国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成25年2月21日(木)11:06~11:11

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  今日の国家公安委員会定例会議の状況について御説明申し上げます。委員
は、全員出席でございました。議題事項については、人事案件について原案
どおり決定。また、警察庁から報告事項について、報告がございました。今
日は、以上でございます。

      それから、1点、報告事項の中で警察署長の業務の見直しについて御報告
がありまして、委員からは、やはりそういった見直しは必要であろうと、署
長があまり細かいところまで全部対応することよりも、むしろ本当に警察署
長としてのしっかりとした判断を伴うもの、責任を伴うものに取り組んでい
く、そういう意味では非常にいいことではないかと、こういう視点でござい
ました。だから、業務をそうやって見直していくということは、決して業務
を軽くさせることではないという非常に前向きな良い視点がありましたので、
御報告を申し上げます。詳細は、必要に応じて長官の方から補足説明がある
と思います。

      以上です。

  大臣に伺います。昨年中の少年非行情勢が発表され、特にいじめに起因す
る事件の検挙・補導が大幅に増えている状況ですけれども、これについての
大臣の受け止めと今後についてお聞かせください。

答  (大臣)データ上はぐっと増えています。でも、それはいじめの絶対件数
が、実態が増えたということではなくて、むしろ、やはり警察に御相談され
るケースが増えたということだと思います。これは、例の滋賀の事件もあり
ましたけれども、そういったことも影響していると思います。それから、も
う1点、安倍内閣になりまして、いじめ対策についても重要な柱として取り
組んでいますけれども、第一義的には学校現場が対応するものですが、いじ
めの範ちゅうを超えたもの、犯罪性の高いものについては、警察も学校関係
者と連携しながら、しっかり対応していくというのが基本方針でございます
ので、そういった取組をこれからもしっかりしていくということになると思
います。これは、結果としていじめを減らしていくという効果があると私は
思っています。数字が増えたということは、私が今申し上げたような要因が
あるんだろうと思います。

  長官にお尋ねします。取調べの適正化の関係でありますけれども、監督対
象行為となった件数が昨年は39件。数年前に始めた制度でありますけれど
も、年々増えているのが気になるのでありますが、この結果についての長官
の受け止めをお聞かせください。

答  (長官)平成24年中、監督対象行為として確定した事案数は、昨年と比
較して、プラス8件、39件になっております。このことからは、取調べ監
督制度がおおむね有効に機能していることを反映していることがうかがわれ
ますが、一方で、いまだこの制度が全ての捜査員に徹底しているとまでは言
い難いという状況をうかがわせるところであります。

   今後とも、監督対象行為の発生状況を踏まえまして、取調べ監督部門、捜
査部門など各部門の連携による指導教養を繰り返し行うなどして、捜査員の
意識改革とこの制度への理解を徹底し、被疑者取調べの適正化を図ってまい
りたいと考えております。

   (長官)会見冒頭、大臣から署長業務の見直しについてお話がありました
ので、ちょっと、補足をさせていただきたいと思います。警察署長、私も警
察署長をかつてやっておりましたが、署長というものは管内の安全安心を確
保するために管内の実情に応じて治安戦略を策定し、署内の各級幹部に対す
る指揮監督を行い、部下職員の士気高揚を図り、そして、地域住民や関係団
体、関係機関との良好な協力関係を構築するという重要な責務を担っており
ます。しかしながら、昨今、警察事象の増大に伴って警察署長の役割が多様
かつ広範になっていることから、これまで警察署長に集中しておりました決
裁等の事務仕事、これについて見直しを行いまして、それぞれの各級幹部に
責任を持たせ、そして、署長がこれらを監督することによって警察署におけ
る適正な業務運営を確保するとともに、署長としての実質的な指揮監督機能、
署長としての実質的な役割の強化を図るという趣旨でございます。