国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成25年10月31日(木)11:26~11:32

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  本日の国家公安委員会定例会議の状況について御報告申し上げます。髙木
委員を除きまして、出席でございます。議題事項については、「配偶者暴力
防止法の一部を改正する法律の施行に伴う関係国家公安委員会規則の整備に
関する規則案に対するパブリックコメントの募集」、「行商従事者証等の特
例様式の承認及び告示」について説明があり、原案どおり決定いたしました。
その他に警察庁から報告事項について、報告がございました。

      私からは、以上でございます。

  大臣にお尋ねいたします。東ティモールへのJICA短期専門家として警
察官2名を派遣することに関しまして、大臣の所感をお願いいたします。

答  (大臣)東ティモール政府から我が国に対してコミュニティ・ポリーシン
グ、いわゆる交番制度についての支援の要請がございまして、我が国からは
警察官2名をJICA短期専門家として派遣をさせていただきます。

   今回の東ティモール国家警察への支援は、既にコミュニティ・ポリーシン
グを推進しているインドネシア国家警察とも協力して行うものでありまして、
日本の警察らしさをしっかり国際貢献でも生かしていきたいと思っておりま
す。派遣される専門家の活躍を期待いたしております。

   なお、かつてはシンガポールにも交番の支援をして、交番という日本語で
親しまれてきました。最近は名称が変わったようですけれども、日本が生ん
だこの治安のためのコミュニティ・ポリーシングの典型が交番です。交番と
いう言葉が世界各国で使われていくということが望ましい、期待したいと思
います。日本が生んだ治安のすばらしい制度だと思いますので、是非、交番
の名前をずっと海外でも使っていただきたい、こんな気持ちでございます。

  長官にお尋ねします。今日まで「東アジア地域組織犯罪対策代表者会議」
が東京で開かれております。日本も組織犯罪いろいろ悩ましい課題を抱えて
おりますが、各国との協議の狙いと成果についてお尋ねいたします。

答  (長官)現在「東アジア地域組織犯罪対策代表者会議」、それと「東アジ
ア地域犯罪組織コンタクトポイントセミナー」が開催されております。前者
は、東アジアにおける組織犯罪の現状やその対策について、関係当局の代表
者間で情報共有と連携を図るための会議であります。後者のコンタクトポイ
ントセミナーの方は、コンタクトポイントオフィサーというのを一昨年各国
で設置してもらいました。これは国際組織犯罪について、東アジアの関係国・
地域が各種捜査資料や情報を迅速に交換・共有し、円滑に捜査協力を進める
ために、捜査担当者間の緊急連絡体制を確立することを目的として設置され
たものであります。コンタクトポイントオフィサー間の事案発生時における
連携強化を図るという目的のためにこのセミナーを開催しております。

   なお、今回の会議は、日・ASEAN友好協力40周年を記念いたしまし
て、ASEANAPOL事務局長、モリーン・サー氏による基調講演が行わ
れております。

   組織犯罪対策は、グローバル化が進展する中で「人、物、金」が自由に国
境を動きます。もはや一つの国・地域では対応できない課題であります。国
際協力のためには、制度とか手続等、乗り越えるべきハードルはありますけ
れども、本会議及び本セミナーの開催を通じて東アジアの組織犯罪対策の人
的ネットワークが拡大し、参加者相互の信頼が更に高まることで、こういっ
たグローバルな協力体制の強化につながるものと認識しております。