国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 平成25年5月16日(木)11:46~11:49

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。古屋委員長
は、国会用務のため欠席です。委員は、全員出席です。議題事項については、
「国家公安委員会に対する審査請求事案の裁決」について説明があり、原案
どおり決定いたしました。その他警察庁から報告事項について、報告がござ
いました。

      以上です。

  長官にお尋ねします。サイバー攻撃についてでありますが、本日付けで警
察庁にサイバー攻撃分析センターを新設して、更にサイバー攻撃への備えは
尽くしたわけでありますけれども、改めて狙いと今後の運営についてお尋ね
します。

答  (長官)我が国の治安は、刑法犯認知件数が10年連続して減少するなど、
現実空間の中では安全度が一定程度改善されたとみております。一方で、サ
イバー空間の安全度という点については、年々、深刻化しております。サイ
バー犯罪の検挙件数がこの10年で約4.5倍と急激に増加しておりますし、
手口も巧妙化・悪質化しております。一昨年来、その脅威が顕在化しました
標的型メール攻撃、これは年間1,000件を超えるペースでありますし、
手口がますます巧妙化しております。また、DDoS攻撃も活発に行われて
いるという状況にあります。

   警察庁におきましては、サイバー犯罪、サイバー攻撃への対処能力を大幅
に向上させるために、本年1月、捜査員の技術・知識の底上げや民間の知見
の活用等を内容とするサイバー犯罪対処能力の強化等に向けた緊急プログラ
ムを策定したところであります。サイバー攻撃に対しましては、平成25年
度当初予算の成立を受けまして、本日、サイバー攻撃対策官とサイバー攻撃
分析センターを設置いたしました。既に、先月、13都道府県警察にサイバ
ー攻撃特別捜査隊、それから、この度体制を増強したサイバーフォース、こ
ういったものと今回設置いたしましたサイバー攻撃対策官、サイバー攻撃分
析センターが緊密に連携してサイバー攻撃に対処する、こういう体制が一定
程度整ったところであります。

   しかしながら、サイバーの世界では、技術進歩は日進月歩でありまして、
警察としても不断の努力を怠れば、立ち所にその有する技術、装備は陳腐化
してしまいます。その意味で今回の体制整備に満足することなく、一層の技
術の向上と装備や人材の充実、更には組織体制の見直しを進めて、サイバー
空間の安全確保に努めてまいりたいと考えております。