国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成26年3月18日(火)9:23~9:33

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  

  先ほど、総理官邸で安倍総理、菅官房長官、岸田外務大臣らと拉致のコア
会合をされていたと思うんですけれども、どういう話がされて、どういった
ことが決まったんでしょうか。

答  これは2回目のコア会合でございます。1回目は2月12日にやっていま
すので、ほぼ1カ月ぶりにもう1回やらせていただいた。今御承知のように、
横田さん御夫妻がモンゴルにてお孫さんと面会をしたという状況もございま
して、その報告と、今後の我が政府としての拉致に対する取組方針について
議論させていただきました。中身についての言及は控えさせていただきます。

  今朝のテレビ番組で、大臣は北朝鮮への制裁解除をするかどうかについて、
拉致被害者が戻ってくればなという趣旨の発言をされました。これは制裁解
除への前向きな姿勢を示したものなのか、それとも依然として解除について
は白紙なのか。

答  これは我々もう何度も申し上げているように、拉致被害者が戻って来なけ
れば、制裁の解除はおろか、1円の支援もすることはないんですよ。それは
はっきり申し上げた。それに尽きます。ですから、北朝鮮は拉致された被害
者をすべて日本に送り戻すというのが大前提になるということであります。
そういうことを申し上げました。

  これまでと変わったことはない。

答  変わっていません。基本方針は寸分とも変わっていません。

  関連してなんですけれども、2008年の日朝実務者協議のときは、拉致
の再調査に着手すれば、制裁解除するというようなそういう日本政府の方針
だったんですけれども、着手するだけでは制裁解除には踏み切らないと、政
府としてハードルを上げたということなんでしょうか。

答  これはもう第2次安倍政権になりまして、そのことは何度も申し上げてい
ますよ。拉致被害者すべて、向こうの責任において戻すということがすべて
の大前提になっているんです。この政権は。ということです。

  国連人権理事会で調査委員の報告書が提出されました。その後拉致被害者
の家族としては、初めて飯塚繁雄代表がスピーチするということになりまし
た。大臣としての受け止めをお願いします。

答  これは飯塚代表に代表として行っていただきまして、中身については、飯
塚代表から拉致の事実とか、北朝鮮による拉致は日本だけに止まらず、世界
各国で行われている国際的な問題である等々、極めて具体的な発言をいただ
いたと承知いたしております。この飯塚代表の発言によりまして、今後、拉
致問題に対する国際社会の理解と解決につながるということを私たちは期待
をいたします。そういう意味で非常に意義のある訪問であったと思っていま
す。

  一方で北朝鮮が飯塚代表のスピーチに対して、抗議の退席をするという事
態がありました。これについてはどうでしょうか。

答  何かそうらしいですね。北朝鮮側が議長に対してこれはCOIとの対話の
セッションなのかということを質問して、議長は「そのとおりだ」と、こう
いうふうに発言をして、飯塚さんは日本政府を代表しているのかと質問して、
議長は「代表団に入っている」とはっきり、厳しく、強く言明されたそうで
す。その後、淡々と飯塚さんは説明を継続されたと聞いております。見事な
仕切りではないでしょうか。

  先ほどのコア会合に戻るんですけれども、コア会合ではめぐみさんの御両
親の会見のことなど報告があったと思うんですが、ほかに面会のことも報告
があった。ほかには、明日から始まる日朝の赤十字会談、そういったことに
ついての話はあったんでしょうか。

答  日朝赤十字会談をやります。これは公表していますから、そういった話は
ありましたよ。日朝赤十字会談はやります。中身は一切ないですよ。

  今後の局長級とか、そういった会合とかは。

答  これは具体的な中身ですから、コア会合の具体的な中身については、一切
私の方から発言させていただくことは控えさせていただきます。

  拉致に絡んでなんですが、昨日、大臣、ベトナムのタン公安副大臣と会談
されたと思います。ベトナムは北朝鮮と国交がある国でもありまして、一部
報道では安倍総理との間で、今日、主席が拉致問題解決の協力強化へ合意と
も報じられています。拉致解決に向けてベトナムとの協力をどう進めていく
のか。

答  私も昨年ベトナムに訪問したとき、クアン公安委員長、ズン首相等と会談
をして、必ず総理が首脳会談のときにおっしゃっているようなこと、すなわ
ち拉致問題の解決について、私もそういったことを言及させていただいてお
ります。その流れで、つい過日第1回のベトナム・日本警察の公安関係者、
次官級会議というのが開会されまして、日本からは警察庁の次長が訪問して、
その際にも拉致問題について相当意見交換をさせていただきました。そのフ
ォローアップする意味で、日本の関係者も外事の専門家も含めて行って、向
こうと情報交換をさせていただく、そういうかなり緊密な連携は取っていま
す。先方も拉致問題について、非常に高い関心を示していただいていますの
で、北朝鮮と国交があり、なおかつ日本と友好関係を結んでいる国々とは、
積極的に連携していく、これが安倍政権の基本スタンスでありますので、当
然、今日ズン主席との会談の中でもそういう拉致問題についての協力の話が
出るだろうと私は考えております。

  今日の番組の出演の中で、今回、横田夫妻とお孫さんが会ったのは第三国
であるということで、第三国で会うことを北朝鮮が認めたということは、何
らかのシグナルだとか、前向きなサインだとおっしゃっていました。これは
大臣はそのように。

答  そのとおりですね。そういう進展することを期待するという趣旨のことを
私はテレビで申し上げましたけれども、全くそのとおりだと思います。