国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成25年6月13日(木)11:28~11:37

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について御報告を申し上げます。委
員は、全員出席でございます。議題事項については、「人事案件」について
説明があり、原案どおり決定させていただきました。また、警察庁から報告
事項について、報告がございました。

      私からは、以上であります。

  大臣に伺います。サッカーのワールドカップの雑踏警備で活躍した「DJ
ポリス」に、今日、警視総監賞が出されるということですが、それについて
大臣のコメントがあればお願いします。

答  (大臣)メディアでも話題になり、ユーチューブ等で実際どういったこと
をやっているのか、かなり詳しく出ていました。若者の心を捉えながら、上
手に誘導しており、安全にも繋がります。私は、非常に良いことで、他の警
察官にとっても大変な励みになると思っています。結果として、あれだけ多
くのサポーターが出てきながら、皆さんがルールを守って対応されたという
ことですから、その成果はあったと思います。ただ、若い警察官ですので、
是非、皆さんにお願いですけれども、あまり持ち上げるということではなく、
この機動隊というのはチームであって、チームに何百人もいて、それぞれみ
んな役割分担をしていますので、静かに見守っていただければと、こんな気
持ちでございます。

  長官にお尋ねします。この度、民間セキュリティコンテスト、「SECC
ON2013」に警察庁としても後援すると聞いております。今回の後援の
意義と今後のセキュリティコンテストにどのように関与されていくのか、長
官の所見をお願いします。

答  (長官)セキュリティコンテスト2013、これは我が国における情報セ
キュリティの人材のすそ野の拡大とレベルアップを図るとともに、国際的に
も第一線で活躍できる人材を輩出するということを目的として開催されるも
のであります。近年、御案内のとおり、大規模なサイバー攻撃や不正プログ
ラムを使用した事案など、情報セキュリティを脅かす事例が相次いで発生し
ております。あらゆる企業、組織が深刻な被害に遭う危険にさらされている
ところであります。こういうセキュリティコンテストの開催によって、日本
における情報セキュリティ分野の優秀な人材が育成されることは、サイバー
空間の治安向上という観点からも好ましいことであり、警察庁としても大き
な意義があるものと考えております。そういったことで、セキュリティコン
テスト2013を後援することといたしました。警察庁としては、こうした
コンテストが更に発展し、人材の発掘にも繋がるということを期待して、今
後とも必要な支援、連携を行ってまいりたいと考えております。もともとこ
のセキュリティコンテストについては、従来からハッカーの技術的動向の把
握という観点から警察庁はこれまでも関心を持って、情報の収集に努めてま
いりました。今後は、この情報セキュリティ技術者のスキルの高度化という
観点から、自己研鑚の一環として、警察庁職員の有志がチームを組んで参加
するということについても推奨していきたいと考えております。

  長官にお尋ねします。警察改革の精神の再徹底ということで、各種の対策
を推進されていると思いますが、最近になって再び、大阪府警ですとか、神
奈川県警ですとか、証拠隠滅あるいはDV、ストーカー被害者への対応をめ
ぐる不祥事といったものが相次いで明らかになっていますけれども、これに
対する御所見と今後の対策についてお伺いします。

答  (長官)今、御質問の中にあった事案については、大阪府警察、神奈川県
警察において事実関係等の究明がなされ、調査結果に基づいて厳正な対処を
すると承知しております。警察においては、非違事案の防止と、それから様
々な事件に的確に対処して国民の安全・安心を守ることができるように、既
にこれはもう実施を開始しておりますが、今御質問の中にあった警察改革の
精神の再徹底、そのための実現すべき施策、更にそれに加えまして、警察署
を中心とした業務の合理化・見直し、それから現場の士気の高揚等の対策を
進めているところであります。今お尋ねのような事案も踏まえまして、これ
らの施策が上滑ることなく現場にしっかりと根付くように、着実にその取組
を進めてまいりたいと考えております。

  長官にお尋ねします。福岡の指定暴力団についてでありますが、道仁会と
九州誠道会が長きにわたって抗争を続けておりました。一般市民の犠牲者も
出ましたが、先頃、11日にこの両団体が福岡県警に抗争は終えたと、片一
方の誠道会は解散届を出しました。これは偽装の解散なのか、あるいは本当
に抗争を止めたのかよく分からないところでありますが、この件を長官はど
う受け止めておられるかをお伺いします。

答  (長官)九州北部におきまして、平成18年以降、道仁会と、そして道仁
会から別れた九州誠道会の対立抗争が続発しておりました。昨年、暴力団対
策法を改正いたしまして、特定抗争指定暴力団等の制度を新設いたしました。
そして、昨年12月27日に、この改正暴対法に基づき福岡県、それから関
係県の公安委員会がこの両団体を特定抗争指定暴力団等として指定したとこ
ろであります。この改正暴対法を適用した後は、新たな対立抗争事件の発生
はなく推移しております。そうしたところ、今御質問にありましたように、
6月11日、この両団体のそれぞれの幹部組員が福岡県の久留米警察署を訪
れまして、九州誠道会の解散、そして抗争の終結を宣言するそれぞれの内容
の文書を提出してまいりました。しかしながら、過去にもこの両団体の抗争
につきましては、終結宣言が出されたこともありましたが、その後も抗争は
続いてきたという経緯があります。この文書の提出をもって直ちにこれで対
立抗争が終結したと即断することは適当ではないと考えております。ただ、
このような文書を提出するに至った背景としては、改正暴力団対策法に基づ
く規制強化が実効を上げているんだろうと考えております。今後、この福岡
県警察、それから関係県警察でこの両団体から提出された文書の内容の事実
確認を慎重に行って、真に対立抗争が終結したかどうかを見極めた上で必要
な対応をとっていくということになろうと思っております。

  先ほどの「SECCON」の関係で、一点確認をお願いします。警察職員
に出場を推奨されたりというのは、今回の大会からですか。

答  (長官)私としては今回の大会から参加してほしいと思っているのですが、
一つは、警察職員の、特に情報通信関係の職員の、極めて重い業務負担の中
で、多忙であって、その準備が整うかどうかということは分かりません。情
報通信局長には、尻込みすることなく参加させてやれというように指示して
おります。かなり広く、これのパンフレットなどを部内に配って、参加者を
募っていきたいと考えております。