国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成25年12月5日(木)11:51~11:56

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  国家公安委員会定例会議の状況について御報告申し上げます。委員は、全
員出席です。議題事項については、「人事案件」等々について説明がござい
まして、原案どおり決定いたしました。その他、警察庁から報告事項につい
て、報告がございました。

      以上です。

  大臣にお尋ねします。北朝鮮に不正に貨物を輸出したとして、外国為替及
び外国貿易法違反で東京都内や福岡県内の貿易会社役員らが相次いで逮捕さ
れていますが、こういった事案について、また、摘発の意義などについて大
臣の所感をお願いします。

答  (大臣)冷凍タラの北朝鮮向けの不正輸出と、それから、中古タイヤの北
朝鮮向けの不正輸出と、この2件についての事案でございます。御承知のよ
うに我が国は対北朝鮮制裁措置を引き続き継続しておりますし、また、今年
の4月5日の閣議におきまして、措置の執行に当たっては、引き続き関係省
庁間で緊密に連携し、厳格に対応するようにということで、官房長官からも
指示を受けているところでございまして、この指示に従いまして対応させて
いただいた。今後とも違法行為の取締りを更に徹底してまいりたいと思って
おります。

  長官にお尋ねします。特殊詐欺の被害が1月から10月までで383億と
いうことで過去最悪を更新いたしましたが、いろいろ手を打っていると思い
ますけれども、この現状についての長官の受け止めと、対策についてお尋ね
します。

答  (長官)振り込め詐欺を始めとする特殊詐欺の情勢が非常に深刻化してい
ることを受けまして、本年は10月を全国一斉の強化推進期間として取り組
みました。この1か月で実行犯239人の検挙、それから、金融機関による
水際阻止により730件、約21億円の被害を阻止することができておりま
す。いずれも1か月の数字としては、過去最高であります。しかしながら、
10月中の被害総額は、43億円を超えております。それから、本年10月
までの被害総額は383億円と昨年1年間の被害を既に上回るなど、非常に
深刻な状況にあります。

   こういう現状を踏まえまして、被害相談を受けた際の迅速な対応、だまさ
れた振り作戦、口座凍結等の迅速化などを進めてまいります。また、警察の
総合力を発揮する必要があります。組織犯罪対策部門が有する情報も併せて
集約分析し、グループの中枢を狙った取締りを推進してまいりたい。それか
ら、金融機関窓口における水際作戦については、更なる推進をお願いしてい
ます。また、現在の主な手口と被害予防策の積極的な広報に努めていきたい。
こういったことを推進して、特殊詐欺の被害抑止に資する取締活動及び予防
活動を更に強化する必要があると考えております。

   加えて、特殊詐欺は、架空名義・他人名義の口座や携帯電話等の匿名性の
高い犯行ツールを利用する犯罪でありますことから、金融機関や携帯電話事
業者等の関係事業者・団体と連携し、グループがこれらのツールを入手でき
ない環境づくりにもこれまで以上に取り組んでまいりたいと思っております。

   また、我が国の現行の通信傍受制度では、振り込め詐欺はその対象とされ
ておりませんけれども、警察といたしましては、振り込め詐欺を始めとする
特殊詐欺の撲滅等に資するべく、通信傍受の拡大、会話傍受の導入等につい
て引き続き法制審議会特別部会においてしっかりと議論を行うなど、捜査手
法の高度化につき、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。