国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成25年8月30日(金)10:22~10:33

2 場所 内閣府本府1階会見室

3 概要  今日の閣議においては、北朝鮮の制裁措置について閣議決定いたしました。
今年の2月の日米首脳会談もございまして、北朝鮮に対する制裁につきまし
ては、日米で協議を重ねてきております。その結果、国連安保理の決議の趣
旨に則りまして、事実上の我が国の独自制裁ということになると思いますが、
北朝鮮の核関連活動等に関与する9団体及び2個人に対して、資産凍結等の
措置を講じるための国内法上必要な手続をとらさせていただきました。具体
的には、9団体、2個人に対して、外為法に基づきまして、支払規制、資本
取引規制を本日30日から実施するということであります。安倍総理も4月
にコーエン財務次官とも会談をいたしておりますが、このことについて米国
も今日30日に評価するという発表をすると承っております。今後とも日米
がしっかり綿密な連携をとりながら実効性のあるこういった対処を実行して
いくということが極めて大切だと思っております。

  制裁についてなんですけれども、これまで日米で協議を重ねてきてという
お話しだったんですが、特定の、これを受けてのものというのは何ですか。

答  国連決議の趣旨がありますよね。国連決議が何度も出ています。具体的に
は、例えば国連決議1817とか、ずっと3回出てきていますので、それの
趣旨に基づいて我々が日米ともに連携しながら、そして、今回はこういう形
で9団体並びに2個人の制裁を発表させていただいたということでございま
す。

  北朝鮮への制裁措置についてなんですけれども、北朝鮮側に対してはどの
ようなことを大臣として求めるのか、制裁措置をもってしてどう変わってほ
しいとかありますか。

答  これは我々の基本方針なんですよ。やはり北朝鮮に対しては、圧力、制裁
を強化する。そして、その目的は、やはり拉致問題解決、対話を引き出すた
めの取組でございまして、歴史的な教訓としてそういう取組をしていくこと
が効果があるということは私たち十分認識いたしておりますので、その一環
としてこういった制裁の強化をさせていただいたということであります。今
後も関係者と連携しながら必要なものについては、速やかに適切に対応して
いくということに尽きます。

  COIの調査が始まってはいるんですけれども、今日、夕方に総理と約3
0分間、委員と会われます。表敬なんですけれども30分と非常に長い時間
なんですけれども、これはやはり総理の拉致への強い思いの表れということ
でよろしいんでしょうか。

答  やはり人権委員会の方も総理との面会は希望されていたようでございます
し、今御指摘のように総理は、やはりこの問題、私何度も申し上げています
ように、国会議員で一番思い入れの強い議員が総理大臣でございますので、
しっかり自らの考え方というものをカービー委員長始め、来日している委員
に伝えるというのが目的だと承知いたしております。

  カービー委員長がいろいろなところで北朝鮮と拉致問題を解決するために
何か新しい方策をみんなで考えていきましょうみたいなことを言っているん
ですけれども、大臣も非公式の面会などをする中でカービー委員長からそう
いった要望はあったんでしょうか。それで大臣が何かお答えになったんでし
ょうか。

答  カービーさんは、公式の場でも言っていますし、またヒアリングの中でも
そういった趣旨の発言をしているとよく承知しています。だからこそ我々は
とれる手段はすべて考えて実行していくと、私はそれを申し上げているわけ
でありまして、その考え方とカービーさんの考え方はある意味一致している
と思います。

  キング特使と先日会われたと思うんですけれども、日米で情報の連携強化
とか改めて確認したと思うんですが、ほかにどのようなことを非公開の場で
は話をされたんでしょうか。

答  キング特使がぶら下がって、皆様に発表されたと思いますが、それ以外の
ことについては、私から特に言及するということは差し控えさせていただき
たいと思います。基本的には、日米の連携ということであります。それから
もうメディアにも出ておりますが、キング特使はケネス・バイ、ケネス・ペ
と言うんですか、バイ、英語で言うと「BAE」、この人間のリリースの要
求のためにも北朝鮮に行くということであります。そういったことを受け入
れるということ自身が、やはり北朝鮮が変化というものを感じとることがで
きるのではないでしょうか。

  バイの会議、日本としても積極的に北朝鮮側に訴えかけていくとおっしゃ
っていますが、米朝のその関係改善というはもちろん拉致問題の改善に資す
ると。

答  アメリカは、常に日本の拉致に対する考え方はよく承知していると。そし
て、徹底的に協力すると、4月のケリー国務長官が来日をしたときにもその
趣旨のことは今までよりも踏み込んで言っていますよね。当然、米国、北朝
鮮との、もし対話なり会談があるときには、当然のことながら私たちのスタ
ンスについては伝えると承知いたしております。

  シリアの情勢が危なくなってきて、米国も北朝鮮の拉致に関わる余裕がな
くなるんではないかという指摘も一部にあるようなんですが、その辺り大臣
はいかがですか。

答  これは総理がついこの間中東で会見して正式に証明しています。官房長官
も発表しています。それに尽きると思います。