、交通局を中心にそれを引き取り、検討するということに相成り
ました。

      以上です。

  大臣に伺います。北朝鮮が核実験を行いましたが、今後の対応と大臣の所
見をお願いします。

答  (大臣)今回、3回目の実験ということですけれども、こういう実験を国
際社会が強く制止を求めていたにもかかわらず強引に実行したということは
極めて遺憾でありまして、我々としては断じて容認することはできない。こ
れは、昨日、総理の声明でも述べていたとおりでございまして、警察庁とし
ては、警備局長を長とする警察庁対策本部を速やかに立ち上げております。
また、都道府県警に対して政府関連施設とか、重要施設の警備の徹底、それ
から、右翼であるとか、朝鮮総聯に係る情報収集の強化を改めて指示をさせ
ていただいております。今後とも、関係機関としっかり連携して、北朝鮮に
関する情報収集の強化、また、重要施設の警備の強化を徹底してまいりたい
と思っています。

  長官にお伺いします。悪質な運転をする自転車の運転者に対する講習義務
化等を盛り込んだ「道路交通法改正試案」がまとまりましたけれども、長官
の所感をお伺いできますでしょうか。

答  (長官)本日の国家公安委員会におきまして了承を得ましたので、パブリ
ックコメントの手続に今から入ります。内容につきましては、1つは、一昨
年、栃木県鹿沼市でありましたような事故等を踏まえまして、一定の病気等
に係る運転免許制度の在り方、これにつきまして、公安委員会の質問制度、
あるいは虚偽回答に対する罰則整備等を定めるということであります。それ
から、2つ目は、昨年の京都府亀岡市での事故等を踏まえまして、無免許運
転に対する罰則の引上げ等について定めるというものであります。それから、
3つ目が先ほど御質問にありましたように、自転車運転者のルール違反を指
摘する声が後を絶たない状況から、悪質危険な交通ルール違反をした自転車
運転者の危険性を改善するための方策としまして、悪質危険な違反を反復し
た者に対する講習の導入等の仕組みを定めるというものであります。現下の
道路交通を巡る様々な問題点につきまして、その改善を図るこの改正案であ
りますので、警察庁としては、今後、パブリックコメントでいただいた御意
見も参考にしながら、速やかに改正案を取りまとめて、内閣として国会に提
出するべく作業を進めてまいりたいと考えております。

  長官にお尋ねします。パソコンの遠隔操作による犯行予告事件で警視庁な
どの合同捜査本部がこの10日に30歳の男を逮捕しました。遠隔操作を巡
っては、去年、4つの警察本部で4人を誤認逮捕するということがありまし
たが、それを踏まえて今回の逮捕、それから今後のサイバー犯罪対策につい
て長官の考えをお聞かせ下さい。

答  (長官)この案件につきましては、警視庁、神奈川、三重、大阪の4都府
県警察で合同捜査本部を立ち上げておりまして、今回の逮捕は、昨年の8月
9日に、東京都内で開催されたコミックマーケットのイベントを妨害しよう
として、遠隔操作ウイルスに感染したパソコンを遠隔操作してインターネッ
ト掲示板内に、「今週末コミケでマジで大量殺人をする」等の書き込みをし
た威力業務妨害容疑で、先日2月10日被疑者を逮捕したものでございます。

   一連の犯行予告事件に対しましては、この合同捜査本部がこれまで膨大な
ログ、通信履歴の捜査、それから犯行に使用されたウイルスの解析、海外の
捜査機関との連携、民間事業者との連携等を通じまして、捜査を強力に推進
してまいりました。

   本年1月に入りまして、真犯人と思われる者からのメールを契機に、江ノ
島の防犯カメラ等の分析の捜査も推進して、各種のサイバー捜査の結果等も
含めて被疑者を特定し、この度の逮捕に至ったものと承知をしております。

   今後、合同捜査本部にあっては、法と証拠に基づいて、厳正、適正に捜査
を推進し、この一連の事件の全容解明に努めてもらいたいと思っております。

   それから、警察庁におきましては先般、1月16日でありますが、これら
一連の事案によって明らかになった課題を踏まえて、サイバー空間において
今後起こり得る様々な事態に対処できるように、当面緊急に推進すべき施策
を取りまとめた「サイバー犯罪対処能力の強化等に向けた緊急プログラム」
を策定したところであります。今後、このプログラムを着実に実行して、サ
イバー犯罪捜査部門のみならず、一般の捜査員、捜査幹部も含めてそのレベ
ルアップを図り、ハッカーとの連携を含む民間との協力関係の構築を推進し、
さらには国、地方の警察職員の増員、必要な予算の確保等を通じまして、現
下のIT技術の進歩に伴うサイバー犯罪の態様の変化に、適切に対応できる
ようにしてまいりたいと考えております。

  大臣が会見冒頭におっしゃられましたが、具体的に、交通違反、事故防止
の取締りを今後どうするのか伺います。

答  (大臣)実際、よく車を運転される方は、走っておりますと速度違反の取
締りがございますよね。いつも同じ様な場所で(取締りを)していて、そし
て、県内の人はみんな場所を知っているけれども、県外の人は知らない。そ
れで、かなり広い道路でもやっている。本当に交通事故防止の視点から取締
りをやるということは絶対必要です。しかし、本当にそれがそういうふうな
形になっているのかどうか、ちょっとそこについては、疑問なしともしませ
んね、という趣旨の言及が(委員の方から)ありました。

   警察としてはできるだけ交通事故の数を減らしていく。特に速度違反とい
うのは、かつてと比べると、大分減ってきておりますけれども、やはり速度
超過というのは、事故の重要な要因の一つでもあります。しっかり今後とも、
交通事故抑止のための取締り、これはスピード違反に限りませんが、効果的
なことをしていかなければならない。そういった検証をしていく必要がある
んではないか、ということで私からも交通局長に対してしっかりその検討を
するように、そして、ファクトベースとしてのデータもしっかり集めるよう
に、との指示をさせていただきました。