国家公安委員会員長記者会見要旨

1 日時 平成26年3月27日(木)11:33~11:39

2 場所 警察庁第4会議室

3 概要  国家公安委員会定例会議の状況について、御説明申し上げます。委員は、全員出席です。議題事項は、「平成25年中の不正アクセス行為の発生状況等の公表」、「盲導犬の訓練を目的とする法人の指定及び公示」そして、3つ目「国家公安委員会・警察庁防災業務計画の修正」などについて説明があり、原案どおり決定いたしました。その他、警察庁から報告事項について、報告がございました。
 以上です。

問  大臣にお尋ねします。昨年一年間の来日外国人による犯罪の検挙状況についての報告が公安委員会にあったと思います。昨日は、警視庁が検挙したベトナム人犯行グループの事件を発表されました。外国人による犯罪の状況について大臣の所見をお願いします。

答  (大臣)まず、来日外国人による犯罪の総検挙件数・人員は、過去数年、減少傾向にありましたけれども、平成25年中は総検挙件数・人員ともに若干増加いたしました。来日外国人犯罪は、我が国の治安対策上考慮すべき重要な事項でありますので、適切な対処をしていく必要があると考えております。
 また、今御指摘のあったベトナム人による万引きの被害品をベトナム航空客室乗務員が国外に持ち出した事件も検挙していますけれども、今後は、こういった組織性が強い犯罪への対応を更に進めていきたいと思いますし、また、国民に著しい不安を与える悪質、重要な犯罪の徹底検挙、そして、より手口が巧妙化する犯罪インフラ事犯への対応、こういった点に重点を指向して、幅広い情勢の把握、分析に取り組み、引き続き、国内関係機関や外国捜査機関と密接に連携の上、対策を推進していくように警察を強く督励してまいりたいと思います。
 特に、ベトナムにつきましては、私も大臣就任以来、ベトナムのクアン公安大臣とはもう4度会っています。それから、タン公安副大臣とも過日のサン主席の随行員として来日した際に、会談させていただきました。良い意味での信頼関係ができています。また、次長にはベトナムにも訪問してもらって、そういった情報の共有をする取組が具体的に始まっております。特に、ベトナムは最近非常に万引き等々、組織的なもの、今回の事例のようなものが増えておりますので、ベトナムの公安当局との情報を共有することによって、犯人の検挙、あるいは取引ルートの解明につながっていくと思います。そういったことを視野に、取締りの強化、国際連携の強化をしていきたいと思っています。

問  次長にお尋ねします。昨年中のサイバー犯罪の状況がまとまりました。全体の検挙が過去最高で、不正アクセスになりますと認知も過去最高です。こうした情勢への受け止めについてお尋ねします。

答  (次長)平成25年中におけるサイバー犯罪の検挙件数は8,113件で御指摘のとおり過去最多を記録しております。10年前の約4.4倍という状況になっております。内訳でありますが、不正アクセス禁止法違反も、あるいはコンピュータ・電磁的記録対象犯罪も、それから大半を占めますネットワーク利用犯罪も、いずれの検挙件数も前年に比べて増加という状態であります。また、サイバー犯罪等に関する相談件数84,863件ということで、これも過去最多という状況になりました。
 サイバー犯罪は、量的に増加するとともにかなり多様化、悪質、巧妙化が進んでおりまして、情勢は大変厳しいものと認識しております。また、この種の犯罪については、被害に気付かない場合や被害申告がされにくい場合が少なくないなど、潜在化しやすい傾向もあると見ております。
 警察としては、サイバー犯罪に対して、体制の充実、あるいは教養の強化等によって捜査力、技術力、両面にわたって対処能力の向上を図り、更に各種資機材を積極的に活用する、あるいは民間の知見も取り入れるなどいたしまして、今後とも検挙の徹底に努めてまいりたいと考えております。また、引き続き被害防止の観点から、あらゆる機会を通じて国民に注意喚起を行うとともに、相談者側の視点に立った迅速かつ適切な相談対応を推進していくこととしております。