国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成26年2月27日(木)11:41~11:47

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  国家公安委員会定例会議の状況について御報告申し上げます。委員は、全
員出席です。議題事項は、「犯罪被害者等給付金の裁定に対する審査請求事
案の審理状況及び裁決について」、「暴力団員による不当な行為の防止等に
関する法律の規定に基づく適格都道府県センターの認定について」等々説明
がありまして、原案どおり決定させていただきました。その他、警察庁から
報告事項について、報告がございました。

      私からは、以上であります。

  大臣にお尋ねします。企業などに不正プログラムを添付したメールを送り
付けて機密情報を盗み出そうとする標的型メールによるサイバー攻撃につい
て、去年は「やり取り型」の攻撃が急増したほか、次々と新しい手口が確認
されるなど、その巧妙化・多様化が進んでいます。現状と対策について大臣
のお考えをお願いします。

答  (大臣)警察では、平成25年中、我が国の民間事業者等に対し、様々な
方法で情報を盗み取ろうとしたとみられるサイバー攻撃が行われたというこ
とを把握いたしております。

   その手口を見ますと、ウェブサイトを改ざんした上で、待ち受けてウイル
スを感染させる「水飲み場型攻撃」と呼ばれるサイバー攻撃を初めて確認さ
せていただいたりいたしまして、巧妙化・多様化が進んでいることは間違い
ありません。また、攻撃者が、攻撃対象に関する情報をインターネット上で
事前に収集した上で、標的型メールを送信した事例というものも確認されて
おりまして、攻撃の計画性というのがうかがわれています。

   警察においては、こうした手口の巧妙化・多様化にも対抗していくことが
できるように、警察職員の専門的知識の向上や、サイバー攻撃分析センター
の分析能力の強化等により、対処能力の向上を図っていきたいと思っており
ます。また、被害の未然防止のための民間事業者等との情報共有、あるいは
サイバー攻撃の実態解明等への民間の知見の更なる活用、こういった取組に
よりまして、民間との連携を更に強化し進めていくよう、警察を督励してま
いりたいと思います。

   なお、セクコンには62名参加いたしましたけれども、一部の県では、札
幌大会では3位に入るなどしておりまして、警察庁の専門職員には、これか
らも、こういったコンテストに参加していただくことが大切だと思います。
あの竹内智香も最初は惨敗でしたし、タイガーウッズでも最初の試合は予選
落ちでした。でも見事にああやって研鑚を積み重ねることによって、世界の
トップになっています。そういう取組をしていく、堂々と挑戦していくこと
が大切だと思います。

  長官にお尋ねします。昨年12月に京都で餃子の王将社長が射殺される事
件がありました。今年2月には群馬県で女性が射殺されています。最近の銃
器犯罪の情勢と拳銃押収の現状について所見をお願いします。

答  (長官)最近の銃器発砲事件の発生件数は、平成14年以降減少傾向にあ
ります。平成20年に50件を下回って以降、引き続き比較的低い水準で推
移しております。他方、拳銃の押収丁数は、平成21年以降概ね400丁前
後で推移しておりまして、昨年は11月末現在の統計でありますが443丁
でございます。このうち暴力団からの押収が63丁にとどまっておりまして、
その背景としては、暴力団による拳銃の隠匿方法の巧妙化等が考えられると
ころであります。

   銃器発砲事件が発生しますと、国民の安全・安心に重大な脅威を与えるこ
ととなります。警察といたしましては、暴力団が組織的に隠匿・保管する銃
器の押収はもとより、一般人に対する拳銃の供給における暴力団の関与も視
野に入れて摘発を行うなど、銃器取締りを徹底してまいりたいと考えており
ます。

  長官にお尋ねします。平成25年中の少年非行情勢が発表になりましたが、
そのうち振り込め詐欺に関与する少年が非常に増えて、摘発者が262人に
なりました。4年前の8倍ということですが、この現状についての長官のお
考えをお聞かせください。

答  (長官)先日、発表いたしました特殊詐欺の状況で、特殊詐欺の検挙人員
の2割近くが少年であったという統計が出ております。このうち振り込め詐
欺で検挙されました刑法犯少年は262人、この統計をとり始めましたのが
平成21年でありますが、平成21年の33人から約8倍に急増しておりま
す。検挙人員の約7割がいわゆる「受け子」と呼ばれる現金の受け取り役で
ありまして、その背景には、遊興費欲しさに先輩や知人等からの誘いに安易
に乗って、アルバイト感覚で犯行に加担している状況が見受けられ、由々し
き問題であると認識しております。

   警察といたしましては、検挙を通じて少年の更生を図ることはもとより、
学校との連携による規範意識の向上、再犯者等に対する非行防止対策の推進
等、少年を特殊詐欺に加担させないための取組を引き続き推進してまいりた
いと考えております。