国家公安委員会委員長(代理)記者会見要旨

1 日時 平成25年7月11日(木)11:36~11:40

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について申し上げます。古屋委員長
は、海外出張のため欠席です。委員は、全員出席です。議題事項については、
「五代目共政会、七代目合田一家、六代目会津小鉄会及び四代目小桜一家の
指定の確認」について説明があり、原案どおり決定いたしました。その他警
察庁から報告事項について、報告がございました。

      以上です。

  長官にお尋ねします。上半期の刑法犯認知の状況がまとめられましたが、
11年連続の減少、年間を通じてもこの十数年減っております。一方で、い
ろいろな意識調査だと、国民の一部が治安に不安を感じているという状況も
ありますけれども、こういった実態について、あるいは、今後の警察の対策
についてお願いします。

答  (長官)本年上半期の刑法犯認知件数は、62万3,841件で、前年に
比べて約6.3パーセントの減少であります。刑法犯認知件数は、平成14
年に戦後最高を記録いたしましたが、昨年まで10年連続して減少しており
まして、本年もこの上半期統計からいけば、年間統計としても昨年より更に
減少する可能性は高いと見ております。

   こういった成果は、警察のみならず、自治体、関係団体、地域住民の皆様
による官民挙げての犯罪抑止対策の強力な推進と、警察官増員や防犯カメラ
の設置といった治安基盤の整備充実がもたらしたものと考えております。

   このように我が国の治安は一定の改善をみたと考えますが、いくつかの懸
念材料があります。第1は、新たな治安上の脅威が現れているということで
あります。現代型の犯罪の典型の一つであります振り込め詐欺を始めとする
特殊詐欺、これにつきましては、強力な対策を推進した結果、平成21年に
ボトムを記録いたしました。その後、反転上昇いたしまして、昨年はついに
被害額で過去最高を更新し、本年5月までの統計でも昨年を更に上回る勢い
であります。それから、サイバー空間の脅威、これは年々深刻化しておりま
して、サイバー犯罪の検挙件数、それから、各種のサイバー攻撃の悪質巧妙
化、それぞれ悪化をしております。インターネットバンキングに係る不正送
金事案の被害額は、6月に入りまして急増いたしております。今月に入りま
して、遂に2億円を突破しておりまして、既に昨年1年間の被害額を大幅に
上回っている状況であります。懸念材料の2つ目は、刑法犯認知件数の減少
にかかわらず、社会に内在する秩序維持機能の低下、犯罪インフラの拡大、
捜査の困難化といった治安基盤に影響する諸条件が依然として継続している
ことであります。それから、第3は、今御指摘のように、安全面の改善に比
べて、安心の確保に至っていないということであります。

   警察としては、犯罪抑止対策を引き続き強力に推進するとともに、新たな
治安上の脅威に対する対処能力を向上させ、更には特に人身被害を生じる犯
罪に対する的確な事態対処を行って、国民の安全安心を確保するように努力
してまいりたいと考えております。