国家公安委員会委員長記者会見要旨

1 日時 平成26年3月20日(木)11:51~11:56

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  国家公安委員会定例会議の状況について、御報告申し上げます。委員は、
全員出席です。議題事項は、「平成26年度政策評価の実施に関する計画
案」、並びに「平成26年度国家公安委員会・警察庁交通安全業務計画案」
などについて説明がありまして、原案どおり決定させていただきました。
その他、警察庁から報告事項について、報告がございました。

      私からは以上です。

  大臣にお尋ねします。昨年の薬物情勢がまとまりました。覚醒剤の押収
量がかなり増えています。現状と対策についてお願いします。

答  (大臣)薬物情勢については、検挙人員は減少傾向にはありますが、密
輸された覚醒剤の押収量は、4年連続の増加であり、依然として憂慮すべ
き状態であると認識いたしております。

   また、重大な交通事故や救急搬送事案が相次いで発生しているいわゆる
「脱法ドラッグ」の問題に対し、警察では、販売業者に対する指導・警告
や各種法令を適用した検挙等の各種対策を講じているところでございます。

   この点、「脱法ドラッグ」の所持や販売を規制することが必要です。ま
た、これまで閣僚懇で、私が厚生労働大臣等々にも要請してきておりまし
たが、指定薬物への包括的な指定、これに加えまして、4月1日から単純
所持等に対する規制が行われるということは、「脱法ドラッグ」対策の大
きな前進になると認識いたしております。

   こういったことを踏まえ、今後「脱法ドラッグ」及び薬物の取締りを一
層強化するよう、警察を督励してまいりたいと思います。

  長官にお尋ねします。東芝の提携先企業の元技術者による韓国企業への
不正な研究データ流出事件が検挙されました。この事件についての長官の
お考えをお聞かせください。

答  (長官)お尋ねの事件につきましては、3月13日警視庁において、国
内大手電機メーカーと共同開発事業を行っていた半導体メーカーの元社員
を不正競争防止法違反で逮捕いたしました。

   容疑は、国内大手電機メーカーが営業秘密として管理していた記録媒体
の開発情報を元社員が複写し、外国企業に開示したものでありますが、現
在捜査中であり、捜査の具体的な内容についてはコメントを差し控えさせ
ていただきたいと思います。今後、警視庁において法と証拠に基づき、厳
正適正に捜査を進め、事案の全容解明に努めていくものと承知しておりま
す。

  長官にお尋ねします。昨年中のストーカー、DVの状況がまとまりまし
た。検挙、認知とも過去最多を記録するなど厳しい情勢で、警察は体制の
整備など進めていますが、現状への御認識、今後の取組についてお尋ねし
ます。

答  (長官)御指摘のとおり、平成25年中ストーカー事案、配偶者暴力事
案のいずれの認知も過去最高となるなど、恋愛感情等のもつれに起因する
暴力事件は深刻な情勢が続いております。

   昨年、秋以降、警察は人身の安全に対する切迫する脅威への事態対処の
強化を図り、刑事部門と生活安全部門を総合した対処体制の構築を進めて
まいりましたが、4月1日までに全都道府県警察でこの対処体制が整備さ
れる見込みであります。

   国民の生命・身体の安全の確保を最優先に、早期に加害者を検挙するな
ど、警察として執り得る手段を駆使することといたしておりますが、昨年
11月以降、この種事案の逮捕件数は前年比2割以上増加しているところ
であります。今後とも警察として執り得る措置を積極的に講じながら、関
係機関や民間団体等と緊密な連携を図りつつ、被害の発生・拡大防止に全
力で取り組むよう、第一線を指導してまいりたいと考えております。